林則清の発言 (交通・情報通信委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○政府参考人(林則清君) 御指摘のように、一刻も早く人質を救出するということは、被害者はもとより国民の願いであるとともに、当然の警察の使命であると強く認識しておりました。
若干経過を申させてもらいますと、本件は、五月三日の午後一時三十分過ぎに発生したものでありますが、警察が認知したのは午後三時ごろでありました。
警察では、直ちに関係県警察が連携しまして、バスの運行状況を見きわめつつ、犯人を刺激せずに安全に停車させるための措置、まずこれに全力を尽くしまして、午後五時五十分ごろ、その準備が整った奥屋パーキングエリアに停車をさせることに成功したわけであります。
奥屋パーキングエリアにおきましては、御指摘にもありましたように、広島県警察では直ちに犯人の説得を開始するとともに、車内の状況確認に努めたわけであります。このとき、実は犯人は人質の少女を抱えて刃物を突きつけたままの状態が非常に多く、非常に興奮した状態でありまして、次々要求を出すなど、全くすきを見せないというような状況でございました。また、車内には負傷者もいる模様でありました。このために、説得に当たった捜査員は、まず犯人を落ちつかせるために意思の交流といいますか、人間関係の形成に努めて、要求に応じて飲み物等を差し入れ、午後六時四十分ごろから七時三十分ごろにかけて、負傷している人質三名の解放が可能になったわけであります。
広島県警察では、当初から突入による人質救出も念頭に置いてその機をうかがっておったわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、犯人が肉体的にも精神的にも疲れた様子がない、そして少女を抱えた状態のまま全くすきを見せなかったことから、犯人との駆け引きを繰り返しながら説得を続けざるを得なかったものであります。
このような状態が続いて、午後九時三十分ごろに至り犯人がいら立ちを大変強めまして、さらに東の方へ行くようにバスの移動を強く要求しまして、これに応じなければ危険があると認められましたことから、約二十キロメートル先の小谷サービスエリアにバスを移動させて、午後十時ごろからさらに継続して説得を重ね、翌日四日に至りまして、零時三十分ごろまでに二名の人質を解放させております。
広島県警では、それと並行しまして、説得を継続しておる間に把握できました車内の状況あるいはバスの車体構造を研究しまして、突入に向けて捜査員の配置を検討するとともに入念な訓練を実施して突入の機をうかがっておったわけでありますが、午前五時ごろになりまして、説得を継続しておりました捜査員の報告に基づき、犯人が疲労の色を見せ始めた反面、それだけにこれ以上放置すると焦燥に駆られて人質に具体的に危害を加えかねない状況が認められたということと、一面、犯人が疲労による気の緩みから人質の少女から少し離れたところに位置しまして安全な救出の可能性といいますかチャンスが生じたということから、この機をとらえまして突入を決断し、人質の無事全員救出、当時残っておられた人質の救出が図られたわけであります。
お尋ねのように、警察では奥屋パーキングエリアでの突入の可能性、これを一番我々としてもねらったわけでありますが、今申し上げましたように、人質、特に犯人が傍らに置いておりました少女の安全の見地から、奥屋パーキングエリアでは残念ながらその突入を図ることができない状況にあったというのが現状でございます。