中川義雄の発言 (国旗及び国歌に関する特別委員会)

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○中川義雄君 私自身のつたない経験ですが、日本人の国旗・国歌に対する考え方の変わりようといいますか、今、杉原先生も言われましたように、戦後から今日まで年を経れば経るほど、例えば国旗の掲揚率も下がってきているし、それからいろんな機会で国歌を歌う機会も少なくなってきている。例えば学校の諸行事においても、私が義務教育それから高等学校教育を受けたころは、国旗・国歌について議論をするなんということはもうほとんどなかった時代におりましたが、それが最近になって非常に大きな議論になっている。それはそれで、国旗・国歌に対する議論はいいんですが、一方では、国際的に見ると変な日本人になりつつある、世界じゅうの人から日本人を見れば。
 例えば、私が経験した非常に惨めな思いをしたのは、昭和四十六年に、私は北海道庁に勤めておりまして、シベリア開発と北海道の関係を親密にしようということでミッションを送ったことがあるんです。そのときに、ブラーツクというところでブラーツク大学の先生方と交流会を設けました。そして、ブラーツク大学の先生方が歓迎会を開いてくれて、大変愉快な会になったんです。そして、国旗をテーブルの上にきちっと置いて、司会者が立って、非常に上手な宴席に入ったんです、友好的な。そうしたら、そこに参加していた道会議員の一人が、かなり強いアルコールなものですから酔ってしまって、お酒を乾杯して座り際に当時のソ連の国旗にそれをかけてしまった。そうしたら、その途端に司会者の態度が一変するんです。何が急に起こったのか、私たちはそれを見ていませんでしたから、よく聞いて冷静になると、国が侮辱された、これは許しがたいことだと。
 そのとき私がしみじみ感じたのは、日本では一体どうなるだろう。お客さんを呼んで形式的に国旗を置いても、お客さんを大事にするから、もし間違ってお客さんが日本の国旗にお酒をこぼしても、お客さんにかかったお酒をふくのがもう先に走って、国旗に対してそういう行為があってもだれも何も言わないのがこの国ではなかろうかと、そのとき本当に大変な気持ちになったことがある。
 それからもう一つのとうとい経験は、今のは昭和四十六年の記憶ですが、昭和四十九年のときに北欧へ行ったんです、ちょうどオイルショックのときでしたけれども。省エネ省エネとやっていて、スウェーデンのストックホルムの市庁舎へ行ったら、広場の真ん中に人がたくさん集まっているんです。何をやっているのかと思って行ってみたら、国旗がたくさん置いてあるんです。市民がそれを一つずつとって、ちゃんとお金を払ってとっていっているんです。それでよく聞いてみたら、その国旗は温度が上がると半旗になるようにできている。ちょうど十九度ぐらいの温度でつくってあって、それ以上室内温度が高くなると半旗になる。そうすると、スウェーデン人の国旗に対する非常に敬虔な思い、半旗になることを非常に忌み嫌う。そういうことで、室内温度を十九度以上にしないように守らせるというような、そういう旗になっている。
 そのときも私は大変感銘を受けましたが、果たして日本ではこんなことを工夫してもだれも守ってくれないだろう。大体、祝祭日にでさえ国旗も掲げない国民性、そういうふうになってしまった。
 これからの国際社会において国際交流が大事になってくる。ですから、相手の国のいろんな伝統や文化を大事にすると同時に、日本のいろんなことも考えて、そして少なくともきちっと自分の国の国旗や国歌を思う心も育てて、そして国際的にもそういう誇りを持って交流できるような社会にしなければならないと思ったときに、この現実に私自身は大変ショックを受けたことがあるんです。
 それに対して、つい最近、冬季オリンピックで日本の若い人が優勝しました。しかし、国旗が掲げられて国歌の中で表彰されましたが、そのときのお嬢さんのとった態度が大変国際的にもいろんな問題を起こしました。これも、その子供が悪いのではなくて、国旗や国歌、そういうものに対するしつけ、家庭教育から社会教育、学校教育を通じてのしつけがそうさせて、国際的に恥ずべき現象になってきている。
 こういうことから見ましても、国旗・国歌をきちっと、歴史的な経緯があるのなら歴史的に経緯があってそこで議論されて、議論する人はきちっと提案してやるべきであって、決まった国旗・国歌については、それをきちっと尊重する心、国家としての日本国の将来を考えたときに、そういう国民を育てていくこと、私はそれが大事なことだと思いますが、それに対して石田先生と杉原先生の私の考え方に対する御評価をいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 中川義雄

speaker_id: 32817

日付: 1999-08-03

院: 参議院

会議名: 国旗及び国歌に関する特別委員会