朝日俊弘の発言 (国民福祉委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○朝日俊弘君 確かに、単なる老後の所得保障だけを目的とした純粋な年金制度ではないがゆえに目的を異にしているというのはおっしゃるとおりだと思うんです。
ただ、これはお答えは結構なんですが、私の考えでは、年金制度という基本的枠組みを維持しようとする限り、それはいろいろな政策目的が付加されるのはあり得るとしても、年金制度の原理原則みたいなところはきちっと押さえておかないと、あるいは踏まえておかないと、制度として成り立たないという気がするわけであります。既にそういう状態になっている。だから、これは研究会で今検討されていると思いますが、ぜひその辺のところをきちんと区分けしながら議論をお願いしたいなと思います。
さて、そこで、そういう問題が多分この制度はスタートからはらんでいたんでしょう。だから、この制度改正に当たっては、これまで何回となく社会保障制度審議会からは答申に付して意見が述べられているわけであります。私も大急ぎで調べてみました。大急ぎで調べてみましたら、簡単に言うと五年ごとに、要するに財政再計算のたびに社会保障制度審議会からこの制度のあり方について抜本的な見直しをしろというかなりきつい指摘がされているわけです。
例えば昭和六十年、一九八五年、このときの「農業者年金制度の改正について」の答申の中にも触れられています。社会保障制度審議会、「本審議会は、これまで繰り返し社会保障制度としての在り方からみて疑念を述べるとともに、」と昭和六十年のときに繰り返しと言っておりますから、もっと前から言っているんだろうと思います。そこまでさかのぼるのはちょっと時間的にできませんでしたけれども、とにかく六十年の段階から既にこれまで繰り返し社会保障制度としてのあり方から見て疑念がある。「早急に本制度の趣旨、目的にまでさかのぼつて、根本的な検討を行うことを強く要望する。」、これは昭和六十年の答申の中身です。
もう一々言いませんけれども、それと同じように、例えば五年後の平成二年にも「農業者年金制度の改正について」の答申の中でさらに詳しく述べられています。そして、こんな言い方さえしておられるわけです。社会保障制度審議会の答申の中の文章です。「農業者年金制度は、農業経営者の若返りや農業経営規模の維持拡大といった農業政策上の要請に応じることを主眼としているが、年金保険という形態をとっており、その政策効果についてはいぜんとして明らかではない。」、これは平成二年。
こんなふうにるる指摘をされ、制度改正あるいは財政再計算のたびに社会保障制度審議会からはかなりきついあるいは鋭い問題指摘がされているわけですが、それにもかかわらずといいますか、どうもなかなか制度改正、抜本的な検討作業に入ってこなかった。これは一体どういう理由があってのことなんでしょうか。