江崎玲於奈の発言 (文教委員会)
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○江崎参考人 教育につきましては、やはりその時代時代に応じた変革ということが必要ですが、変えるということに対してかなり抵抗があるのが教育界の問題のように私は考える次第でございます。つまり、現在をやはり変えるということで、変えないという方に安定性を求めるという考え方は間違っておりまして、私はむしろ、ここで変革しない方が日本の将来に危険だと、今先生もおっしゃったと思いますが。
日本の歴史を考えますと、やはり明治維新で、西欧の強大な科学文明に接して、これを何とか早く学ばなくてはいけない、欧米に範をとって後を追っかける、そういう性格のようなものが日本人に身についた。特に日本の現在は、科学技術が日本の産業の発展、我々の生活水準を保っておりますし、科学とか技術の発展なしにはやはり考えられない現状であると思います。
教育の基本的なものは二つある。一つは、先ほども申しましたように、我々各人が持って生まれた天性のようなものを見出して、それの育成に努める。つまりこの場合に、我々は遺伝情報を持って生まれてきたわけでございますが、教育というものは遺伝外情報をそれに付加するわけです。それで、その持って生まれた性格も大事ですし、それを育成することも大事なんです。人によりまして、まあ言いますと、社会学者は育成が大事だという考え方、つまり何が何でも勉強すれば立派な人になれるのだというような考え方が育成化で、もう一つは、やはり持って生まれた素質が大事なんです。それを無視してはいけない。どちらかといいますと、今までの日本の教育というものは、持って生まれた天性は若干無視しまして、皆さん一緒にやりましょうという平等主義的な教育があったように思います。
私は、かつてはそれでよかった。つまり、私がちょっと申しましたように、世の中にルーチンな仕事が多い場合には、みんな一緒にやりましょうという教育でよかったのですが、世の中がグローバリゼーションとか、先ほども申しましたように、非常に的確な判断、創造性が求められるような時代になってきたということは、やはり天性に合った教育というものが必要だと思います。
今ちょっと河村先生の方からもおっしゃいましたが、我が国は既にいろいろな分野でおくれをとっているということであります。国際的に見ますと、新しい先端分野でおくれをとっている。
その一例としましては、皆さんも御存じのように、ヒトゲノムの解読ということ、これが将来非常に重要な問題であります。その解読をどの国が何%したかという一例を申しますと、実はアメリカが、解読の生産量が六七%でございます。英国が二二%です。我が国はわずか六%なんですね。あと、ドイツとフランスが二%ずつで、中国が一%。こういう数字、非常に先端的な分野、非常に将来性のある科学技術の分野で、なぜ我が国がわずか六%なのか。これはやはり、国際的なそういう科学技術の水準が劣っている、それはやはり日本の教育が十分でないということを物語っている。
つまり、これからは、先ほども申しましたように、時代が変わる。やはり各人の持って生まれた創造性、持って生まれた能力のようなものを最大限に引き出すということが、日本の将来に絶対に重要である。ある意味では今までの教育がそういうことをやっておらなかったわけですから、もしそれをやりますと、これは男だけではございません、女性も持って生まれた潜在能力、それは必ず持って生まれるわけですから、それを最大限に引き出す工夫をすれば、必ず日本の将来は繁栄する。我々は、日本人はすぐれた潜在能力を持っているということを確信して、申し上げる次第でございます。