小渕恵三の発言 (本会議)

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○国務大臣(小渕恵三君) 峰崎直樹議員にお答え申し上げます。
 最後の点につきましては私がお答えいたすべきことでございませんが、私自身もこの壇上に立ちまして、長い間、従来とも国会のあり方につきましてもいろいろ勉強させていただいてまいりました。今後、この副大臣制度あるいは政府委員制度の廃止等が行われますれば、必ずや様相も変化するのではないかということでありますと同時に、我々政府にある者も心して国会に臨まなければならないという念を深くいたしておるところでございます。
 さて、第一の、ヨーロッパに参りましていろいろとどう考えたか、こういうことでありますが、なるほど社会民主主義の動向につきまして、EUの諸国では、第三の道を掲げましたブレア政権が誕生し、またドイツにおきましてシュレーダー首相ともいろいろお話しさせていただいてまいりましたが、この社民党主導の連立政権等、いわゆる中道左派政権、そう言っておりますが、そうした政権が多数となっていることは事実でありまして、これらの国々で特に教育、職業訓練あるいはまた社会保障の充実など、グローバル化の進展の中で競争力を維持しつつも、公正さや人間らしさを重視する考えが主流となっておるということであります。さきの訪欧におきましても、このことを私なりに実感いたしてまいったところであります。
 次に、十一年度予算についてでありますが、当面の景気回復に全力を尽くすという観点から、公共事業や中小企業対策、雇用対策に最大限配慮するとともに、特に科学技術の振興など、将来の発展基盤を確立する施策も十分取り入れたものと考えております。その一方で、財政構造改革の基本的考え方は維持し、限られた財源の中で経費の一層の合理化、効率化を図って、めり張りのきいた予算配分を行っておると考えます。
 平成十一年度予算案と政府経済見通しにつきましてでありますが、十一年度予算が厳しい経済・金融情勢を踏まえまして、いわゆる十五カ月予算の考えのもとに十年度三次補正の予算と一体的にとらえ、当面の景気回復に全力を尽くすとの観点から編成したものであります。
 具体的には、恒久的な減税を初めとして、国、地方を合わせて九兆円超の減税を実施するほか、公共事業について大幅な伸びを確保するなど、積極的な財政運営を行うことといたしております。これらの諸施策と民間の真剣な取り組みとが相まって、平成十一年度には我が国経済の実質成長率が〇・五%まで回復するものと確信をいたしております。
 次に、国債の大量発行についてでありますが、平成十一年度の国債発行額における民間消化分は総額六十一兆円を予定いたしております。その発行計画につきましては、市場関係者の意見等も踏まえ、償還年限の多様化等の安定消化のための方策を導入しつつ、市場のニーズを踏まえた償還年限別の発行額の設定を行ったところであります。また、実際の発行に当たりましては、市場実勢を反映した適切な発行条件の設定を行い、確実かつ円滑な消化を図ってまいりたいと考えております。
 今後の財政展望を明らかにし、新しい財政再建策を取りまとめるべきではないかとのお尋ねであります。
 財政構造改革法は、我が国の厳しい経済情勢を踏まえ、景気回復に向け全力を尽くすため、これまでこれを凍結いたしたところではありますが、これまたしばしば申し上げておりますように、将来世代のことを考えますと、この財政構造改革という大きな重い課題を背負っておると痛感いたしておりまして、日本経済が回復軌道に乗りました段階に、財政、税制の諸課題につき中長期的な視点から幅広くしっかりとした検討を行い、国民の皆様にそのあるべき姿を示していかなければならないと考えております。
 地方財政につきましての認識と国、地方の税財源の配分についてのお尋ねでありました。
 現在の我が国経済の厳しい状況によりまして、地方財政は巨額の財源不足が続き、借入金などが急増するなど、極めて厳しい状況にあると認識いたしております。したがいまして、地方財政の運営に支障が生じないよう十分配慮しつつ、緊急経済対策を初めとする諸施策を実施することにより、まずは景気を回復軌道に乗せることが必要であると考えます。
 また、地方税財源の充実確保は、地方分権を推進する中で極めて重要な課題であります。今後とも、地方分権推進計画に沿って、国と地方公共団体との役割分担を踏まえた地方税、地方交付税等の必要な地方一般財源の確保に努めるとともに、中長期的に国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図るべきものと考えます。
 今回の恒久的減税についてのお尋ねでありました。
 個人所得課税につきまして、将来の抜本的な見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみ早急に税負担の軽減を図る観点から、最高税率の引き下げ、定率減税等、期限の定めのない恒久的減税を実施することといたしたところであります。
 最高税率の引き下げは、我が国の将来を見据え、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、中堅所得者に配慮し、定率減税には頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことといたしております。
 総合課税化につきましては、今後、納税者番号制度等の取り組みも含め、理論面、実態面から十分検討を進めていく必要があります。
 最高税率の引き下げと定率減税についてでありますが、最高税率の引き下げは、我が国の将来を見据えて、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、定率減税は、納税者ごとの税負担のバランスをゆがめないで減税を行うことができるという長所があり、今回のように景気の現状に配慮して、課税ベースや課税方式の抜本的見直しを伴わずに恒久的減税を行う方式として定率減税が適当と考えられます。
 いずれにいたしましても、税率構造のあり方につきましては、課税ベースや課税方式のあり方とあわせて、今後、我が国の経済社会の構造的な変化、国際化の進展等に対応した抜本的改革へ向けて、腰を据えて検討を行っていく必要があると考えます。
