市川惇信の発言 (経済・産業委員会)
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○政府参考人(市川惇信君) 人事院といたしましても、この大学教官等の役員兼業問題は、経済の発展、国民生活の向上等社会的貢献が大きいことでございまして、社会的要請が強いことを十分に認識いたしております。
しかしながら、アメリカの主要な州立大学等がいわゆるパブリックコーポレーション、公共法人という設置形態をとっているのに比べまして、我が国の国立大学は国の機関であり、そこに勤務する人は国家公務員と、こう位置づけられております。国家公務員は憲法十五条によりまして全体の奉仕者でございまして、その公益性というものが前提となってくるわけでございます。こう考えますと、国家公務員としての公益性と営利企業の役員として勤務することとの、それはある種の私益を含むわけでございますが、その調整ということが問題になってまいります。
政府におきましては、人事院も参画いたしまして、政府全体といたしまして、国内各方面、公法学者を含めまして有識者の御意見を伺いながら幅広く検討してきたところでございます。その結果、大学教官等がその研究成果を活用する事業を実施する企業の役員を兼業する場合には、国家公務員法の体系のもとで百三条の規定に基づいて人事院の承認により兼業の道を開くとしたわけでございます。
国家公務員法百三条の規定に基づきまして承認するに当たりましては、その承認の基準や手続を人事院規則で定めることになりますけれども、承認基準につきましては、まず、役員兼業が当該大学教官等の研究成果を事業化する目的であること、大学教官の職務と兼業先企業との間に契約、物品調達等々の特別な利害関係がないこと、職務の公正な執行が確保できること、三番目といたしまして大学教官等としての職務の遂行に支障がないことという、この三点を織り込むこととしておりまして、産業技術力強化法の趣旨を踏まえながら、これを明確にお示しするとともに、可能な限り簡素な手続といたしまして、この法律の実効が損なわれないようにしてまいりたいと考えております。
なお、御指摘のように勤務時間外という形といたしましたけれども、大学教官につきましては、任命権者の勤務時間の割り振りが可能でございますし、また国立試験研究機関の研究職に関しましては極めて柔軟なフレックスタイムというものが現在適用されておりますので、これらを活用することによりまして役員兼務が支障なく進められる状況にあるものと理解をいたしております。
なお、ベンチャー企業を立ち上げるときなど、一定期間、民間企業の役員の業務に主として従事する必要が出てくるかと思いますが、その場合には、大学教官等の身分を保有したままでその職務に従事しない、企業の役員の業務に専念できる休職制度を設けたいとしておりまして、これにより一層制度の実効性が上がるものと考えております。
以上申し上げましたように、人事院といたしましても、御指摘のような日本の置かれました状況について十分認識をいたしておりまして、その線に沿って役員兼業問題は扱っていきたいと思っております。