金田誠一の発言 (本会議)

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○金田誠一君 私は、民主党を代表して、年金関連三法案に反対の立場から討論に参加をいたします。(拍手)
 公的年金の将来は本当に大丈夫なのか、中高年層はもとより、若年層にも急激に広がるこうした不安と不信の中で、今次年金改定の課題は、二十一世紀の社会保障のかなめとなる安心できる年金制度を国民とともに創造することにありました。
 ところが、間もなく採決される各法案は、国民の老後をますます不安に陥れるものとなっております。これでは、国民の多くはいやが上にも自己防衛に走らざるを得ません。結果として消費支出は抑制され、景気回復のさらなるブレーキとして機能することになります。この点からも、小渕総理の責任は極めて重大であることをまず冒頭に指摘しておきたいと思います。
 もとより、年金をめぐる今日の状況は極めて厳しいものがあります。少子高齢化が急激に進む一方で、経済もかつてのような成長は期待できません。そのことは、社会保障制度においては、給付を分配した長い時代が終わり、負担を分配する時代に入ったことを意味しております。そして、この負担の分配とは、二十一世紀の年金制度をどのように構想し、その負担をだれがどのように引き受けるかについて、国民的合意を形成する壮大な政治的作業にほかなりません。そのことは、もはや官僚主導が通用する時代は終わったということでもございます。
 しかし、政府・与党はそのことを全く理解できず、政治的責任を放棄して、すべてを官僚機構に丸投げしました。事を官僚的に処理すれば、給付削減と負担増で帳じりを合わせるしかありません。五つの選択肢なるものは、初めに二〇%削減ありき、このことに加え、一方的に負担増を強要するだけのものでした。国会は、強行採決に次ぐ強行採決が繰り返され、単なる通過儀礼の場と化しました。自民党と政権を共有する他の二党も手のひらを返したように従来の主張を捨て去ったことは、必ず有権者の厳しい審判が下されることを銘記すべきであります。
 小渕総理が先般迷言を残しました。たまたま運が悪かった、のではない、天網恢々疎にして漏らさず、私は小渕総理のこの迷言を与党の皆様に謹んで贈呈をいたします。(拍手)
 以下、具体的な反対理由を申し述べます。
 その第一は、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる五年前の約束をほごにし、全額税方式に移行する道を閉ざしたことです。
 このことは、与野党の合意のみならず、国民に対する約束事であり、これに比べれば、比例定数を二十削減する自自公合意など、取るに足らないものでございます。にもかかわらず、結果はどうであったか。一方はほごにされ、いま一方は民主主義を踏みにじる冒頭処理が強行されたわけでございます。そのこと一つをとっても、現政権のいいかげんさは論評にも値しないと言わざるを得ません。
 今日、国民年金は、一万三千三百円という定額保険料のゆえに空洞化が進行し、一方で、厚生年金保険料も、中小企業の離脱が相次ぐなど極限状態にあります。基礎年金を全額税方式に移行すれば、国民年金保険料は不要となり、厚生年金保険料も四%程度の削減が可能となります。
 さらに、最後の最後まで悲痛な訴えを続けてこられた無年金障害者や在日外国人無年金者の方々の問題も合理的な解決が可能となり、第三号被保険者の拠出問題も自動的に解決いたします。
 今、年金改革において最も必要なことは、基礎年金財源を保険料方式から税方式に切りかえることでございます。政府・与党は、この財政中立的な改革を国民に呼びかけ、保険料にかわる税財源を何に求めるのか、国民的な議論を巻き起こすべきでした。それができない自自公は、もはや政権にとどまる理由はありません。(拍手)
 反対の理由の第二は、報酬比例部分の給付を一律に削減することでございます。
 もとより今が負担を配分する時代であっては、肥満ぎみの給付部分は一定の削減もやむを得ないでしょう。しかし、現在の報酬比例部分の年金額は、年間十数万円から六百万円を超える額まで、著しい格差が存在します。
 また、六十五歳支給となれば、高卒で四十七年、中卒で五十年になります。そこまでの就労が困難な方も少なくないはずであり、六十五歳支給は安易に導入すべきではありません。
 負担の分配とは、こうした厳しい状況下においても、国民を信頼し、可能な部分から順に譲ってもらう国民的合意を形成することにあります。一律主義の給付カットは、ドイツはもとよりアメリカやイギリスでさえ見直しが進んでいます。ましてや、雇用と年金の連続の見通しもなく、繰り上げ受給の減額率さえ示されない中では、一律の給付削減は国民の不安を深めるばかりです。
 反対の理由の第三は、年金積立金の自主運用の拡大です。
 現在、年金福祉事業団は、年金積立金のうち約二十六兆円を自主運用していますが、運用に失敗して一兆七千億円もの元本を食いつぶし、その上、達成できなかった目標収益は九千五百二十九億円にも上って、国民は、合計二兆七千二百五億円もの損失を受けています。
 このことは、去る二十四日の厚生委員会において我が党の上田清司議員の質問によって明らかにされるまで、厚生省は大臣にも情報を隠し続けてきたものであり、その責任は極めて重大であります。
 ところが、このたびの法改正では、その損失を処理せず、何ら責任を明確にしないまま承継法人に引き継いだ上、年金積立金の全額を自主運用の対象にしようというものであり、全く容認することはできません。
 さらに、巨額な年金積立金を金融市場で運用するということは、国家による市場への介入にもつながるものであり、アメリカにおいても断念された経過があります。にもかかわらず、政府・与党があえて強行しようとする理由は何なのか。常識的に考えれば、莫大な利権につながるということのみであり、だとすれば、年金積立金の私物化にも等しい行為と言わざるを得ません。
 以上が、年金関連各法案に反対する理由です。
 小渕総理は、かかる暴挙を行った上は、速やかに国会を解散して国民の信を問うべきであり、このことを総理に強く申し上げるとともに、議員各位の御賛同をお願い申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 金田誠一

speaker_id: 20324

日付: 2000-03-28

院: 衆議院

会議名: 本会議