糠谷真平の発言 (経済・産業委員会)

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○参考人(糠谷真平君) 御説明をさせていただきます。
 私ども国民生活センターにおきましては、全国各地の消費生活センター四百のうち約六割とネットワークを結びまして、各地からの消費生活相談情報の収集に努めております。この消費生活情報ネットワークシステム、PIO—NETと通称呼んでおりますけれども、そこには平成十一年度におきまして約四十五万件の相談情報が寄せられております。その情報を中心に御説明をさせていただきたいと思います。
 今回提案をされております訪問販売法及び割賦販売法の一部を改正する法律案の主要点は、私ども三点と理解をいたしております。第一は、内職・モニター商法について現行の訪問販売法等では対応できないことから必要な規制を新設する。第二は、マルチ商法について脱法的な取引形態や誇大広告の横行によるトラブルが拡大をしていることにかんがみまして規制を強化する。第三は、インターネット通販における消費者トラブルに対応した規定の追加をする。主要な点はその三点と理解をいたしまして、それにつきまして御説明をさせていただきます。
 順次御説明をいたします。
 第一は、内職・モニター商法に係るトラブルの状況でございます。
 私どもの把握をしておりますPIO—NETの情報によりますと、内職・モニター商法にかかわります苦情相談件数は、平成七年度が五千百六十七件、平成十一年度が一万七千三十四件ということで、三倍以上に急増をいたしております。平成十二年度、今年度に入りましてから最近まででございますけれども、約六千件でございます。平成十一年度が、幾つかの内職・モニターをやっております事業者の倒産といいますか、そういうことがございまして、平成十一年度は相談件数が急増したということがございますので、それに比べますと今年度の状況は鈍化をしておりますけれども、依然として高水準が続いている、こういうことでございます。
 具体的な事例を幾つか申し上げますと、代表的なものといたしましては、パソコンを使った入力内職商法あるいはあて名書き、清書の内職商法、それから着物や布団のモニター商法といったようなものがございます。
 一、二申し上げますと、例えばパソコンでございますけれども、パソコンを購入すればパソコンを使った内職をあっせんするというように電話で勧誘をされまして、数十万円のパソコン、これはソフトも含んででございますけれども、購入をした。それで、勧誘の際には月に五万から十万の収入になるという話だったけれども、内職のあっせんは少なくて期待した収入は上がらなかったというようなことがございます。
 また、モニター商法で、着物のモニター商法でございますけれども、着物のモニターとして働かないかと勧誘をされまして、モニターとしての業務は展示会場で月一、二回の接客業務だというような説明だった。モニターの報酬としまして着物のクレジット支払い額相当額以上を毎月支給する、こういう約束のもとに自分名義のクレジットで約百万円分の着物を購入した。最初のうちは約束どおりモニター料の支払いがあったわけでございますけれども、途中で支払いがとまってしまって、以後のクレジットの支払いは自分で支払わざるを得なくなったというようなことがございます。
 こういったトラブルに共通して見られる特徴でございますけれども、一つは、勧誘の際に仕事の提供による高収入が得られるかのような説明があったけれども、実際には約束が果たされず、ほとんど仕事を提供してもらえないということがございます。
 それから、勧誘の際に言われていたほどの収入が得られないので契約を解除したいと思っているけれども、仕事や収入の具体的な条件については口頭で説明を受けただけだったので文書が残っておらず、事業者は勧誘時にそんな説明はしていないと主張するというようなことがございます。
 また、広告には高収入が容易に得られるような記載がなされていたので、電話で連絡をとって説明会に出向いたところ、強引に商品購入を勧められて契約をしてしまった。
 それから、事業者が倒産をしてしまって、これは昨年などもあったことでございますけれども、倒産をしてしまって仕事の提供は全くなされなくなったけれども、商品購入によるクレジットの負担のみが残っているというようなことがございます。
 こういうことでございますけれども、今般の法改正がなされますとどのような効果が期待をされるかということでございます。先ほどから申し上げましたように、契約に関するいろんなトラブルがございますが、契約締結前の書面交付義務あるいは不適切な勧誘行為というようなものが禁止をされるということになりますと、顧客が取引の内容を適切に理解した上で契約をすることが可能になる、あるいは強引な契約締結を防止することができるというようなことが期待をされるわけでございます。
 それから、クーリングオフ規定ができますので、契約を締結いたしました後に冷静に考え直すという期間が可能になるというようなことがございます。
 それから、先ほど事業者が倒産をしてしまってクレジットだけが残るということを申し上げましたけれども、割賦販売法上の抗弁権の接続という措置がとられるようになりますと、顧客はクレジット会社からの支払い請求を拒むことが可能になるというようなことで、内職・モニター商法に伴いますいろんな消費者被害の防止に大きな効果が期待をされるということではないかと思います。
