松尾邦弘の発言 (法務委員会)
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○政府委員(松尾邦弘君) 確かに、この点につきましては、今委員の御質問の中にありましたように、いろいろな誤解があるところでございます。
この法律案の十一条に定めます犯罪収益等収受罪というものが成立するための要件を考えてみますと、まず収受した財産が客観的に犯罪収益等に当たるということは大前提でございます。ただ、それだけではなくて、さらにその財産が犯罪収益等であることの情を知った上で、それを十分わきまえた上でということですが、その収受を行うということが次の要件になります。
この場合でございますけれども、犯罪収益等であることの情を知っているというためには、具体的な当該財産が現実の犯罪行為による犯罪収益等であるということの個別具体的な認識というものが必要になります。単に犯罪収益であるかもしれないといったような一般的、抽象的な危惧とかあるいは懸念というだけではこの要件を満たすことにはならないということになります。
しかも、その財産の受領が契約に係る債務の履行としてなされる場合には、契約のときにそのような認識が必要とされております。契約のときにそのような認識がなければ、その財産を受領するときに犯罪収益等であることを万が一知ったということであった場合でもこの罪は成立しないということになります。
したがいまして、この罪の成立範囲が不当に広がることにはなりませんし、正常な経済活動を営んでいる者や弁護人となろうとする者が犯罪収益等収受罪によって処罰されるということにはならないと考えております。