対馬忠明の発言 (厚生委員会)

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○対馬参考人 対馬でございます。
 ちょっと風邪ぎみでございまして、お聞き苦しいところがあるかと思いますけれども、御容赦願いたいというふうに思います。
 まず最初に、このような意見陳述の機会を与えていただきましたことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。
 健康保険組合連合会の常務理事組合として健保連の意見を申し上げるということでございますけれども、私は新日本製鉄健康保険組合の理事長代理でもございまして、現場の第一線の意見を含めて申し上げることをお許しいただきたいというふうに思います。
 法案の内容に入る前に、私ども健保組合の立場をより御理解いただくために、まず、医療保険財政がいかに待ったなしの状況に置かれているか、また介護保険料の徴収、納付がいかに変則的な状況にあるか、御説明させていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、医療保険財政でございますけれども、資料を用意してございますのですが、平成十一年度の決算、資料ナンバー一をごらんになっていただきたいというふうに思います。健保組合関係者は悪い決算にはならされているわけでございますけれども、なれた私どもにとりましても、この十一年度の決算というものは実に衝撃的なものでございました。過去初めてというものが何と七項目もございました。
 一つ目が、経常収支でございます。過去最高の二千三十三億円の赤字でございました。
 二つ目が、拠出金です。老健拠出金が大幅に増大しまして、収入に占める割合が初めて三割を超えました。それ以外の拠出金を加えますと、四割を超えました。
 三つ目でございますが、保険料収入総額です。初めて減少いたしました。
 四つ目、保険料率です。組合平均の保険料率は次のページに掲載されておりますけれども、これはパーミルですから千分の八十五・一一でございますが、初めて政管の料率を上回りました。
 五つ目、財政が窮迫している組合の数でございます。法定準備金を保有できず、かつ千分の九十以上の高い保険料率を設定している組合が過去最高の数、百六十四組合ということになりました。
 六つ目、被保険者の数です。過去最大の減少、これは三ページ目に記載されてございます。
 七つ目ですが、標準報酬月額でございます。過去最低の伸びでございました。
 ここに至るまでの財政の推移ですけれども、この資料一の最後のページにグラフが載ってございます。ごらんになっておわかりのとおり、ここ数年来、構造的な赤字になってございます。平成九年、十年だけは健保法改正の影響でほぼ収支が均衡してございますけれども、平成十二年度予算では、老人医療費が一部介護の方に移行するにもかかわらず、三千三百億円という巨額の赤字になってございます。十三年度も引き続いて悪化することが見込まれておりまして、予算が組めないという悲鳴を上げている組合も数多くございます。こういう中で、私ども健保関係者は何とか平成十四年度の抜本改革まではということで、精いっぱい歯を食いしばっているというのが現状の姿でございます。
 次に、介護保険でございますけれども、現在、約四割の組合、私どもの組合を含めてでございますけれども、保険料を徴収できない、本来必要な保険料でございますけれども、徴収できないという極めて変則的な状況に置かれてございます。
 A3一枚の資料でございますけれども、ちょっとわかりにくいのですが、右側の中ほどをごらんいただきたいわけです。この組合の場合、これはパーセンテージでございますが、法定上限が九・五%になっておりますので、本来〇・八%必要なんですけれども、〇・五%しか徴収できない、〇・三%不足するという状況になってございます。
 これにつきましては、本来、介護保険導入時の四月に解決が図られるべきものでございましたけれども、七月の法改正にあわせて上乗せして徴収してバランスを図ろう、こういうことでございました。ところが、法案が廃案になったものですから、現在でも〇・五%しか徴収できない。したがいまして、納付猶予申請をしたり、積立金を取り崩して流用をしたり、こういうことで対応しているのが現状の姿でございます。
 当組合、新日鉄健保組合で申し上げますと、本年度の徴収不足分は、仮に一月の法改正を前提にいたしましても二・七億円、二億七千万円にも上ります。法改正がおくれますと、一カ月ごとに四千五百万円、不足分がかさんでまいります。組合を預かっている立場としては、まことに耐えがたいものがございます。
 私どもは、必要な保険料をきちんと徴収してきちんと納付したい、またそういうことで組合の機関決定も得ているものであります。変則的な運営を強いられて、また財政にも悪影響を及ぼすこの料率上限をぜひ見直していただきたいというふうに思います。
 次に、改正法案についてであります。
 私どもとしましては、十分審議を尽くされた上での速やかなる可決成立を切望する次第でございます。
 その理由は三点ほどございます。
 一点目は、先ほど来申し上げております財政の逼迫であります。この法案は、端的に申し上げまして、財政改善に寄与するものであります。
 料率上限は先ほど申し上げましたので割愛させていだたきまして、患者負担、高額療養費の見直しなどについて申し上げます。
 今年度の診療報酬引き上げは実質〇・二%、四百三十億円の医療給付費増をもたらすものでございました。老人の患者負担の見直しなどによります四百六十億円の引き下げは、この財源対策としての意味合いもあったはずでございます。引き上げは四月の実施、患者負担見直しなどはいまだになされておりません。これでは片手落ちではないでしょうか。これ以上延ばすことは許されないと思います。
 今回の改正だけで健保組合の財政などの問題がすべて解決されるわけではありませんけれども、これにあわせて十三年度の予算措置等も講じていただきまして、何としてでも財政悪化に歯どめをかけたいということでございます。
 二点目は、老人医療費の一割定率負担が織り込まれていることであります。月額上限つきでもありますし、複雑でもありますので問題点は含んでおりますけれども、この定率負担は、健保連としては長年にわたって強く主張してきた悲願でもございました。
 老人と若人の負担の公平性、介護保険との整合性、コスト意識の向上、こういったさまざまな観点からしましても大きな前進でありまして、抜本改革につながる第一歩として高く評価したいというふうに思います。
 三点目は、抜本改革実現のためにも、この目の前の法改正を速やかに行う必要があるということであります。現時点でなし得ることはすべて行うことによりまして、改革の基盤を整え、後顧の憂いなく全エネルギーを十四年度抜本改革に向けていくことが、今求められているのではないでしょうか。
 日夜にわたる御努力に重ねてのお願いで恐縮でございますけれども、法案の速やかな改正実施をぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 抜本改革は先送りされ続けておりまして、十四年度改革がラストチャンスではないかと思います。これを逃しますと、健保組合を初めとして医療保険制度の崩壊につながります。
 十四年度改革に向けてさらなる御尽力をいただきまして、二十一世紀においても盤石の皆保険体制を確立することを心からお願い申し上げまして、陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 115004237X00820001031_002

発言者: 対馬忠明

speaker_id: 20140

日付: 2000-10-31

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会