乾文男の発言 (大蔵委員会)
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○乾政府参考人 お答えいたします。
十一年九月末のその不良債権の数字、今先生、六十兆ということで、恐らく自己査定の数字でおっしゃったわけでございますけれども、自己査定の数字で全国の銀行を見ますと、二から四分類の合計額が六十二・一兆円となっておりまして、三月末が六十四・三兆円でございましたから、二兆円強の減少というふうになっているわけでございます。とりわけ三分類につきましては、不良債権処理の進捗によりまして、三兆二千億円から二兆六千億円に減少しているところでございます。
今のは全国銀行でございますけれども、主要十七行で見ますと、二分類債権、今約六十兆とおっしゃいましたものが、主要行では二分類が三十七兆七千億円でございます。それからさらに、三分類が一兆九千億円、四分類が四百億円というふうになっているわけで、合計三十九兆六千億円でございますけれども、この数字も十一年三月に比べまして二兆円の減少となっているわけでございます。三分類、四分類の額につきましては、これは銀行が企業会計原則に基づきまして適切な償却、引き当てを行った後の数字でございますので、これはさらに償却、引き当てをすべきものではないことに留意する必要があるかと思います。
そこで、御指摘の二分類債権でございますけれども、二分類債権は、通常は各行において債権管理上注意を怠らなければ損失が発生をしないものでありますことから、これを直ちに不良債権として認識することは適当でないと考えております。
しからば、二分類債権から生じ得るロスをどのように見込み、どのように対応しているかというお尋ねでございましたけれども、なかなか一律に計算するのは困難でございますけれども、一定の仮定を置きますと、全国の銀行の要注意先二分類から年間に発生しております貸し倒れの実績率、先生のおっしゃるロス率といいますものは、約三%、三・一%程度でございます。そこで、今申しました主要行三十七兆七千億円の二分類がすべて要注意先といたしまして、これに今申しました三・一%を乗じますと、年間に確率として生じ得るロス額が一兆二千億円、二分類から生じますロス額が一兆二千億円ということになるわけでございます。
他方、主要行の業務純益でございますけれども、御指摘のように、一時に比べますと大幅に業務純益が減少しておりますけれども、この九月期の中間決算を十一月に発表しましたときの十一年度の通期の見込みを見ますと、主要行の業務純益の合計は三兆二千億円に、ややこれまでよりは回復した数字を見込んでいるということでございます。
それから、有価証券の含み益、御指摘ありましたけれども、九月中間決算時、日経平均が一万七千円台のときに、主要行の含み益が六兆二千億円というふうになってございまして、この時点での計数を前提にする限りは、不良債権への対応は十分対応可能な数字になっているというふうに考えております。
ただ、今後の景気や地価の動向によりまして、あるいは個別債務者の業況によりまして不良債権というのは随時発生していく可能性があるものでございますことから、監督当局といたしましても、各金融機関におきまして、今後ともそうした地価あるいは債務者の業況の動向に十分注意を払いながら、適切な償却、引き当てを行っていくことを求めているところでございます。