小林武の発言 (憲法調査会)

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○小林参考人 とてもスケールの大きな御質問なんだろうと思います。
 私は、日本国憲法が、五十三年たった今日、世界の人々がそれを今後の指針となり得るものと考えている、しかも考えている人々が多くなってきている、それほど未来に生きる、二十一世紀に生き得るそういう憲法になったについては、四六年の憲法制定過程をとてもつぶさに調べる必要があるだろうというふうに思いますけれども、その中で理想的な、しかもそれは現実と遊離したというものではなくて、現実を導く理念となり得るさまざまな理念が日本国憲法の中に取り入れられているということが言えるだろうと思います。九条が最たるものでありますけれども、九条と必ず結びつけて言うべきは、前文の平和的生存権、平和のうちに生存する権利です。これは私、公述でもきょうは余り強調しなかったのでむしろ少し残念に思っておりますけれども、それの持っている意義というのは非常に大きいと思います。
 全世界の国民が恐怖と欠乏から免れ平和のうちに生存する権利を有するというこの確認を日本国憲法が行ったということは、一つには、全世界規模で、つまり全世界の国民の権利としてこれを考えている。しかも、二つ目に、平和に生きるということは権利と考えている。つまり、それぞれの政府がたまたま平和政策をとったその反射として受けるのではなくて、各国の国民の側がそれぞれの政府に対して平和を求めていく、平和の政府であることを要求していく、そのような権利として定めているということはとても大きいことだろうというふうに思うのです。
 ややこのことの周辺になりますけれども、憲法二十五条を制定するについて参議院の方で調査をなさった、そのときに招聘をなさったGHQ関係の人の一人としてベアテ・シロタ・ゴードンさんがおられますけれども、こういう人々の活動を見ますと、本当に広く、例えばワイマール憲法まで調べて日本国憲法の制定のための努力をしている。あるいは、明治期に日本の国民がたくさん出しておりましたいわゆる私擬憲法、この私擬憲法の中の民主的な性格のもの、自由主義的な要素を取り入れようとしている。それらを総合する形で、日本国憲法の未来に生きる力というものを評価していくべきじゃないかというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 小林武

speaker_id: 30010

日付: 2000-11-09

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会