神野直彦の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(神野直彦君) 大変本質的な問題を日出先生からお尋ねしていただいたというふうに理解をいたしております。私の考えている地方分権について御質問をいただきまして、税源移譲、この場合に所得税の基礎部分を移すというようなことから御質問をしていただいて、その際の市町村と都道府県の関係、特に地域間における格差をどう考えるのかというお尋ねだったというふうに理解をいたしております。
 私が考えている所得税の基礎部分の移しというのは、言いかえますと、住民税を比例税率にしてしまうということに近いのだというふうに御理解いただければと思います。
 現在ですと、ごく単純に言ってしまえば、一番低い所得階層のところでは五%の住民税とそれから一〇%の国の所得税を納めているわけです。それから、住民税が五%、一〇%、一五%と三段階になっておりますので、高いところでは一五%の住民税とそれから非常に高い所得税。
 これを仮に、例えば一〇%で比例税率にしてしまう、しかし国と地方を通じる税負担は変えない、こういうふうに設定しておきます。そういたしますと、五%で今まで住民税を納めていた人は住民税の方を一〇%、それから国の所得税の方を五%にする。今度は逆に、一五%の住民税を納めていた人は五%減税になって一〇%で、かつ国の方は増税になる。こういうふうな形にすればいいのではないかというふうに考えているわけでございます。そういたしますと、これは地域間格差は拡大をするというようなことにはなりません。
 と申しますのは、地方税だけとってみますと、所得の貧しい人が増税になりまして、それから所得の非常に豊かな人が減税になるわけです。もちろん言うまでもありませんけれども、貧しい地方、つまり財政力のない、課税力のない地方というのは、所得の豊かな人が余り住んでいない貧しい人々が多い地方でございますし、それから豊かな地方というのは豊かな人々が多いということでございますから、こういうふうなことをいたしますと、豊かな地方では地方税は余り入らずに、貧しい地方で大幅に地方税が入ってくる、こういうことになるわけです。
 ざっと計算いたしますと、日本では五%の税率で納めている人々が多いものですので、三兆円国税から地方税に移ることになりまして、かつ一番この計算で伸びないのは東京都で、伸びるのは山形県になります。したがって、自主財源、つまり自分の地域住民からいただく税金をふやしたといっても、必ずしも地域間格差が広がるわけではないと。
 お話の地域間格差というのはあくまでも財政力の格差でございますので、財政力の格差が広がらないような形で工夫をすれば、例えば消費税なんかもそうですけれども、所得の貧しい人が住んでいる地方でも十分に税収が上がるような税の工夫をすれば、地域間の財政力格差を拡大せずに税源を移譲するということは可能だというふうに考えています。

発言情報

speech_id: 114515262X00119990304_007

発言者: 神野直彦

speaker_id: 25094

日付: 1999-03-04

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会