寺崎昭久の発言 (交通・情報通信委員会)

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○寺崎昭久君 最初に堺屋担当大臣にお尋ねいたします。それは、基本法案に言う「ゆとりと豊かさ」というのはどういう状態を言うのかという意味でございます。
 IT基本法を拝見しますと、六つの基本理念が掲げられており、その第五条に国民生活の利便性の向上、生活様式の多様性の促進などによる「ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現に寄与するものでなければならない。」、こう書かれているわけでありますけれども、この基本法を読む限り、今我が国がやろうとしていることはITを普及、促進することだなということはよく読み取れるわけであります。
 しかしながら、もう一歩踏み込んで、それでは何のためにということを考えてみますと、さまざまな疑問や不安、あるいは未消化の部分が出てくるわけであります。
 例えばコンピューターの情報処理のスピードが速くなるということが人間にとって本当に幸せなことなんだろうかという疑問を持つ人もおりますし、むしろ人間関係を希薄にしてしまうのではないかということを懸念する人もおります。また、IT化が進むと仕事が楽になるのかきつくなるのかわからないという人もおりますし、新たな雇用問題が発生しないだろうかという懸念を表明する人がおります。また、アメリカで見ているように所得格差が生じないだろうか、貧富の差が大きくなるのではないか、物金執心の世の中になってしまいやしないか、拝金主義になるのではないか。また、画一的な均一的な対応が求められ、個性とか多様な価値観あるいは文化が否定されることにならないだろうか。また、サイバーテロの攻撃から自分の生命、財産を本当に守れるのだろうかというようなことを心配する人は大勢いらっしゃるわけであります。
 しかしながら、人類がITという言ってみればパンドラの箱をあけてしまった以上、それから目を背けて済ませられる問題ではないと思いますし、やはり適切な対応をしていかなければならないと思うわけでありますけれども、ITがもたらす不安とか問題については具体的に後でお尋ねするとして、まず第五条で言う「ゆとりと豊かさを実感できる国民生活」について、もう少しかみ砕いて御説明いただきたいものだと思っております。
 と申しますのは、ゆとりとか豊かさというのはすぐれて個人の感性とか感じ方の問題だろうと思うんです。にもかかわらず、国がゆとり、豊かさということを言う以上は、それを超える何物かがなければ、単なるお題目というんでしょうか、ということに終わってしまうし、政策にはならないのだろうと思うわけであります。
 したがって、例えばナショナルミニマムとしてこういう指標を満足させるような施策を講じますよとか、あるいは福祉社会を実現するといった政治目標というんでしょうか、理念を示すとか、あるいは理想的な国家とか人間像というのはこういうものでありますというような目標みたいなものを示すとか、そういったものがなければ、ゆとり、豊かさという言い方というのは、必要条件であっても法案としての十分条件ではないと思うんです。
 その辺の見解をお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 寺崎昭久

speaker_id: 28284

日付: 2000-11-28

院: 参議院

会議名: 交通・情報通信委員会