平田米男の発言 (憲法調査会)

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○平田委員 公明党・改革クラブの平田米男でございます。
 私ども、大変熱心に憲法制定過程を論議してきたわけでございますが、この検討を踏まえて、私なりの考えを少し述べさせていただきたいと思います。
 まず、これまで言われておりました、押しつけ憲法であるから改憲あるいは憲法をつくる、創憲をすべきであるとの議論は、今回の憲法制定過程の検討によりまして、私は完全に否定されたと思っております。その点を我々は確認すべきなのではないかと思います。
 占領時の憲法制定である以上、制限された主権のもとでの制定であることは当然であると私は思います。その具体的な内容は、克明にこの調査会の場におきまして明らかにされたわけでございます。
 押しつけ憲法論が出てまいりましたのは、どちらかといえば、当時の松本国務大臣のある意味では個人的な経験を根拠としたものではないのかと思うわけでございまして、憲法制定の全体像を必ずしも認識したものではないと私は思うわけでございます。憲法制定時においても、また講和条約後主権を回復したときにおいても、日本国民の圧倒的支持をこの私たちの憲法が受けてきたということは明確でございまして、その意味で、我が国の現行憲法は制定のときから国民憲法であった、これを私ははっきりと確認しておきたいと思うわけでございます。
 また、感想でございますが、この憲法制定過程に当たりまして、マッカーサーあるいはケーディス、幣原首相、吉田首相、あるいは芦田均小委員長、あるいは野党のさまざまな議員、こういう方々の国会における議論あるいは制定過程におけるさまざまな発言、行動というものが国と国民のことを思う熱情にあふれていた、そういう印象を強く持ったことも付言させていただきたいと思います。
 もう一つ、私はこの憲法制定過程で注目をいたしましたのは、芦田修正でございます。現代日本の著名な歴史家であります北岡、五百旗頭両参考人がそろってこの芦田修正を積極的に評価されたということの意味は大変大きいと私は思っております。GHQも、また極東委員会も、自衛のための戦争、またそのための戦力保持の可能性も認めていたというこの事実というものを、私たちは重く受けとめなければならないのではないかと思います。また、講和条約においても連合国側が基本的に認めていたということも、我々は踏まえていかなければならないのではないかと思います。
 にもかかわらず、吉田首相の、特に共産党の野坂質問に対する答弁において、その芦田修正に基づいた答弁がなされなかった背景も明らかになったわけでございまして、その点も私たちはしっかりと踏まえていかなければならないのではないかと思います。
 こういうことを踏まえまして、私は、今次における憲法九条解釈のあるべき姿を原点に戻って考えることから論憲を行う必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、憲法は国民の利益のためにある、この原点を忘れてはならないと思います。今日の国民の置かれた状況と国民の利益を深く検討することが今後の憲法調査会の大きな使命であると結論として申し上げて、私の発言を終わりたいと思います。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 平田米男

speaker_id: 22338

日付: 2000-05-11

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会