桜田義孝の発言 (大蔵委員会)

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○桜田委員 自由民主党の桜田義孝でございます。
 自由民主党を代表して、酒税法の一部を改正する法律案について意見を申し述べます。
 平成十年三月に閣議決定された規制緩和推進三カ年計画において、酒類販売の免許基準をことし九月に廃止することが含まれておりましたが、自由民主党は、酒類の販売については、未成年への酒の販売規制が不十分で、飲酒による交通事故や大型店などの原価を割った行き過ぎた安売りなど、社会不安を残したままで酒類販売の免許基準を廃止することは問題だとして、その見直しを求めてまいりました。昨年暮れには、二百人以上の我が党議員が参加する規制緩和を見直す会を発足させ、経済的規制の緩和は進めるが、社会に不安をもたらす行き過ぎた規制緩和は是正しなければならない、安全、環境、文化などを守るための社会的規制はある程度必要だ、アメリカ流の市場万能主義は弱肉強食を招き、日本経済の土台を支えてきた中小企業を壊滅させるとして規制緩和の見直しを進めてきたところであります。
 酒類販売については、諸外国でも社会的規制を課しているのが実態であります。アメリカ各州でも販売は免許制で、二十一歳未満には販売を禁止しており、身分証明証等でのチェックを行っております。さらに、深夜や日曜の販売も禁止がほとんどであります。イギリス、フランス、カナダも免許制、許可制で、年齢制限、販売時間など同様の厳しい規制を行っております。
 自由民主党では、現在、佐藤剛男議員が部会長の財政部会、石原伸晃委員長の酒問題小委員会において検討を行い、酒の販売については、対面販売の徹底など販売方法の改善や、青少年の飲酒防止、不当廉売、差別的対価など独禁法の適正な運用等法制度の整備や行政運営の改善が担保されるまで規制緩和を延期すべきとの方針を決定いたしました。
 さらに、与党三党での協議を経て、三月二十三日、酒類小売免許の距離基準、人口基準の廃止については、その前提条件である不当廉売の防止対策強化等公正取引環境の整備並びに対面販売の励行の徹底等社会的規制の実施の方向を確認の上で行うものとするの三党合意を取りまとめ、政府に早急な対応を求めました。政府はこれを受け、国税庁、公正取引委員会など関係省庁による協議会を設け、検討が進められたのであります。
 以上の経過を踏まえ、政府は本年八月三十日に新たな閣議決定を行い、九月一日から実施するとされていた人口基準の緩和と距離基準の廃止を平成十三年一月一日から実施に延期いたしました。
 このたび提案された酒税法の一部を改正する法律案は、閣議決定に先立ち行われた政府・与党合意において、酒類小売業免許の規制緩和に伴いとるべきこととされている三つの措置のうちの一つとして位置づけられております。すなわち、未成年者の健全な育成を図る観点から、酒税法に規定する酒類の販売業免許の取り消し事由に、酒類販売業者が未成年者飲酒禁止法の規定に違反して罰金の刑に処せられた場合を追加することを内容とするものであります。
 もとより、規制緩和を着実に実施することにより、業界全体の活性化を進め、酒類業界の健全な発達及び消費者利益の増進を図ることは極めて重要なことであり、政府全体として我が国経済社会の抜本的な構造改革を進めていく上で不可欠な課題であることは改めて申すまでもありません。
 しかしながら、一方、免許を付与された酒類販売業者が販売する酒類は、言うまでもなく致酔性、依存性というアルコール飲料としての特性を有するものであり、酒類販売業者においては、未成年者飲酒防止の観点から重大な社会的責任を負っていることについて、深い自覚と高いモラルを持つことが求められているものであります。
 特に、酒類小売業界においては、酒類購入者の年齢確認が不可能な旧来型の酒類自動販売機の撤廃、運転免許証等により年齢確認が可能な改良型の自動販売機への切りかえを進めてきているところであり、その姿勢に敬意を表するとともに、今後、旧来型の自動販売機の完全撤廃に向けて一層の努力を期待するものであります。
 今回の未成年者飲酒禁止法及び酒税法の一部改正により、未成年者には絶対に酒類を販売しないという社会的責任の重さについて、酒類業界関係者が改めて認識を深くされることを強く望むものであります。
 また、未成年者飲酒防止の徹底という問題については、ひとり酒類業界関係者の努力のみならず、家庭におけるしつけ、教育関係者など地域社会の人々の理解と取り組みが必要であり、総務庁、警察庁、国税庁を初めとした関係省庁の適切な指導等が総合的に相まって初めて効果が上がるものと考えられます。
 規制緩和を通じた我が国経済社会の発展と次代を担う青少年の健全な育成の観点から、萩山委員長から御提案をいただきました酒税法の一部改正が、我が党の大野功統理事、根本匠理事、渡辺喜美理事を初めとする同僚議員の御努力により、野党各党の御協力もいただいて、全会一致で可決されることは、まことに時宜を得たものと考えます。
 関係各位におかれましては、その趣旨を十分にお酌み取りいただき、御協力、御尽力を切にお願いいたしまして、自由民主党を代表しての意見陳述とさせていただきます。
 以上で終わります。

発言情報

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発言者: 桜田義孝

speaker_id: 2978

日付: 2000-11-10

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会