正村公宏の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(正村公宏君) 介護を保険にするという制度は、世界の中で少数派だと思います、国でいいますと。
日本の政府も、多分ドイツの八〇年代以後導入されました介護保険制度を参考になさっていると思いますが、非常に違うんですね。ドイツの介護保険制度というのは、障害の原因を問わないで要介護状態になったすべてのハンディキャップドピープルを介護の対象にするということでありまして、今までの普遍的な社会的な扶助の制度を普遍的な社会的な介護保険の制度に切りかえるということをやっているわけです、ドイツの場合は。ところが、日本の場合には、初めは二十歳という情報が伝わっておりましたが、結局四十歳以上からだけ保険を集めて、そして原則高齢者だけを対象にするという限定された方法で始められたわけですね。
それで、いろいろな点で問題があります。私は、新聞などで求められて多少論争にもかかわりましたけれども、こういう制度は無理ではないかと。まず、保険料だけで賄えない。それから、保険料の徴収そのものにも不安がある。それは今までの国民健康保険やその他を見ていればわかることでありますけれども。
私は税でやるべきだと。付加価値税を差し当たり二%国民に訴えて、そしてこれを地方に高齢者の数に応じて配分し、特別会計に組み込ませて住民に開示して、この部分を介護に使うと。経済が発展し社会構造が大きく変わり農山漁村から若者がいなくなっちゃったという状況のもとでございますから、各自治体に財政的自立を求めることは不可能であります。年をとった人たちを支えるべき人たちは都会へ出てしまっているわけですから、こちらで税を集めて、そしてプールをして、財政についてはナショナルシステムで、全国的なシステムで調整をする。
しかし、介護のシステムをどう構築するかは、地方によって非常に状況が違いますし、いろいろ工夫をしていらっしゃる地方の首長さんもおられるわけでありますから、もっと自主性に任せる。分権の時代でありますから、介護サービス、人と人との間の対人関係が基本的に重要なものですよね、サービスというのは。社会福祉の特徴であります。
ですから、財源の調整についてはナショナルシステムを考えなければならないけれども、サービスについては分権的におやりになったらどうですかと。透明性を高めれば、隣の自治体がやっているのをおれのところもやってくれないのかという、そういう自治体間の競争も起こってまいりますし、むしろ改善されるだろうと思います。
ただ、今ここまで来てしまった段階で、介護保険制度の発足をおくらせるとか保険料の徴収を少し先送りするとかという措置は私はおとりにならない方がいいと思っております。
そうではなくて、ここまで来た以上は決意を持ってスタートさせて、保険料もちゃんとお取りになって、そして受益と負担の関係についての意識をはっきり持ってもらう。ついでに、皆さんからいただいている保険料では半分も賄えていないんです、一般財政からこれだけのものを出さなければならないんですということをやはり情報公開なさったらいいと思う、徹底的に。そして、どういう姿がいいですかということを改めて議論して、そして安心ができる状態で、しかも乱用されない仕組みというのはどうしたらいいのかということについてもっと世論を起こさないといけません。それが不足しているというふうに私は思っております。これは二年、三年、五年かけて御検討いただくべきことじゃないかと思います、非常に厳しい状態になっていると思いますけれども。