依田智治の発言 (日米防衛協力のための指針に関する特別委員会)

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○依田智治君 おはようございます。自由民主党の依田智治でございます。
 総理以下、各大臣、また衆議院の方からも御苦労さまでございます。
 きょう、ここへ来るに先立ちまして、依田氏はちょっと熱中すると声が物すごく早口になると、歌も早口が得意なものですから。それと、専門家でもございませんが、多少専門をかじった者としては、難しいことを易しく言うのが本来の専門家だ、こういうことでございます。そちらにも相当な専門家がおられますので、きょうはひとつわかりやすく、きょうも総括的集中ということで一日テレビがございます。国民の皆さんに、本当にガイドラインとは何だと、この法律というのは本当に我々のためになる法律なのか、このあたりを本当にわかりやすくやってみたい、こんな感じでおりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 衆議院でもう既に、この一覧表を見せてもらいましたが、公聴会、中央、地方も含めて八十時間やられている。当院においても昨日、終日やった。もう大体だれが立っても問題点は出尽くしているなという感じがするわけです。
 結局、この法律は、国の安全保障、危機管理にとって極めて重要な法律である、平和を確保するための極めて重要な法律だというように位置づけるか。一方、戦争へ戦争への法律、戦争法案、アメリカの戦争に加担する法案とか、自治体や国民を戦争に動員する極めて危険な法案だ、こういう二つの見方があるわけでございます。
 結局これは、国の安全保障、危機管理というものをどう考えるのかという、その基本のスタートにおいて違いがあるのではないか。私はいつも質問に立つと同じようなことを言うんですが、三点だけ、きょうは審議全体に通じる共通の問題なので、私はぜひ言わせていただきたい。
 その一つは、自分の国は自分で守るということが独立国家としてのまさに基本なんです。それで、国の任務として防衛があるわけです。後に防衛省の話もしますが、しかし、国が自衛隊をつくって、自衛隊が一生懸命訓練しても、それだけでは国は守れないわけです。結局、国の構成要素たる自治体、国民、これが一体になってその国を守るという気持ちがあってこそ、その国というものは守られる、この基本ですね。この周辺事態法案第九条、国以外の者の協力、当たり前のことです。大分遠くだけれども火事がある。風向きや乾燥によってはこっちまで燃えてくるぞというときに、これは家主の仕事だなんと言っている暇はないわけです。やはり全部一体となって重要な問題と位置づける。この法案を、そういう国だけではなくて自治体も含め、国民も含め、極めて重要な法律だということで位置づける、この問題が一つ。
 そうはいっても、一国だけでいかに防衛力を整備したって国は守れない。そうすると、国連があり、今NATOが問題になっていますが、そういう地域の安保があり、アジア地域ではARFというのがあるけれども、必ずしもまだ安全保障では機能していない。そうなってくると、二国間の防衛協力関係というのが国家の存立にとって極めて重要だ、こういうことなわけです。
 そう考えた場合に、我が国はアメリカとの同盟という道を選んでいる。そして、同盟というのは、私が言うまでもなく、我が国が日露戦争をやったときにイギリスと日英同盟をやっていた。バルチック艦隊がどっと来るときに、長い航海だからどこかの港に寄らなきゃいかぬ。そういうときに、港へ寄って良質の石炭を補給し、隊員が休養する、そしてまた出ていく。それが続いてこそ、そのサポートがあってこそ戦える。ところが、当時は英国は参戦こそしなかったけれども、側面から、ソ連艦隊が来てもあれを貸すなというようなことで、ソ連はさんざん苦労して日本海に来たときはくたくたになっていた。
 ここにロジスティックサポート、要するに補給の重要性というのはそこにある。戦闘に参加しないまでも、それをサポートする行動というのはいっぱいあるわけで、我が国のこの法律というのも、戦闘区域と一線を画する。わかりにくいけれども、我が国は政策としてそういう方針でこの法律をつくっていく。これも立派な考え方である。
 そういうことで、基地を提供すること自体が既に同盟関係において一方に味方しているわけですから、アメリカの戦争に加担する法律じゃなくて、アメリカとの同盟関係をより強固にするための法律だ、ここの位置づけが重要じゃないか。
 あと一つ。演説ばかりぶっていて申しわけないですが、きょうの基本ですから話しているわけです。もう一つは、軍事というものを戦後日本というのは忌避する傾向がある。例えば我々の体でがん、がんなんというものは、聞くのも嫌だと思ったっていつかしらはなっているかもしれない。こんな演説をしているとどこかに発生するかもしれません。そういう点を考えると、嫌だけれどもこれに対して対決して、予防のために最善を尽くすと同時に発生したらあらゆる手だてを講ずる。軍事というのもそうです。いかに外交努力をしても、なお軍事に頼らざるを得ないときがある。そこをどうするのか。安全保障というもの、軍事というのは、それがすべてではないけれども不可欠の要素だ。
 したがって、ガイドライン法案だって、周辺で武力紛争が起こっているというのは、もう戦争が起こっているかもしれない、そういうときにどういう対応をするか、こういうことですから、場合によったら軍事と関係しているんです。関係法案なんです。しかし、独立国家としてそれを忌避できない。しかし、それをさらに拡大しないように、また我が国にも波及してこないようにするためにどういう手だてが憲法のもとであるのか。これが我が国の直面している問題である。
 そういう意味で、今回の三つの法案、先ほど委員長が長々読まれましたが、非常に長い法律で、法律名だけ聞いていてもどういう法律かわからぬ。周辺事態法案、ACSAというアメリカとの関係で物品等を供与する法案と、邦人を輸送するときに飛行機だけじゃだめなので船も使いましょうと。当たり前だ。船というのは甲板とかその他に乗せれば相当乗るんです。飛行機は定数があるから乗れない。そういう当然のこんなことを戦後五十年になって今ごろどうしてやっているのか、こういうぐらいな法律ですから、私はぜひこの法律は通さなきゃいかぬ、こんな感じでおります。
 そこで、総理。これから第一問ですが、総理大臣の基本的要件の第一として私が挙げたいのは、国家安全保障、危機管理というものに対して的確な識見を持つということじゃないか。この大勢の中でも、将来総裁を目指そうという人はそういう国家安全保障観というものを政治家として心にしっかりと確立しておくことが大変重要である。そういう点から、総理、今回のガイドライン関連法案というものをどのように総理自身認識しておられるか、この点をまずお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 依田智治

speaker_id: 5515

日付: 1999-05-11

院: 参議院

会議名: 日米防衛協力のための指針に関する特別委員会