佐々木毅の発言 (憲法調査会)
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○佐々木参考人 大変難しい問題で、いろいろな観点から議論できる問題を提起されたというふうに思っております。
ただ、私自身の認識を申しますと、自分の非常にプライベートな利益に関心があるというのは、これは万国共通で、どこもそうです。それから、だんだん豊かになりました結果、日本人は自分の趣味に興味を持つようになった、海外旅行も含めてなんですが、これも議員御案内のような形で、それは確かにふえてきていますね。
問題は、それだけでいいんだろうかということを、私の世代も含めて国民はやはり考え始めているんだと思うんですよ。それで、そういういわば非常に自分、個人に近いところで満足するというのを超えて、何かしなきゃいかぬじゃないかという気持ちをかなり潜在的には持っているのかな。ですから、これは必ずしも議員のおっしゃる意味と同じかどうかわかりませんけれども、例えば外国の貧しい人々のために自分は何かをしたいんだという言い方もこれはある。
ですから、それは国とか日本というのに必ずしも一元化されるとは限らないんだけれども、非常に個人ないし自分の周辺のことだけで全部がんじがらめになっているという状態は、ちょっと人間としてのバランス上必ずしも好ましくないなという意識は今の日本に結構存在し始めているのではないだろうか。ですから、そこからどこへどういう形でそれがあらわれていくのかなということについては、いろいろなあらわれ方があるのかなというふうに私は思っております。
ですから、議員があるいは意図されたことのように必ずしもならないかもしれませんけれども、非常に身近なところだけで何かやっているというので十分だという時代は終わって、それは高齢社会の問題もあるかもしれないし、地域の問題もあるかもしれないし、何か自分たちで、生きがいの問題も含めて、ちょっとパブリック的なことをやってみたいな、あるいはやるべきではないかなという状況に今日本人はいるのではないかなというふうに私自身は思っております。そういうエネルギーをどういうふうにうまく活用していくかというのが、これが政治の側の知恵にかかわることではないかなというふうに思っておりまして、一部お答えになったかどうかわかりませんが、そんな感じを持っております。