 今回の税制改正案で所得や資産の格差が拡大するのではないかとお尋ねであります。
 先ほど申し上げましたとおり、今回の見直しにおける最高税率の引き下げは、我が国の将来を見据え、国民の意欲を引き出し、経済社会の活力を高める観点から行うものであります。また、定率減税には頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことにより、中堅所得層や子育て、教育等の負担のかさむ世帯に配慮することといたしております。
 今回の減税の影響、効果についてのお尋ねでありました。
 今回の個人所得課税の見直しは、将来の抜本的見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみ早急に税負担の軽減を図る観点から、最高税率の引き下げ、定率減税等、期限の定めのない恒久的な減税を実施するものであり、このような大規模の減税を一時的でなく期限を定めず継続して実施することにより、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 課税最低限の引き上げについてでありますが、一定の扶養控除額の加算によって、結果として子供を扶養する世帯の課税最低限が若干上がることは事実でありますが、こうした措置は課税最低限を一律に引き上げるものではなく、我が国における少子高齢化の進展という経済社会の構造変化のもとで、現在の景気の状況を踏まえ、子育て世帯への配慮や教育費などもろもろの支出のかさむ所得層への配慮として特定の世帯を対象に行うものであり、適切な措置であると考えております。
 人的控除のあり方についてのお尋ねでありますが、個人所得課税におきまして基礎的な人的控除を差し引くことによりまして、担税力の調整を行いながら課税所得を確定するというのが基本的な考えであり、子供のいる納税者については、子供の数に応じた扶養控除等を設けておるところであります。
 いずれにいたしましても、広く社会の構成員で、それぞれの経済力に応じて公平に負担し合う基幹税たる個人所得課税の課税ベースのあり方につきましては、抜本的改革へ向けて腰を据えて検討を行っていく必要があると考えております。
 次に、地方分権についてでございます。
 地方の自主性、自立性を高め、住民に身近な行政はできる限り住民に身近な地方公共団体が責任を持てる体制をつくるため、地方分権を強力に推進していくことは重要であると考えております。
 地方分権は二十一世紀にふさわしい我が国の基本的な行政システムを構築するものでありまして、地方分権推進計画の内容を踏まえた関連法案を今国会に提出するなど、同計画を着実かつ速やかに実施し、地方分権を積極的に推進してまいります。
 地方分権推進委員会の第五次勧告についてお尋ねがございました。
 第五次勧告につきましては、同委員会におきまして、関係省庁とも十分な議論を経た上で、できる限り努力を重ねた結果、昨年十一月十九日に勧告をいただいたところであります。政府といたしまして、第五次勧告を最大限尊重することとし、平成十年度内にこれに対応する地方分権推進計画を作成することとし、地方分権の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 西尾座長の辞任につきましても御指摘がございました。
 この点につきましては、委員会が自主的に設けました作業班的なグループの一つである行政関係検討グループの座長を退かれたということでありますが、引き続き同委員会の委員として御活躍されておると承知いたしております。
 公務員制度改革についてお尋ねがありました。官僚の人事システムのあり方等抜本的に見直すべきだ、こういう御所見であります。
 行政を支える公務員制度の改革は、行政改革の一環として重要な課題であり、御指摘のように縦割りの弊害是正や退職管理の適正化も重要な視点の一つとして考えております。
 現在、公務員制度調査会におきまして、公務員制度とその運用全般の見直しを行っておりまして、本年度内にその答申を得まして、改革を着実に進めてまいりたいと思います。
 次に、副大臣等の導入につきましてでありますが、与党両党間におきまして、二〇〇一年一月一日の省庁再編にあわせ、政務次官を廃し、新たに副大臣及び政務官を導入することとし、今国会において議員立法を提出し、成立させるとの合意が両党でなされたところでございます。これは、国民に直結した政治に転換し、迅速な政策決定を可能にしたいという考えからであります。
 今後、この合意に基づきまして、与党におきまして議員立法の作業が進められるものと考えておりまして、今国会におきまして成案が得られ、実現することを期待するものであります。
 次に、農政についてお尋ねがありました。
 現行の農業基本法は、消費者の視点が不十分であるなど、経済社会の変化の中で実情にそぐわないものとなっております。このため、食糧の安定供給と農業農村の多面的な機能の十分な発揮を図るという基本的考え方に立ちまして、我が国農業の持続的発展を目指し、新たな基本法の制定等に取り組んでまいりたいと思います。
 農業と他産業との格差是正についてお尋ねがありましたが、生産性の格差是正はなお改善の余地がありますものの、農家と非農家の所得水準の格差はおおむね解消されつつあると考えております。今後、農業の生産性の向上に努めるとともに、意欲ある担い手の農業経営の安定と発展が図られますよう、経営政策の体系的整備に取り組んでまいります。
 食糧生産などについてのお尋ねがありました。
 新たな基本法におきまして、今後の国際化の進展、世界の食糧需給事情等を念頭に置き、食糧の安定供給と農業農村の多面的な機能の十分な発揮を図るという考え方に立ちまして、消費者ニーズに即した国内農業生産の維持増大を図るとともに、地域の条件や特色を生かした農業の展開等により、我が国農業の持続的発展を目指してまいりたいと思っております。
 以上、答弁とさせていただきますが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1999-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議