内田健三の発言 (憲法調査会)
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○参考人(内田健三君) 私は別な角度からですが、この世論調査が非常にばらつきというかバラエティーを持ってきているということは非常にいいことだと。これは若い学生の調査のようでありますが、いろんな形の世論調査が出ております。
やはり今までの私が申したような五十年の経過から、九条問題というのは上位に属しますけれども、もはや九条問題だけが五〇%を超えて独走するというような調査結果は出なくなった。これはやはり国民の意識、政治意識というものが非常に豊かになり多様化しているということを示しているのではないかと。個々の項目については、私、木村さんは地方分権という問題を恐らく一番頭に置いていらっしゃると思いますが、これについても私の意見も後ほど申し上げたいと思いますが、結構な結果が出ていると、大いに議論を闘わすべき段階、まさに論憲のときが来ているというふうに思います。
もう一つ、後藤田先生の引用がありました。実はこの後藤田先生の本、私どもが去年の六月に出した本がございます。と申しますのは、それは後藤田先生にインタビューをいたしました。私と、この前ここにも意見を述べに来られたと聞いておりますが、東大教授の佐々木毅さんと、それから今第一線のナンバーワン的な記者、朝日の早野透君と三人で半年間にわたってインタビューをしましたのをまとめて出した本であります。
私はこの本を通じて、後藤田さんの見識と申しますか、大変感銘を受けたのでありますが、その中でおっしゃった言葉がまさに今、木村さんのおっしゃった、おれたちはこの前の戦争というもの、特に九条に関して言いますと、前の戦争に深くかかわった人間である、ある意味では加害者である、それからアジアにはたくさんの被害者がいる、この加害者、被害者がいる間はどうもいろんな怨念などがこもるから憲法改正ということは軽々に言わぬがよろしい、恐らくあと十年、二〇一〇年ごろになったら、おれも死んでしまうし被害者だった人たちも死ぬだろう、そのころになって冷静に憲法というものを考えたらどうだろうと、こういう御意見でありました。
私も木村さんと同じで、ちょっと十年、議論ばかりでいったのでは、これは議論くたびれ、議論倒れしてしまうんじゃないかなという気もいたしますが、とにかく二十一世紀に向けてのこの憲法論議というものは非常に重要な課題であるというふうに存じております。