谷川秀善の発言 (憲法調査会)
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○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。
前回の調査会、またただいまの各党の代表の委員の方々からいろいろと御意見が出されましたが、大別をいたしますと、護憲、論憲、改憲、いろいろ御意見はさまざまでございますし、また調査期間につきましてもいろいろさまざまでございます。
そこで、今の憲法が制定されて五十数年たつわけでございますが、どうも日本人の中には憲法は不磨の大典というような考え方がありまして、改憲論議をすることは悪であるというような風潮があったわけでございますが、やっと国会の中で正式に論議できる調査会が設置されたことは、大変私は意義深いことだというふうに喜んでいるわけでございます。
というのは、憲法改正の発議は国会でしかできないということになっているからであります。この調査会は議案提出権がないという申し合わせになっていることは承知をいたしておりますけれども、そうかといって、五年もかけてだらだらと論議を行っていては、私は本当に現在の国民の期待にはこたえ得られないのではないかというふうに思っております。
憲法というのは、法定されていようと慣習法であろうと、人間が社会生活を営む上で最低限保障されなければならない、また守らなければならない社会的なルールでありまして、国家生活をする際の国家運営のマニュアルにすぎないと私は考えておるわけでございます。我々国民がこの国の主権者であり、その主権者である国民がこの国をどう使いこなしていくかが問題なのであります。
政治の責任は国民に自由で豊かな生活を保障することでございまして、そのために国家権力機構があって、それを政治家を含む公務員がどう使いこなしていくか、その使い方の約束マニュアルが憲法だと私は考えております。
したがって、護憲、論憲、改憲と目くじらを立てて論議するのではなく、現在の社会状態、国際情勢を見て、それに合っているかどうかということを自然体で論議すべきであろうというふうに私は考えております。
まず、改憲論自体が違憲だという意見がございますが、日本国憲法自体が第九十六条でちゃんと改憲手続を規定しているわけであります。これはすなわち、この憲法をつくった人々の意思が、この憲法は完璧でない、不磨の大典でないということを示しているものであります。
法というのは、憲法であれ一般法であれ、あすのことを論議してきょうつくっているわけであります。つまり、原則として、法は将来適用されるもので過去に適用されないし、もし過去にさかのぼって適用されるということになれば大変なことになり、人権問題となるわけであります。何が起こるか見たことのない将来のことについて相談してつくって、あす以降適用するという性格のものですから、必ず不完全なものであり、時代時代に応じて改正する必要があるわけであります。
そのために九十六条が存在しているわけでございますから、改憲論議をすること自体、決してやましいことでなく、むしろ政治家としては、この国をきちんと発展させていく責任を持つためにも改憲論議をしなければならないというふうに私は考えております。国民に幸福な生活を保障する国家を運営していく道具としての憲法を日々点検をし、修繕をし、モデルチェンジをしていく、これは我々政治家の責任であります。過去の検証も大事だとは思いますが、いろいろ資料、書物も出回っていますので、それぞれ各自で勉強することとして、早速具体的な検討に入るべきだと思います。
そこで、来年七月には平成七年選出議員が改選期を迎えるわけでありますから、それまでに一応第一次調査をまとめてはいかがかと思っております。それをもとに第二次調査をして、第一次調査で各党が出されました意見書を中心に論議をし、一致点、相違点を整理すれば、国民の皆様にも調査会の審議経過がよく見えると思います。
憲法については、改正案を審議する場合、衆議院に優越性はありませんので、それぞれ独自で審議する必要があると思います。意見の取りまとめにつきましては、会長さんの方で衆議院とよく調整をお願いいたしたいと思います。
また、調査する項目につきましては、前文を含めて全項目を調査すべきであろうというふうに考えております。
以上、私の意見を申し述べました。