江崎格の発言 (経済・産業委員会)
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○政府委員(江崎格君) 今回お願いしております法律の改正案でございますけれども、これはコピーの管理技術とかあるいはアクセス管理技術を無効化する機器やプログラムの販売などを不正競争行為として位置づけて、民事救済の対象にするということでございます。
まず、今御指摘の著作権との関係でございますけれども、コンテンツを見たり聞いたりするといういわゆるアクセスということなんですが、これだけですと著作権の侵害には当たらないというふうに従来位置づけられております。したがいまして、アクセスだけをするような例えば不正の機器をつくってそれを販売するということになると、著作権の侵害の問題にはまずならないということになると思います。
それから、それのコピーをつくるということになりますと、これはもちろん著作権の問題にはなるわけでございます。ただ、今回お願いしておりますようなコピーの管理技術を無効化する機器をつくってそれを販売するという段階ですと、機器を売っているだけということですから、まだ実は特定の著作権が侵害されたということにはなっていないわけでございます。そういたしますと、侵害された著作権者が特定していないということなものですから、著作権に基づく民事救済の対象にはできないということになります。したがいまして、著作権法ではこの点では対応ができないということになるかと思います。
一方、不正競争防止法でございますけれども、これは昭和九年に制定されて以来、不正競争の防止ということで、事業者の経営上の利益を保護するとともに、これを通じまして公正な競争秩序の維持を図るということを目的にした法律でございます。
今回のコピーの管理技術とかあるいはアクセスの管理技術というのは、無断でコピーをするとかあるいは無断でのアクセスを防止する、料金を支払ってきちっとコンテンツを提供してもらうという契約内容の実効性を確保するためにそうした管理技術が施されているわけでございます。こうした実態を踏まえますと、管理技術を無効化する機器とかあるいはプログラムを提供する行為、これを公正な取引秩序を阻害する行為として不正競争防止法上の不正競争行為として位置づけまして、これに民事上の救済を与えることにするということでございまして、私どもとしてはこの不正競争防止法の法目的に合致をしているというふうに思っております。
今、先生の御指摘の法目的に「事業者間の公正な競争」という文言は確かにあるわけでございますけれども、この不正競争防止法は従来から経済の実態あるいは取引の実態に照らしまして不断に見直しをしてきているわけでございます。
現に、営業秘密の不正な開示とか、あるいはにせのブランドを使って商売をする、そういう場合の従来の裁判例を見ますと、必ずしも当事者が直接競争関係にないというケースがございます。例えば、シャネルという名前で貸しおしぼりの商売をするとか、それからディズニーという名前のパチンコ店を開くというようなことがございますが、これはそれぞれのそういうブランドと直接競争関係にないわけでございますけれども、こうしたものも法律改正をいたしまして民事救済等の対象にするということでございます。つまり、直接競争関係にない者の行為であっても、公正な競争秩序の維持を害するというものは不正競争行為ということで、事業者間の公正な競争というのを広く解釈するようになってきているということでございます。