西川伸一の発言 (科学技術委員会)
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○西川参考人 九番についてはちょっとおいておきまして、ヒト分割胚、それからヒト胚核移植胚、ヒト集合胚についてお話ししたいと思います。
ヒト分割胚、例えばたくさんの受精卵がとれない患者さんの場合、可能性として、生殖医療で子供を得る可能性をふやすために四分割するという操作が入ることはあり得ると思います。
それから、ヒト胚核移植胚に関しては、やはりミトコンドリアの発症予防、それからミトコンドリア病の根絶という問題に理論的にもつながるし、研究は進むと僕は思います。これも、実際に治療として子宮に戻される可能性を予想します。
それから、ヒト集合胚ですが、先ほどキメラであるというふうにおっしゃいましたが、例えば、血液の遺伝的な病気を持っていて、集合胚の段階で、もう既に分化した血液だけを入れて血液だけを治すという技術が想定されます。そういう場合に、前もって血液を入れておいた胎児を子宮に戻して、血液だけが置きかわった、しかしほかのところは一個の個体であるということが、理論的には可能です。実際にネズミでもそういう実験は行われていますから、そういうことが社会としてオーケーになった場合に、多分子宮に戻すという治療が行われるだろう。
そういうふうに社会的に可能性があるものを、私たちが科学者の側から今の社会はこうだろうという形で線を引いていいのかどうかが問題になるということで、可能性がよりあって、ひょっとしたら受け入れられる可能性があるものという形で区別した。それより前のものに関しましては、少なくとも一回性の問題等々でかなり線が引けるのではないか。
最後に、九番の問題で、動物性融合胚というのは意味があるかどうか。これはもう明らかに、ほとんど意味がない。すなわち動物の核を人間の卵に植え込むということですから。ただ、そういうこと自身が今の社会としてほとんど考えられないぐらいばかげているという社会的な意味もここに入っていて、ですから、この線引きというのは、今の社会を私たちがどう考えるかというところが問題になったというふうに理解していただけませんでしょうか。