佐々木秀典の発言 (法務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○佐々木(秀)委員 それは、法務大臣としてそう言われているから、法務大臣としてのお考えをお聞きしたんだけれども、与党の方で必要だから、そう言っているからということだけでは、私ども本当は納得できない。だけれども、一応きょうのところはそうお聞きしておきましょう。
それじゃ、これから提案者にお聞きをしたいと思います。
少年法の改正を急ぐ理由、さっき大臣にもお尋ねしたんですけれども、これは提案者にももう一回お聞きしなければなりません。
これは、次の質問の六番目、この改正案が少年非行や犯罪の抑止にどれだけの効果があると考えているのかという質問とも絡むわけですね。これは、先ほど大臣も答弁で確認されたように、少年法の改正だけが少年犯罪の、あるいは少年非行の抑止に唯一のものではないということは、もうだれしも言われている。この十日の委員会の議事録を読みますと、提案者である麻生先生かな、あるいは杉浦先生もそう言われていますね、それについて言及されている。こうした重罰化といいますか、その傾向を強くするような少年法の改正というのは果たして犯罪の抑止力につながるかということについてはいろいろな議論があるわけで、むしろそうならないという意見もあるわけですね、役に立つという意見もあるけれども。
これは、きのうの毎日新聞の朝刊です、十月二十三日の朝刊ですけれども、アメリカの司法の関係者が、少年審判のあり方などについて、あるいは少年処遇について考えるということで日本に来られているという記事が出ていますね。
これによると、きのうもう既に行われたようですけれども、シカゴ少年裁判所のウィリアム・ヒブラー裁判官、それからイリノイ州クック郡の少年司法局で働いていらっしゃるというキャサリン・ライアンさんという方が来られている。そして、大正大学で、「アメリカにおける少年犯罪と少年法」と題した講演をきのう行われているようです。行うと書いてありますから行われたんだと思います。
それによると、日本よりも一足早く少年の厳罰化に踏み切ったアメリカで、しかし少年犯罪の凶悪化はとどまらない、いきなり型の殺人もふえているということで、このアメリカの司法関係の方々が、日本の少年犯罪に対する対応あるいは処遇の状況などについて、勉強も兼ねて来ているんだということが紹介されているわけですね。
アメリカなどでは今も、私が話しましたように、少年犯罪について厳罰化の方向というのはかなり早くつくられたわけだけれども、一向にその後少年犯罪は減らないし、むしろ増加し、あるいは内容も凶悪化している。アメリカの場合には、日本と違ってまた例の銃砲による犯罪がありますね、日本の場合にはこれはないけれども。以前も、未成年者が銃砲を持って子供たちを撃ちまくったなんというひどい事件があったわけですけれども、そういうようなことからも、むしろアメリカあたりでは、少年に対しては保護処遇というか、そういうふうに改めた方がいいのではないかという議論が最近になって非常に起こっているようにも聞いているわけですね。
そういうことを考えますと、今この少年法、与党の改正案は今までに比べてさまざまな点で少年に対して厳しくなるのは明らかなんですけれども、これをなぜ急がなければならないのか。私は、この論議がこの国会での法案審議を通じてやっと国民的なものになっているということは歓迎するべきものだと思っておりますし、むしろ、この審議を通じて国民の皆さんに、さまざまな観点から、一緒になってこのあるべき少年非行や犯罪防止の問題を考えてもらう、その中で少年法がどういう役割を果たすのかということについても理解を持っていただくいい機会だと思っているだけに、この論議は決して出口をどうするなどということを決めないで、慎重に慎重に論議をしながら、ここでの論議を国民の皆さんにまたお示ししていく非常にいい機会だと思っているわけです。
しかし、どうも見ておりますと、与党の皆さんは、とにかく今国会中にどうしてもこれを成立させなければならないというような大変な意欲に燃えていらっしゃるようにも見えるわけだけれども、なぜこれを急がなければならないのか、十二月一日までと限られているこの国会でなぜこれを通さなければならないのか、これを通さなければ犯罪がまたふえるよということなのか、その辺について、ひとつ御説明をいただきたいと思います。