小渕恵三の発言 (本会議)
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○国務大臣(小渕恵三君) 扇千景議員にお答え申し上げます。
議員から、今般の自由民主党と自由党との連立につきまして、歴史の強い意志を感じるとの印象深い表現が用いられ、まことに力強い決意を御披露されました。
今般の連立の趣旨は、今日の難局に当たり、時局認識や基本的理念で一致を見ました自由民主党と自由党の両党が政権をともにし、安定的な政権基盤を築き、真に責任ある政治の実現を目指すというものでありますが、私は、特に次の二点を重ねて強調しておきたいと思います。
すなわち、自由民主党と自由党との間で、景気回復を初めとする緊急課題に全力で取り組むこと、少子高齢化、情報化、国際化が進展する中で、あらゆる分野における改革を断行し、もって国民の将来への不安感を払拭していくという基本的理念で一致した上で、さらに政治・行政改革、安全保障等多くの課題について真剣な議論を積み重ね、合意した上で連立に至りましたこと。第二に、そうであるがゆえに、この連立内閣は、確固とした基盤に立ち、国民の期待にこたえ、国民に信頼される責任ある政治を実現できるものと確信をいたしたからでございます。
教育改革につきましてもお尋ねがありました。
私は、施政方針で司馬遼太郎氏の言葉を引用させていただき、強調いたしましたように、今日、未来を担う子供たちに、自然に親しむ心、助け合う心、社会的倫理観、生きる力をしっかりと身につけ、心身ともに健康な人間に育てることは極めて重要な課題と考えております。
このような考え方に立ちまして、心の教育の充実を図りつつ、我が国のすぐれた文化や伝統などを次の世代に引き継ぐ教育の推進に努めてまいらなければならないと考えております。
国旗掲揚、国歌斉唱についてのお話もございました。
これからの国際社会に生きていく国民としての基本的マナーとして、我が国の国旗、国歌はもとより、諸外国の国旗、国歌に対して正しい認識と、それらを尊重する態度を育てることは重要と考えます。このような基本的なマナーを子供たちが身につけられるよう、学校における指導の充実にはさらに努めてまいらなければならないと考えております。
そこで、通常国会の開会式について、議員のお考えは一つの貴重な御意見として承りました。我々も、諸外国の議会等をお訪ねいたしましても、ほとんどの国において国旗が掲げられていることは承知をいたしております。ただ、いずれにせよ国会の問題でございまして、この点につきましては、各党会派において検討をされていくべきものと考えております。
私の外国訪問に際してお話がございました。それぞれの国におきまする無名戦士等のお墓や国立墓地に参拝したことがあるか、こういうことでございますが、例えば昨年十一月、ロシア訪問の際には、モスクワにおきまして無名戦士の墓に献花いたしましたほか、日本人墓地にも参拝いたしてまいりました。モスクワにおきまして逝去した我が邦人は極めてわずかでございますけれども、ああした厳しい自然の中でいろいろの経過を経てその地で命を失われた方々に対し、改めて敬けんな気持ちを持ちまして参拝をさせていただきました。私自身、常日ごろから国のために犠牲になられた方々のことを心にとめてまいっておりました。昨年の終戦記念日には千鳥ヶ淵にある国立戦没者墓苑にも献花させていただいたところでございます。
なお、外国要人の訪日に当たりまして参拝を行っていただくかどうかにつきましては、相手国の意向も尊重しつつ、その都度検討させていただいておるところでございます。
次に、景気回復についてでございますが、緊急経済対策を初めとする思い切った諸施策と民間の真剣な取り組みも相まちまして、平成十一年度には我が国経済の実質成長率が〇・五%程度まで回復するものと確信をいたしております。
雇用について、政府全体の取り組みとして百万人規模の雇用の創出・安定を目指し、雇用活性化総合プランなど、雇用対策を強力に推進してまいりたいと思います。
私は、この平成十一年度をぜひ経済再生元年と、こう位置づけられますように、日本経済の再生に全力で取り組んでまいりたいと考えます。
次に、貸し渋りの問題でありますが、早期健全化法の活用等によりまして、それぞれ金融機関の健全化を図っております過程におきまして、金融機関等のいわゆる貸し渋りの現象が出てきておりますことはまことに残念であり、それに対する対策につきまして種々取り組ませていただいております。信用保証協会の保証制度の拡充や政府系金融機関による中小中堅企業に対する融資制度の拡充など、さまざまな措置を講じておるところであります。
また、昨年末には、みずから、借り手である中小企業団体の皆さんにもおいでをいただきまして、その実態につきましてお話をお聞きし、またそれを受けまして、金融機関との懇談会におきまして、貸し手に対しましても、その実態について十分これが解消のために努力していただきたい旨申し上げたところでございます。今後とも、貸し渋り対策に万全をこれまた期していきたいと思っております。
