濱田健一の発言 (本会議)

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○濱田健一君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、政府が提案している本補正予算案に対し反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、六兆八千億円弱に上る予算規模にもかかわらず、国民の期待する方向とは大きくかけ離れているからであります。
 小渕総理は所信表明演説の中で、新規性、期待性、訴求性の三点を重視したはっとする経済対策としたいということを強調していました。しかし、対策の多くは、名前が変わっただけの従来型公共事業の継続や、相も変わらぬビッグプロジェクトの重視などのワンパターンとも言える手法に終わってしまっただけでなく、介護保険対策に見られるような、政治的思惑を優先させただけのばらまき的な色彩が一層色濃いものとなりました。その当然の帰着として、将来不安の解消を初めとする国民生活の向上に直接的に結びつく中身がないがしろにされてしまったと断ぜざるを得ません。
 第二の理由は、介護保険制度のあり方自体を否定する特別対策費が盛り込まれたからです。
 政府が今回提案した特別対策は、高齢者の保険料徴収を半年間凍結し、家族介護へ慰労金を支給するなど、介護保険制度を根底から覆すものと言わざるを得ません。保険料凍結は、保険料を払わずにサービスが受給できることになり、社会保険の意義を放棄するものです。また、慰労金は、家族の美風に金品を与えればいいという余りにも前時代的な発想であり、介護の社会化という制度の本旨に真っ向から対立するものです。到底容認することはできません。
 また、基礎年金の国庫負担二分の一への引き上げが見送られたことも大問題です。
 政府の年金改正案は、次期改正までに国庫負担の引き上げを図ればよいとするなど、課題の先送り手法に終始しています。しかし、今年度実施することは、前回の改正法附則、そして自民党も賛成した全会一致の附帯決議にも明記された国会の意思、つまりは約束事なのであります。だからこそ、国庫負担増は、最後の履行チャンスとも言える本補正予算に計上される必要があったのです。これを怠った政府の責任は重大、かつ、政治に対する信頼は著しく傷つけられてしまったと指弾せざるを得ないのであります。
 第三の理由は、依然として好転の見込みが希薄な雇用情勢等に関する対策が不十分なものに終わったことです。
 雇用対策の面で政府が講じようとする施策は、いずれも地域などの制約がある点的対応にとまってしまったことから、生活の安定につながるような大きな効果は期待できないと言わざるを得ないのであります。
 第四の理由は、中小企業対策に関し、強者の育成の論理があらわになったことです。
 それは、いとも簡単に既存企業の支援からベンチャー促進への転換を鮮明にしたことからも明らかです。日本経済がメガコンペティションを生き抜くためにはやむを得ない選択だと言いたいのでしょうが、いかに時代が移ろうと、中小企業が経済的な弱者であることに変わりはありません。
 中小企業ゆえに生来的に持たざるを得ない不利を是正し、格差を解消する観点からの生産性や取引条件の向上を図る施策が軽視されるとするならば、淘汰の摂理の前に中小企業の多くは退場せざるを得ない運命に置かれてしまうことは必至と言えます。
 以上、社会民主党・市民連合は、弱い立場に置かれている者をいたわりながらの総ぐるみの景気回復路線が望まれていたにもかかわらず、富める者、強者の育成を優先した新生を目指そうとする予算案を承認するわけにはいかないのであります。よって、政府補正予算案に反対であることを明らかにし、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 114605254X00819991207_025

発言者: 濱田健一

speaker_id: 30742

日付: 1999-12-07

院: 衆議院

会議名: 本会議