奥野恒久の発言 (憲法調査会)
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○参考人(奥野恒久君) 京都にあります龍谷大学大学院で憲法学を専攻しております奥野恒久です。大学を卒業してから少しブランクを置いて大学院に入りましたもので、三十を過ぎているんですけれども院生ということで応募させていただきました。
三点ほど述べさせていただきたいと思います。
一つは、私を含めましてかなり多くの人たちが今の日本という国についてこれからどうなるんだろうかという不安を持たれているんじゃないかと思います。日本のこれから進んでいくべき指針といいますか哲学、これが今ないんじゃないかとさえ思うわけです。
二つ目です。では、その哲学とか指針として何がいいんだろうかと考えましたところ、今いろいろと言われておりますけれども、私は、日本国憲法、これを掲げていくべきだ、こういうふうに考えます。
それは、日本国憲法が例えば第九条の先駆性といったそういうものを含んでいるということも当然あります。しかし、それ以上に私が重要視したいのは、戦後半世紀以上にわたって私たちや私たちの先輩方は、日本国憲法という後ろ盾を持って生活を営み、日本国憲法を武器にして運動をし、私たちの暮らしとか平和とか社会、これをよくしよう、守っていこうとしたはずです。憲法といいますのは形だけ見れば百三条の条文にすぎません。しかし、これによって、こういった運動、力強い運動が憲法に内容を込めてき、魂を入れてきた、そういうふうに考えるわけです。
その意味からいたしまして、今の状況の中で私は断固として護憲です。今の日本国憲法、これを掲げ、そして日本国憲法が発するメッセージ、これを広め、そして私自身もそれに努めていきたい、こう決意しております。
最後になります。日本国憲法が発するメッセージとは何か。
今、地球自体が環境の問題、資源の問題で、二十一世紀の地球はどうなるのかという危惧を持たれているときです。それに対し、日本国憲法から二つのメッセージを読み取ることができます。一つは、日本みずからが軍縮を進めることによって世界の軍縮のイニシアチブをとる。もう一つは、今の豊かさとか今の繁栄、果たしてこれがいいのかどうか問いかけてみる。この二つのことを日本国憲法のメッセージとして受け取ることができるんじゃないかと思います。
この路線は、普通の国になるという路線とは全く違います。しかし、日本がこの路線に向かって誠実に歩むのであれば、世界からもある種一目置かれる存在として私たち自身も胸を張っていくことができるかと思います。日本国憲法を基準に置いて二十一世紀を切り開いていきたい、そのように切に思う次第です。
ありがとうございました。