大淵寛の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(大淵寛君) 御質問のポイントがちょっと十分把握できなかったんですけれども、これからの少子・高齢化時代の低成長をどのように活性化させるか、その手段についてお聞きになったというふうに御理解してよろしいでしょうか。
それは先ほども意見の中で私が申し上げた点ですけれども、経済的な面に限定して申し上げますと、より新しい時代に適合した新しい産業を育成するということがまず求められるかと思います。その中心はやはり情報産業、高度情報化の促進ということが重要ではないかと思います。
全国的な光ファイバー網の設置等によって、例えば自宅にいても会社にいるのと同じような仕事ができるというようなインフラを整備することによって、働く女性が会社に行かなくても自宅にいて十分な仕事ができるというような条件を整えることにもつながることであります。
したがって、相当の資本は当然投下しなければなりませんけれども、高度情報化ということがやはり二十一世紀の経済活力を高める、あるいは維持するために絶対必要なことであるというふうに考えております。
それとともに、労働力の減少が間違いなく二十一世紀に入りますとすぐに始まりますので、ここでやはり量的な面のみならず質的な面での改善を必要といたします。
量的な面で申しますと、女性と高齢者と外国人労働者ということになります。男性は、既に若年層と高齢者を除きましてほとんど九七、八%労働市場に出ております。女性は、御承知のとおりM字型の労働供給曲線を持っておりまして、子育ての時期に谷を形成いたします。しかし、労働意欲は相当にありますので、ここの部分を労働力として活用するということが将来求められます。
ただ、現状ではこの就業と出産・育児というものがトレードオフの関係にある。一方をとれば他方を捨てなければならない。つまり、働けば子供が産めない、子供をつくると働けない、こういう状況は女性の労働力化を妨げますので、働きながら子育てができる、こうした環境をつくることが必要であります。先ほど申し上げた情報化の促進ということがその一助になろうかと思います。
また、日本型雇用慣行と言われるような年功賃金体系とか終身雇用、こうした慣行を見直すとか、あるいは少子化対策として一覧表を掲げておきましたけれども、その中でいろいろ掲げておいた多様な雇用形態、就業形態というものを企業が採用することによって女性が働きやすくなる、働きながらでも子育てができる、こういう状況をつくり出すことがぜひとも必要になろうかと思っております。
それからまた、若い人々に特に期待されるのは技術面での開発努力といったことでありますけれども、情報とかバイオとか、そうした新しい産業を育成する中で、新しい技術の開発というものがより一層強く求められる時代になっていくだろうというふうに考えます。その前提として労働力の質的な向上が必要なわけで、その前提として教育水準のなお一層の向上ということが必要になります。
これまで高学歴化と言っておりました大学進学率の上昇がずっと進行しておりましたけれども、御承知のように大学の定員と志望者の数が同じになってしまう、競争率が一になるというような状況が間もなく参ります。学部では余り専門教育ができないようなそういう状況に今なりつつありまして、問題がそうした面で大変大きくなっているんですけれども、将来的にはやはりアメリカなどと同様に、大学院における専門教育というものが日本のこういう技術開発等々で中心的な役割を演ずる時代が来るであろうというふうに考えております。
以上です。