山田昌弘の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(山田昌弘君) まず第一点の親離れということに関しましては、親離れしない息子、娘の裏には多分子離れできない母親、父親というのがいるんだと思います。それは今の五十代、六十代の多くの夫婦の夢というのが子供を豊かに育て上げることだったというところから、つまり経済的に豊かになることのみを夢として生活を組み立ててきたというところからきているのだと思います。つまり、今の五十代、六十代の親に、子供をお嬢さんお坊っちゃんに育て上げていい結婚をさせる以外の楽しみ、夢というものを見ていただくようというのも変なんですけれども、持つようにする必要があるのではないかと思っています。
 例えば、私、高齢者の夫婦の聞き取り調査というのをしていたんですけれども、そのとき夫婦二人で一度も出かけたことがないというような結果も出てきました。つまり、夫婦で楽しく過ごせないので、子を依存させ続けるという親ができてしまうというのも一因ではないかという気がいたします。
 もう一つは、共稼ぎの家庭に対してどのような政策が有効かということに関してですが、やはり一番大きいのは住宅政策ではないかと思います。
 今も、良質で安い住宅に入りさえすれば結婚できるんだがというような若い人の声は結構聞きます。今、出生率が結構高い層としていわゆる公務員や教員の共働き夫婦というのがあるんですけれども、それが高いのも、割と比較的良質の安い住宅に入れる上に共働きで、妻の方もパート収入ではなくてそこそこの収入を得られる見通しがあるからではないかと思っております。
 男の子育てや家事、育児の手伝いも、多分女性の能力を発揮してそこそこの収入を得ることにかかっているのではないかという気がいたします。これはまだ公表されていませんが、ライフデザイン研究所の前田正子さんの分析によると、夫の家事時間というものは妻の収入に比例する。別に夫の就業時間の短い長いとは余り関係なくて、妻の収入が高ければ夫は手伝うんだけれども、妻の収入がなければ夫の労働時間が短くても家事は手伝わないという、まことに身もふたもない結果が出ております。それを推進するために、やはり女性の能力を正当に評価して、そこそこの収入を得られるシステムをつくることが必要かと思われます。

発言情報

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発言者: 山田昌弘

speaker_id: 27219

日付: 1999-04-16

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会