今泉昭の発言 (中小企業対策特別委員会)

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○今泉昭君 今国会は、国会のいわゆる活性化を目指しまして、できるだけ大臣と議員との意見の交換を活発に行っていこう、こういう趣旨でもっていろんな工夫がなされてきたと思います。そういう意味で、いましばらく大臣との意見の交換をさせていただきたい、こういうふうに思っているわけです。
 これまで予算委員会の討議におきましても、あるいは各委員会の討議におきましても、総理大臣を初め各大臣が申されることは、我が国の二十一世紀に向けての道というものは、いわゆる市場経済を軸とした、規制緩和を行った市場経済を中心としたアメリカ型の方向づけと、それ万能主義ではないEU型のやり方だと。日本は日本独特の第三の道があるんだということをよく言われるわけであります。
 しかし、これまでの政府のいろいろな出されている法案、考え方を聞いてみますと、どうも私はアメリカの実はコピーをしているような気がしてならないわけであります。確かに、アメリカは八〇年代の不況を乗り越えまして、九〇年代におきましては世界でひとり勝ちと言われるぐらいに大成功していることは、これは事実であります。それも、その中心が規制緩和を中心としたいわゆる市場経済万能主義でもって成功してきたと言われているのは、これはだれもが承知していることだろうと思うわけであります。そういうものを参考にしながら、次から次へといろんな規制緩和なりアメリカ型の実はやり方が出てきているわけであります。
 実は、私、こういう本をちょっと読ませていただいたんですが、大変興味ある本でございました。イギリスの経済学者でジョン・グレイという方が「グローバリズムという妄想」という本を書かれているわけであります。この本の中に書かれている考え方というのはどういうことかというと、アメリカがやっている今の世界のトップとしてのリーダーシップというのは、十九世紀においてイギリスがやった、ちょうど大英帝国が最も輝いていた時期でございまして、例の自由主義経済を旗印にいたしまして、植民地支配を通じまして大英帝国がその富を集中したときのやり方に大変よく似ている、あのころの自由主義という啓蒙主義に基づいて世界を制覇していったというやり方を、アメリカは実は市場経済主義、規制緩和を軸とした市場経済主義でもって、その啓蒙主義でもって世界を自分のいわゆる配下にしていこうというねらいが見え見えである、こういうことを書いている本でございまして、大変興味のある本でございました。
 その中にいろいろな具体的な例が出ているわけでありますが、今、アメリカから出されているいろいろな指標の中にはいいところしか流れてこないわけであります。実はこの規制緩和を軸としたアメリカ型のやり方の中に大変多くの犠牲者がふえているということにつきましてはほとんど報じられていない。
 例えば一つの例で申し上げますと、この八〇年代から九〇年代にかけまして起こりました最大の変化というものは何かといいますと、アメリカにおけるところの犯罪者が激増したということであります。その犯罪者というのは要するに牢屋につながれている方々でありまして、八〇年代は百万人台であったものが何と平成十年には五百五十万人台になっているということであります。これは何を意味しているかといいますと、いわゆる弱肉強食の自由競争の中でその生存競争にあるいは企業競争に敗れた方々が法を犯してまでも生き延びていかなきゃならないという実態を実は示しているのではないかと思うんです。
 我が国の実態を見てみました。我が国は、幸いにいたしましてこの十年間、牢に入れられている法を犯した方の数は五万人台でございます。驚くなかれ、アメリカの例というのは、人口も多いことはありましょう、多民族国家であるということもありましょう、海外から、多くの国々から人が密入国をしてくるということもありましょう、そういうことを差し引いてもこれはえらい数でございます。笑い話じゃありませんけれども、牢屋に入ってしまえば失業率からも除外されるわけでありまして、当然失業率が下がるのは当たり前のことなのであります。
 そういうようなアメリカ型のいわゆる経済政策を我が国がどんどん導入するということの局面が大変目立っていることに対しまして、我々は大変心配をするわけであります、弱い者の切り捨てという。
 そういうのとあわせまして、実は我が国の政府が出してくるいろんな指標の中で、二十一世紀はこういう方向に国を持っていくんだよというものが一つも見えないわけでございますけれども、これについて通産大臣、どういうふうに思っていらっしゃいますか、所感をお聞きしたいと思います。

発言情報

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発言者: 今泉昭

speaker_id: 20038

日付: 1999-11-24

院: 参議院

会議名: 中小企業対策特別委員会