小渕恵三の発言 (行財政改革・税制等に関する特別委員会)
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○国務大臣(小渕恵三君) 現在、我が国は諸外国に例を見ない速さで少子高齢化が進行いたしておりまして、この高齢化に伴いまして社会保障の給付と負担の増大が見込まれる一方、少子化によるさまざまな社会的、経済的影響が懸念されておるところでございます。
このような少子高齢化に適切に対応するため、私自身、施政方針演説におきましても、安心へのかけ橋の整備の必要性を述べたところでありまして、国民が安心のできる社会を築くため、国民に信頼され、将来にわたって安定的に運営できる社会保障制度を構築すべく、年金、医療、介護などの社会保障制度について構造改革を進めておるところでございます。
特に、少子化への対応につきましては、昨年十二月に私が主宰する少子化への対応を考える有識者会議の提言を受けたところであり、この問題に適切に対応すべく、先般、少子化対策推進関係閣僚会議や少子化への対応を推進する国民会議を設け、国民的な広がりのある取り組みを進めております。今後とも、少子高齢化に総合的に対応し、二十一世紀においても明るく活力のある社会を築き上げるよう努力してまいりたいと思っております。
問題意識といたしましては大変強いものを持っておるわけでございますが、たまたま先般のこの国民会議を設けることの機会に関係者の皆さんともいろいろと意見交換をいたしましたが、私自身も実は先般、ケルン・サミットと同時に北欧サミットに日本も参加いたしまして、第二回の会合を開いてまいりました。その折、この少子化問題についてもいろいろと話をいたしたわけでございます。
非常に関心を持ちましたのは、いわゆる日本の合計特殊出生率が今日なお低くなってきておりまして、一・三八というような数字が示されておりますが、かつて私どもはこうした少子化の傾向というのは、言ってみると、この北欧諸国がその典型的な例ではないかという認識をいたしておったわけでございます。世界に先駆けてこうした国々が大変出生率が低くなってきておることに対して、我々もそうした認識をいたしておったわけでございますが、最近の数字を見ますると、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク等は一九八〇年代にそれぞれ一・六八、一・七三、一・五四、この辺を最低限といたしまして、現在は実は出生率が上がってまいりまして、それぞれ一・七四、一・八七、一・八というような数字になってきております。
私どもの従来の概念からいいますと、北欧諸国というものは女性の勤労に対する進出が非常に大きい。また、税負担もいわゆる付加価値税というようなものが二〇%から二五%という高率に対して、やはり社会保障を完備するためには男女とも勤労の機会が大きいということで、それが出生率にも非常に影響するんじゃないかという認識をいたしておりましたが、今申し上げたような数字になってきております。
私も実は、アイスランドでそれが行われましたので、たまたま大統領にいろいろお話をする機会がありました。北欧諸国で少子化傾向に歯どめがかかったのは、三十代後半あるいは四十代の夫婦が子供をつくるようになったことが大きく影響していると。社会全体で経済的に潤い、余裕が出てきたことが一般的な背景として、特にこの世代が家計的にも社会的にも安定し、若いときほどあくせく働く必要を感じなくなったとき、物質的な豊かさに加えて、家庭という精神的な豊かさを求めるようになったあかしであるというのがグリムソン・アイスランド大統領の私に対するお答えでございました。世界の国々の趨勢の中でいろいろとこうした出生率の問題、いわゆる少子化からどうこれから変化していくかということについての何らかの答えも含まれているんではないかという感じがいたしております。
そういった意味で、先ほど申し上げましたようないろいろの会議あるいは閣僚会議等を通じまして、日本における少子化がなぜ起こってきているかというような原因もさらにさらに究明しつつ、やはり将来日本としても再生産可能なような形のものができていく姿というものを求めていかなければならないのではないか、そうした感じをいたしてきておるところでございます。