濱田健一の発言 (本会議)

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○濱田健一君 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、国民年金法等の一部を改正する法律案外共済四法案に対し、反対の討論を行います。
 年金を初めとする社会保障制度は社会的セーフティーネットの根幹であり、その時々の経済情勢に左右されることがあってはならないはずであります。年金制度のあるべき姿は、国民がだれでも納得できる負担、安心できる年金なのであります。
 しかし、九八年十月の年金審議会の「国民年金・厚生年金保険制度改正に関する意見」以来、政府は国民に痛みばかりを求めてきました。一貫しているのは、現行の制度では年金財政は破綻する、だから給付を引き下げるか保険料を上げる、あるいはその組み合わせしか方法がないという、国民に対する恫喝まがいの改革の押しつけでありました。
 政府の提出した年金改革法案に至っても、取り組むべき課題はすべて先送りされ、個人のライフサイクルを座標軸とすることや第三号被保険者などの女性の年金問題、他の制度とのリンクなどの根本的課題が全く考えられていません。年金給付水準の引き下げを主な内容とするこの法案により、政府も答弁しているとおり、世代間で給付が最大千八百万円減少するとされており、国民を苦しめるばかりです。
 まさにこの法案は、現下の財政状況面のみに着目した理念なきびほう策で、支給額の削減、受給開始年齢の先送りといった国民を苦しめる法律であり、さらには将来の負担増が必至です。高齢社会の中で、老後の安定を求める国民の期待に背き、高齢者の生活不安を増幅させる高齢者いじめの制度改革そのものであると言わざるを得ません。このような法案が国民の理解を得られるはずがありません。老後の生活、そして所得保障の柱である年金改革に当たって、長期不況と先行き不安が広がる中、国民の期待を砕くような年金法案を提出した政府の見識をまず疑わざるを得ないと思います。
 さて、反対する第一の理由は、基礎年金の国庫負担引き上げを先送りしていることです。
 社民党が繰り返し主張しているように、現下における制度改革の最大の課題は基礎年金制度であります。九四年の前回改正では、我々の主張により、基礎年金の国庫負担の割合は、国庫負担の割合を引き上げることを検討することが法律に明記され、しかも、全会一致で確認された附帯決議においては、「二分の一を目途に引き上げることを検討すること」が盛り込まれました。今次改正で二分の一に引き上げることは、国会の意思であったはずです。
 にもかかわらず、本法案には国庫負担の引き上げが提案されず、二〇〇四年までの間と先送りしているのです。断じて認めるわけにはいきません。社民党は、今回の改正において、受給者の権利を守り現役世代の負担を軽減するために、基礎年金の国庫負担を現行の三分の一から二分の一に引き上げることとし、以降、国民の理解を得つつ、二〇〇四年に税方式に移行させることを強く主張してきました。
 第二の理由は、給付の削減です。高齢者の新たな負担となる介護保険のスタートに当たって高齢者の可処分所得を考慮するならば、五%の適正化などといった給付水準であろうはずがありません。また、この不況下において、賃金スライドの凍結は消費を低迷させるばかりであり、物価と賃金の総合的な勘案方式を維持しなければなりません。
 第三の理由は、支給開始年齢の引き上げです。六十五歳への引き上げは、雇用と年金の接続がなされなければ検討にすら値しません。六十歳定年退職制度がようやく定着してきた状況であり、この未曾有の不況下、提案すべきではありません。
 第四の理由は、多様なライフサイクルに対応した女性の年金権確立、あるいは前回改正の附帯決議でも解決が求められた障害無年金問題などについて、今回の法案で何ら触れられず、政府には取り組む姿勢すら見られないことであります。
 世帯単位の考え方を改めて、女性を元気にすること、不公平を解消し、専業主婦を家庭に縛りつけないことが求められます。夫婦の年齢差による受給開始のずれ、さらに独居老人の増加や非婚率の増加などにより、標準世帯で幾らの年金というモデルは今や幻想なのです。転職、退職や子育て、離婚、死別といった多様な女性のライフサイクルに対応した女性の年金権を確立することが求められています。また、被用者年金における育児、介護、看護期間の保険料について公費負担とするなど、アンペイドワークの評価の確立も喫緊の課題でございます。
 今まで述べたように、今回の法案はこれらの課題に全くこたえていないという点で、絶対反対であります。
 ところで、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案及び年金資金運用基金法案は、そもそも自社さ連立政権当時の九七年、与党特殊法人改革等協議会において行われた特殊法人改革に端を発するものでありました。社民党は、本法案の制定及び審議の過程において、徹底した情報公開の確立や責任体制の明確化、大規模年金保養基地からの責任ある撤退、さらには、年金受給者、被保険者への影響配慮、雇用の確保等労使関係への万全の配慮などについて真摯に取り組んでまいりました。したがって、本来的に賛成の立場の法案が年金法案と一括で強行採決された事実は、甚だ遺憾であることを表明しておきます。
 次に、改めて強調しておきたいことがあります。
 それは、前国会における衆議院の数の暴力による採決を繰り返さないためにも、今通常国会では慎重かつ十分な審議が必要だったのです。しかしながら、参議院において、自民、自由、公明三党による再度の強行採決が行われ、送付された衆議院では三度目の暴挙が行われたのです。総理に対する質疑など十分な審議を求める我々の要求を一切無視し、与党は委員会で強行採決の挙に出たのであります。
 国民の年金制度に対する信頼と期待は、衆議院、参議院にわたる数の暴力の前に無残に打ち砕かれたのです。自民、自由、公明三党により幾度となく繰り返される横暴な国会運営は、まさに議会制民主主義に対する重大な挑戦であり、社民党は、これを断じて認めるわけにはまいりません。
 以上の理由により、社会民主党・市民連合は、本法案に反対であることを表明いたします。今回の法案が、将来の生活不安をあおり、国民の消費を冷え込ませ、今回の長期不況の元凶とも指摘されていることを最後につけ加え、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 濱田健一

speaker_id: 30742

日付: 2000-03-28

院: 衆議院

会議名: 本会議