 第二番目が、マルチ商法に係るトラブルでございます。
 これも平成七年度と十一年度の数字を申し上げますと、平成七年度が六千六百五十六件、平成十一年度が一万七千八百四十二件でございまして、三倍近くの急増でございます。平成十二年度は、最近まで約七千三百件ということで鈍化はしてきておりますけれども、依然として高水準であるということでございます。
 マルチ商法に係るトラブルの増加の背景といたしましては、私どもいわゆるマルチまがいというふうに言っておりますけれども、規制逃れの取引形態によるトラブルが多いということでございます。販売組織に入会する際の契約上の負担額を二万円未満にしながら、実際にはその後の商品購入等により高額の負担を負わせるような形態が多いということでございます。
 一例を挙げますと、これは親からの相談でございますけれども、娘が化粧品のマルチビジネスを始めた、入会金一万円を支払って入会をし、その後借金をして化粧品を約三十万円分購入した、さらに一年程度の間に商品を買い込んで借金は二百万円以上に拡大した、ビジネスをやめるようにと説得をしているけれども、組織の上の者から言われたことをうのみにして、将来百万から二百万円の月収が入るのだから今返せなくても構わないと言っているというようなことがございます。
 それから、これに関しましては広告に関するトラブルも多うございまして、インターネットや雑誌上で誇大広告がなされて、これがきっかけになって取引に引き込まれるというようなケースがふえてきていると見られます。
 一例を挙げますと、例えば健康食品のマルチ商法に関する雑誌の広告で、月収百五十万円以上が可能だ、だれでも参加しやすいなどの広告の記載がありますけれども、どのような方法で利益が得られるのかといった具体的な説明はないといったようなものが見られるわけでございます。共通いたしまして特に二十歳代を中心としました若年層におけるトラブルが見られるということでございます。
 今回の法改正におきまして、広告規制が強化される、規制対象者が従来の統括者、本社だけではなくて個人勧誘員にも規制がかかるようになるとか、表示事項が追加をされる、誇大広告が禁止をされるということで被害の防止に効果があると考えられますし、さらに、規制逃れの防止といたしまして、負担額二万円という負担額の下限額が廃止をされるということになりますと、大きな効果が期待をされるのではないかと思っているところでございます。
 第三番目が、インターネット通販に係るトラブルの状況でございます。
 私ども国民生活センターにおきましては、最近、インターネット商取引に関するトラブルが大変ふえてきておりますので、私ども特別調査と言っておりますけれども、インターネット消費者トラブルの実態調査というのを行いまして、十月下旬に発表をしたところでございます。
 それによりますと、インターネット通販に関しますトラブルは、平成七、八年度まではごくわずかでございましたけれども、平成九年度以降急増いたしまして、平成十一年度には一千件を超えるという状況になっております。今年度に入りましてからも増加のテンポは衰えておりませんで、最近までで約八百件ということで、前年度をかなり上回るペースで増加をしているということでございます。
 トラブルの例としてはいろんなことがございます。特に多いのは、申し込んだけれども商品が届かないとか、届いたものは考えていたのと違うとか、連絡をとろうとしても相手と連絡がとれないとかというのがございますけれども、もう一つ多いものといたしましては、画面上なかなかわかりにくい画面になっているので、操作ミスでトラブルが起こるということでございます。例えば、無料サービスのような画面だったので、無料と思ってクリックをしたら有料の申し込みになっていて代金を請求されたとか、あるいは一つ注文をするつもりだったけれども、うっかりして二回クリックをしてしまったということで商品が二つ送られてきてしまったというようなことがございます。
 今回の法改正におきまして、ネット通販における消費者トラブルの対応といたしまして、今申し上げましたような誤った注文によりますトラブルが増加をしていることに対応するために、わかりやすい画面表示を行うということを事業者に義務づけるということは、今申し上げました申し込みエラーによるトラブルの増大の防止に寄与するものと思っております。
 ただ、インターネット通販に関しましてはいろんな先ほどから申し上げておりますようにトラブルがございますので、基本的にはより広い範囲での検討ということがこれからのインターネット時代に必要ではないかと思っておりますけれども、第一段階の措置として、今回の改正で今申し上げましたような画面表示をわかりやすくするということの義務づけは有効な措置ではないかと思っているところでございます。
 以上、私どもの把握しておりますPIO—NETの情報を中心に御説明をさせていただきました。

発言情報

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発言者: 糠谷真平

speaker_id: 1320

日付: 2000-11-09

院: 参議院

会議名: 経済・産業委員会