富田俊基の発言 (行政監視委員会)
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○参考人(富田俊基君) 私は、今回の財投の問題の最大の課題と申しますか、混同してはならないことがあると思うんです。
それは、政治がなすべきことと市場が行うことを混同してしまっては、やはり我が国の根幹が揺らいでしまう。先ほど、どなたか参考人は財投計画は資金運用審議会が決めるなんておっしゃっていましたけれども、これは国会でそれぞれの財投機関の政府関係機関予算として決まっているわけでありまして、これは政治が決めること、また財投機関の整理合理化、民営化もこれは政治が決めることであります。それがゆえに、サッチャーはイギリスの財投機関を随分どんどん民営化できるところを民営化して、財投の縮小ということを行ったわけであります。市場というのは、この政策が望ましいとか、あるいはこの財投機関が必要だというふうなことを決める力は全くありません。もしできるのであれば、それは民間企業として企業が行うことのできる事業なわけです。
そういう意味で、政治と市場の基本的な役割は何かということをやはり肝に銘じておく必要があるというふうに私は思います。これが最大の課題であります。
それから二番目の御質問でありますけれども、昨年、クリントン大統領がアメリカの公的年金基金の一部を株式運用するという提案を予算教書でいたしました。しかし、このレジュメの二ページに御紹介しておりますとおり、クリントンが予算教書で発表した翌日にFRB、連銀議長のグリーンスパンが即座に反論されております。
三段論法風になっておりまして、政府が運用するとなると運用において政治的な思惑が働くことを排除できない、そしてまた、これまでアメリカは公的年金のお金で国債を買っていた、国債で運用していた、非市場性国債で運用していたと。これを減らして株式を購入するとなりますと、マーケットにそれだけ国債が供給されて金利上昇要因になるということで、株式を幾ら買っても、金利が上がるとなると本当に株が上がるかどうかは疑問であると。そういうことから、三段論法の最後には、アメリカ経済の効率を阻害して国民の生活水準を低下させかねないというふうな指摘をなさいまして、これをもう何回もやって、クリントン大統領も去年の八月にこの提案は、つまり株式による公的年金の自主運用ということについては提案を引き下げております。したがって、引き続きこの社会保障年金基金につきましては非市場性国債で運用すると。
非市場性ということは、官がやるわけですから、マーケットに影響を与えないための方法でもあるわけです。一度購入したものはずっと保有し続ける。市場で金利が変動いたしましても持っている国債の値段が下がることはない、上がったり下がったりすることはないという形で、まさに国が行うべき運用としてはやはりこの非市場性国債しかないというのが私は一つの結論だろうというふうに存じます。