小野善康の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(小野善康君) 大変重要なポイントを今指摘されたと思うんです。
まず、構造改革、つまり倹約的な構造改革という意味ですが、それと積極的に政府も介入して自分で事業をある程度やった方がいいというのとの端境は、要するに、最初に申し上げた経済運営の目的は何かというと、有効資源、はっきり言えば日本の場合にはほとんど労働資源だと思うんですが、それをいかに使うかということであると。基本的には、こう言うと大変恐縮ですが、民間とそれから政府と比べたら民間の方は効率よく使ってくれるだろうと。それは確かであります。ただ、失業があるのでだめなんだ、こういうふうに申し上げました。そういう視点からいうと、一つの軸は例えば完全失業率が何%とか、あるいは日本における潜在生産能力、それからの乖離率がどのぐらいになったか、そこを適当に基準を決めればいいと思うんですね。
具体的な数字というのはもちろんいろいろな議論があるでしょうけれども、例えば失業率でいえば二・数%ぐらいとか、そのぐらいになったらば、かつての国鉄のようにせっかく公営で始めたんだから我々は権利があるんだみたいにならないで、さっさと引っ込んでいただきたい。さっさと引っ込んだ後、これはもうマスコミなんかがよく非難することですが、例えばその後そこの企業の財務状態は悪いということがあったとしようと。
これはある意味で当然なんですね。すなわち、もうかるかどうかわからないけれどもちゃんと人々を使いましょうという目的でやった企業なわけですから、それが財務状況がいいようなところであったら最初から民間はやるわけですね。それを非難して、しかもこんなになったらやらない方がよかったというのではなくて、そのときはもうさっさと民間に開放しましょうと。
民間に開放したとき、極端な話、その企業はつぶれちゃうかもしれない。極端に今申し上げております。それは問題かといったら、全然問題じゃないんですね。なぜかといえば、景気がいいわけですから、もしつぶれたとしても、その人たちはそこで例えば介護のことをやっていたとすれば介護で培ったノウハウというのは持っているわけですから、ほかの民間企業はちゃんと採ってくれるということであります。ですから、それを恐れずにちゃんとやっていただきたいということです。
それから、もう一つのポイントでおっしゃったのは、多分、供給側、需要側という発想をもう少し丁寧に説明していただければ、そういうことですが、供給側というのは、ちょっとわかりにくいかもしれないのでちゃんと言いますと、基本的には既存のものの生産能力を上げる、効率性を上げる、こういうようなものを私は供給側の改革だ、こういうふうに申し上げているわけです。今まで百人でつくっていたのを八十人でつくれるようにしよう、七十人でつくれるようにしよう、これが供給側の改革でありまして、今のリストラというのはそういう流れだと。これは個々の企業にとってはもちろんコストが下がるわけですからいいんですが、ただでさえ人が今余っているわけですから、それを今やる時期かというと、そうではないんじゃないか、こういうことを言いたいわけです。
さて、では需要側は何かというと、今までの伝統的な需要側というのはお金をまけばいい、こういうことなんですが、先ほどから申し上げているように、お金をまくということは物すごく難しいことなんですね。すなわち、どこかからとってきてただまくだけですから、結局ネットでいえばなかなかふえない。そういうときに、じゃ何だというと、みんなが欲しいものをつくる、こういう意味です。つまり、需要を喚起するような政策をすればいいんじゃないか。
これはかつて九五、六年ですか、少し景気がよくなって経済構造改革ということになってしまったわけですが、そのときを振り返ると携帯電話はすごくよかったんですね。これはみんなが欲しいものをつくっていて、それで引っ張っていた。そういうことが今全産業的に起これば景気なんて回復しちゃうわけですね。それに対応して株価も上がるし、みんな豊かになっていい方に回っていくわけです。ですから、そういう方向にしたいと。しかし、そういう方向にするのは知恵が要るわけですね、先ほどから申し上げているように。
それで、政府としては今度何をすべきかというときに、みんなが欲しいものをという発想でやっていただきたいので、生産中心の公共事業と生活あるいは消費中心の公共事業というのがあると思うんです。公共事業というのは別に道路という意味じゃなくて公共部門がやる事業ということです。その意味で申し上げると、生活中心の方をなるべくやっていただきたい。これは介護とか環境もそうですし、例えば道路を整備するとしたら、その道路の行き着く先に何か魅力的なものがないとしようがない。これは観光地かもしれないし保養地かもしれないし、そういうものでもいいかもしれない。そういうものも含めて考えていただきたい。需要、供給というのはそういう意味で申し上げていたわけです。
以上です。