早期健全化法の活用につきましては、資本増強制度を適切に運用することによりまして、金融機関業務の再構築、リストラ、金融の再編を促進するとともに、信用供与の円滑化を図り、金融システムに対する内外の信頼を回復するよう努めてまいります。今後とも、ただいま申し上げました諸施策によりまして、金融不安の一掃に向け、万全を期してまいりたいと思っております。
次に、行政改革を進めることについてでございますが、行政改革は国政上最重要課題の一つであり、二十一世紀に向けた我が国経済社会の繁栄へのかけ橋の柱となるものであります。橋本前総理が全精力を傾けて取り組まれた課題でもあり、私としてもいささかも退くことなく、その実現のために全力を尽くしてまいりたいと考えます。
特に、中央省庁等の改革につきましては、今国会におきまして関連法案の提出を予定いたしており、その中で二十一世紀の我が国にふさわしい中央省庁の具体的な姿をお示ししたいと考えております。また、規制の撤廃、緩和についても積極的に取り組んでまいる決意であります。
消費税の改革につきましては、今般、消費税に対する国民の御理解を一層深めていただくよう、予算総則に消費税収の使途を明記し、広く国民の老後等を支える基礎年金、老人医療及び介護のための福祉予算に使う旨を明らかにいたしたところでございます。
財政改革につきましては、現下の厳しい経済情勢を踏まえ、日本経済の再生に全力で取り組んでおるところでありますが、将来世代のことを考えますと、財政構造改革という大きな課題を背負っておることにつきましては、いたく痛感いたしております。日本経済が回復軌道に乗った段階におきまして、財政・税制上の諸課題につき、中長期的な視点から幅広く、しっかりとした検討を行い、国民の皆様にもそのあるべき姿を示さなければならないと考えております。
そこで、憲法につきまして、二十一世紀日本の新しい時代を築くため、国会の場で国民的議論を深めようという御意見でありました。
現憲法の基本理念であります民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重は、憲法が制定されてから今日に至るまでの間、一貫して国民から支持されてきたものであって、将来においてもこれを堅持すべきものと考えております。
そこで、憲法に関する問題につきまして、これまでも各方面からさまざまな意見が出ておりますが、国会における議論につきましては、これを見守ってまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、憲法はその第九章「改正」の段におきまして、第九十六条におきまして国会がその責を負うものとなっております。したがいまして、今、議員が御指摘のような国会におけるいろいろの委員会のあり方等につきましては、これは国会の問題としてお取り組みいただけるものと考えております。
次に、PKO等を通じた国際貢献についてのお尋ねでありました。
国際社会への応分の貢献をすべきであると施政方針演説で申し上げましたが、扇議員の、顔の見える国際貢献、非常にこのことは大切なことでございまして、そういった意味からも、PKO等を通じて国際社会に対して国際貢献の姿として、ぜひこのことにつきましては国民の理解を得て進めていかなければならない、こう考えております。
我が国といたしましては、国連を中心とする国際平和のための努力に対し、積極的に貢献を行っていく考えでありますとともに、国連の平和活動への一層の協力及び法整備につきましては、国会はもとより、国民各位の御理解をいただきつつ、これを積極的に進めてまいりたいと考えております。
ガイドライン関連法案等についてでございますが、昨年四月に閣議決定して既に国会に提出をさせていただいております。政府といたしましては、我が国の平和と安全にとって重要なこれらの法案や協定が早期に御審議され、今国会において成立または承認されることを強く期待いたしております。何とぞ国会におきまして十分御審議をいただき、御可決いただくことを心から念願いたします。
最後に、宇宙飛行士向井千秋さんの短歌の下の句のお話がございました。
向井さんの「宙返り何度もできる無重力」に対して、全国から十四万首を超える下の句の応募があったことは、向井さんの活躍が、国民全体、特に子供たちに将来への夢と希望を与えたことを如実に物語っていると考えております。たしか昨晩もこの問題を取り上げられた番組がありまして拝見をいたしましたが、子供さん方のみならず身障者の皆さん、あるいはまた老人の皆さんが、みずからの体験に合わせながらいろいろと下の句をつけられ、応募されておった姿を拝見いたしました。やはりこうしたことを考えますと、あの宇宙で発せられた向井さんのメッセージを受けとめたということにおきまして、大変意義が深かったと思っております。
いずれにいたしましても、私は、二十一世紀を担う子供たちに明るい未来を切り開いていくために、勇気を持って内閣と両党の先頭に立ってこの難局に真正面から取り組んでまいりたいと思いますので、扇議員初め自由党の皆さんとこの難局を乗り越えるためにともどもに力を合わせていきたい、こう願っておりますことを申し上げて、御答弁にかえさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
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