正村公宏の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(正村公宏君) 私は、二十世紀のタイプの文明をそのまま二十一世紀に延ばすわけにいかないことがはっきりしつつあると思います。大変資源浪費的、環境破壊的な文明であったわけでありまして、このまま延長したら人類は滅びます、確実に。ですから、大転換をやらなければいけないので、人口についても人口の増加というのは恐らく目標になり得ない、しかし激減するのは問題があります。
国家と社会は違いますが、国家の基盤をなしている社会が崩壊していきますから、だから私は、ナショナルゴールみたいなものを考えるとすれば、漸減ということだろうと思っています。資源の消費をふやさないリサイクル型社会をつくる、環境保全を重視するということでありますから。
しかし、問題は、そういう状態のもとで、数が減るだけではなくて子供の育ち方が変わってまいりますから、質にも問題がある。日本人は教育に失敗しつつあると思います。私たちの社会の教育力が低下してしまっている。進学率は先ほど申し上げたように過剰に高くなっていますけれども、本当の教育をやっていないと。本当の教育というのは何だといろいろ議論がありますけれども、一番日本の子供たちに身につけてもらわなければいけないことで不足しているのはコミュニケーションの能力だと思います。人間と人間のコミュニケーションというのは厄介なんですね、人づき合いというのはなかなか大変なんです。私はそういうのは最も苦手の方でありまして、多分だから政治家には絶対なれないと思っているんですが、そういうことを我々は失敗しています。
かつては家族が子供を育てる、それも子供が大勢おりました。それから、地域社会が子供を育てる、そういうことだったわけです。そこに共同性、子供たちは自分たちの共同の未来の世代として育てなきゃいけない対象だという、それも盆栽みたいに育てるんじゃなくて、厳しい自然の中で彼ら自身が自然の厳しさを体得し、人間関係の大切さを体得するという、そういう条件があったと思うんです。
それは、都市型の社会に大きく変わりましたときに本当の都市を私たちはつくらなかったわけです。ベッドタウンをつくっただけなんです。スプロール型の町をつくったけれども、人間の都市はできてないんですね。そういうことを根底から変えていかないといけないと思います。
女性について言えば、働くのは当たり前だったんです。かつての農家の女性、商家の女性、今でもそうですけれども、働くのは当たり前なんです。それがそうでなくなった。働くということと子供を育てるということがばらばらになったんです。
こういう構造そのものを、全体を変えるということを問題にしていただくことが必要なんであって、子育て支援のために多少の予算をつけたぐらいでは、大変申しわけないんですけれども、余り効果がないと私は思います。やっていますよということにはなるかもしれないけれども、それは余り効果がない。それよりは、私たちの暮らし方はこれでいいのかと。子供たちが夕日に輝く浜辺を見て感動するとか、そういうことがなくなっているということをどうするんだということから議論をしていただく必要があると思います。私は、もちろん保育制度を整備するとか大賛成なんですけれどもね。