樋口廣太郎の発言 (経済・産業委員会)
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○参考人(樋口廣太郎君) 今、畑先生のお話、一番大事なところを突いておられると思うのでありますが、評価というのは、昔からよく言われたのは、神の行うところを人はこれをやるべきじゃないという言葉は宗教的にはあるわけですが、やはり評価しなければ世の中は進まないわけであります。
何のための評価をするかということのまず一つが、評価の必要性あるいはそのニーズということ、このためにこれの評価をするのだということ。それから二番目は評価項目、それから評価に対する点数の重点の置き方、この三つが一つの判断基準だと思うのであります。
そこで問題は、今の企業の実態、流れを見ますと、執行役員制というのがしかれているわけであります。二つの大きな事例がございました。一つは、執行役員制を真っ先にしいたのはソニーその他の会社でございますが、これは極力責任体制をはっきりする、そして最後に決断する人間は少数で決める、しかしそこには必ず社外の役員に入ってもらう、七、八名から十名の中に入ってもらうということでございます。一方、日産自動車の場合は、全員の役員が責任をとるということで、全員の役員の合意ということに決めたわけであります。
結果的に結論は出ておりませんけれども、二つの両極端の形があったわけでありますが、世の中の流れを見ますと、執行役員制という少数によってやはり決めていく。しかしながら、これは国会でもあるいは各党でも同じだと思うんですけれども、最終結論はやはり全員の合意を得る。執行役員制だからといって必ずしも全役員の、あるいは物によっては、物によってはというと野口さんに怒られるかもしらぬけれども、物によっては労働組合との協議は必ずやる、こういう問題は私、出てくると思うんです。そういう問題の判断ができるかどうかということであります。
そこで、これが形になって今あらわれてくるのは格付ということでありますが、格付ということが勝手格付ということでアメリカの格付会社によってやられている。これに対して非常に情けない思いをしているわけですが、これに対して毅然として闘った例を申し上げますと、トヨタ自動車が格付を落とされる。あれだけの立派な業績を上げてなぜだと。一つは、最初はさくら銀行が非常にある時期にピンチに陥ったときに増資をしなきゃならない。長い間お世話になったということでトヨタ自動車は増資に応じますと言ったところで、格付会社が三日後に、そういう内容も調べずにすぐ増資に応じるような会社は格付を一格下げると。格付が下がるということは、長期資金の調達に金利が高くなるということです。
続いて起こったことは、トヨタは終身雇用ということを厳守している。労使協約によって決めた終身雇用を永久にやっている。終身雇用を決めている会社はもう一格下げるということに対して、奥田君以下は断固として、冗談じゃない、そういうものによって下げられるなら下げてみろということで、トヨタの調達力というのはあると。
こういうことが一つの格付という大きな面において、評価というものの原点に非常にそういうものが出てきている、恣意的なものが出てきている。その辺を今、畑先生がおっしゃるとおり、この問題に経済社会だけじゃなくて全社会が向かっていかなきゃいかぬ。公平な公正な、しかもその国の特殊事情がいろいろありまして、我々が絶対にいい慣行だと思っていた終身雇用自体も壊そうとしてきている。こういう問題も考えながら評価という問題は考えなきゃいけないと思っております。