久世公堯の発言 (地方行政・警察委員会)
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○久世公堯君 自由民主党の久世公堯でございます。
住民基本台帳法の審議もきょうで四巡目を迎えました。思い起こしますと、この法律案の発端となった研究会は、たしか平成六年の八月に発足、平成七年の三月に中間報告、そして平成八年の三月には最終報告が公表されております。その後、幅広く意見を聞くために自治大臣を囲む懇談会が設置され、この意見の概要が平成八年の十二月に公表されますと、早速衆参両院におきましてこれをめぐっての論議が行われました。
これらの論議の中で、法律できちんと手当てをするように、しかもいきなり法律ではなくて、たたき台を示すことによって議論をしようということになって、自治省から平成九年の六月に住民基本台帳法の一部改正試案が公表されました。その後、さらに各党の意見を聴取したようでございます。
このような推移を経て、昨年の二月に法律案の骨子が公表され、その後、自民党において修正が加えられ、昨年の三月十日に国会に提出。考えますと、平成六年から平成十年までの約四年の歳月をかけて法律案が提出されたということになります。昨年の三月十日に提出されましたが、衆議院の本会議で趣旨説明を行ったのは今年の四月十三日、ちょうど四百日目に当たるわけでございます。その後は集中的に審議が行われ、衆議院から参議院に移って本日で衆議院の本会議から三カ月強が経過しております。
最近はパブリックコメントということが言われておりますが、このような推移から見ますと、法案が提出されるまでに研究会の報告、懇談会の意見、改正試案と、その考え方を示し、幅広く意見を聞いた上で、いわばパブリックコメント的な形で公表されて、それについて国会の審議も含めて議論があり、法案の提出後も各党においていろいろと勉強が続けられているわけでございます。
もう一つここで申し上げたいのは、ここ数年来技術の進歩によるネットワーク化が急速に進展をいたしております。今回導入される住民票コード、住民基本台帳カードといったものが当初考えていた以上に広がっております。将来はさらにこれが伸びていくという可能性を秘めているわけです。ワンストップサービス、電子申請、さらにはインターネットを通じた電子商取引などがあります。こういったネットワーク社会の中での本人確認、本人認証といったものの大きな土台が住民基本台帳法の改正であろうかと思います。
現在のレベルは、まだ住民票という紙をどこでもとれるとか、あるいは網羅的なネットワークによって住所異動などの申請が要らなくなるとか、そういうレベルかもしれません。しかし、二十一世紀におけるネットワーク社会ではオンライン上で本人確認が可能になります。今回の改正はその礎を築くことになるし、将来の見通しも見えてまいっております。当面は、十六省庁九十二事務であり、メリットもまだ限られているかもしれませんが、今後の大きな可能性を秘めていると思います。二十一世紀におけるデジタル革命あるいはネットワーク社会のインフラをつくるべく議論を広げたいと思っております。
この地方行政委員会には、地方行政の経験者が非常に多うございます。小山委員長を初め五人の委員が副知事を経験されておられます。また、知事、市長あるいは都会議員、県会議員、市会議員の経験者の方も多数おられるわけでございます。私自身も四十年余り地方行政に携わった者でございます。
地方行政というのは非常に地道で派手なものはありません。マスコミに取り上げられることも余りございません。しかし、住民生活を支える行政の基本は地方行政にあると思います。国政を支えているのも地方行政と言っても過言ではないと思います。地方行政は、地道で目立たないけれども、社会また行政を支えている大きな役割があります。社会基盤あるいは社会的なインフラと言ってもいいでしょう。
この地方行政の中における住民基本台帳法改正の意義は大きいと思います。住民基本台帳をネットワーク化し、住民票コードさらには住民基本台帳カードを導入し、このカードについても、将来の電子認証あるいはインターネット上での本人確認、そういった可能性まで含んでおります。今日の行政の基礎であると同時に、未来の展望の中でそのインフラとなるべきものだろうと思います。
いよいよ参議院審議も詰めの段階を迎えております。この住民基本台帳法、前身は住民登録法でございますが、これは参議院が先議し、衆議院へ回って成立をいたしました。今回の大改正は衆議院から参議院へと。衆議院でも十分なる審議をやられましたが、参議院におきましては、聡明なる委員長、理事の皆さん方が参議院らしい審議をという方針によっていろいろと工夫を凝らされました。豊田町、浜松市の現地視察を行いましたときには、十九名というほぼこの委員会全員に近い参加者がございました。参考人質疑も二回にわたって行われました。そして、本日は地方公聴会が行われたわけでございます。それぞれ貴重な御意見を賜りました。
また、きょうはおいでになっておられませんが、修正案提案者の衆議院の宮路、鰐淵、桝屋各理事にもそれぞれ適切なお答えをいただいたと思います。
質疑の方も、自由民主党では松村筆頭理事が口火を切り、木村委員はひとり言をも含めて熱弁を振るわれました。民主党の方では、山下筆頭理事は、いかにも高度情報化社会あるいはネットワーク社会にふさわしくCD—ROMを取り出して議論を展開されました。また、輿石、高嶋、藤井の各委員、四人の方全部が質問にお立ちになりましたし、公明党、共産党、社民党、自由党、参議院の会の皆様方も、一度ならずバッターに立っていただき、御熱心な議論を展開されました。
私もこの地方行政委員会にかなり長くおらせていただいておりまして、理事も二、三回経験をいたしました。しかし、その経験から見ても、今回の法律は非常に慎重審議かつ完璧に近い質疑だと思ったわけでございます。
また、地方公共団体もこの法案の審議あるいはその内容を見守っております。この法律ができてからいろいろなシステム開発なりカードなりを進めていこうという意欲に満ちております。きょうの公聴会でも与野市長さんから、コンピューター時代だから早くスタートをしてくれという御要望があったと承っております。
慎重な審議に加えまして、多角的、多面的、専門的に審議をするという参議院としての職責はほぼ果たせたと思います。そろそろ結論を得るべく、委員長を初め理事、委員の各位にお願いを申し上げたいと思います。
そこで、私はこれから自治大臣に三、四の点について基本的な問題をお尋ねしたいと思います。
去る七月八日に地方分権一括法が成立をいたしました。来年の四月一日から施行になりますが、この法律の成立によって、我々地方自治に携わる者にとって長年の懸案であった地方分権は現実のものとなります。いよいよ地方分権時代の幕あけを迎えることになります。こうした大きな時代の転換期において、この住民基本台帳ネットワークは基礎的自治体である市町村をベースとしたものであり、また都道府県に四つの情報と住民票コードを送り、都道府県が連携して構築するものであることから、このシステムはまさに地方分権の精神を貫こうと努力しているものであると思いますが、大臣のお考えを承りたいと思います。
加えて、この法律案については、マスコミの報道などでもよく国民総背番号であると批判されておりました。国民総背番号といいますのはまさにマスコミ用語でございまして、そのまま定義をしてみますと、国民につけた番号をもとにして国がありとあらゆる個人情報を一元的に集め管理する制度、このように言えるかもしれません。しかし、これまでの議論を通じて理解されましたのは、このシステムについてはおよそこのようなマスコミ的あるいは感情的な批判は全く当たらないものであると考えます。そして、地方分権に根差し、地方分権の精神を貫くものになっていると思われるわけでございます。
この点につきましては、先日の本会議で小渕総理からも明快な答弁があり、野田自治大臣からも繰り返し答弁をいただいておりますが、この際もう一度、このシステムがいわゆる国民総背番号につながるものではないということについて大臣から明快な御答弁をいただきたいと思います。