今井澄の発言 (国民福祉委員会)

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○今井澄君 確かに、今、大臣も言われましたように、これ各紙いろいろ見てみますと、共通して報道している記事ですね。一面、総合面あるいは社会面も含めまして「高齢者も応分の負担」、高齢者にも負担してもらうんだというような大見出しで各社共通です。
 しかし一方、社説を見ますと、期待外れだとか問題があるという社説のほかに、厳しい選択を覚悟してもらわなきゃならないとか、負担を分かち合おうとか、その内容のことに触れて評価している社説もあるわけですね。大臣が言われたのは後者の方だと思いますし、私も高齢者にも応分の負担をしていただく、これはちょっと誤解の多い言葉ですので私自身として余り言いたくないんですけれども。
 しかし、この中に触れられているように、少子高齢社会の中で持続可能な社会保障制度にしていくためには、支え手をふやすとか、それからそういう意味では高齢者にも応分の負担をしていただく、それからもう一つ、給付についてもそう多くは望めませんよ、ある程度見直しをせざるを得ないという、これが三本柱だということは大体評価は大臣もそうだと思うんですけれども、こういう厳しい現実の中で、しかも安心の社会保障をつくり上げようとするためにはこの三点を確認しようと。このこと自身は私自身も基本的には異論がないわけです。
 ただ問題なのは、私がなぜさっき三十点と申し上げたか、それから与党の幹部の皆さん、社会保障の専門家の皆さん三人そろって不合格点をなぜつけたのかということの問題があると思うんですね。それは、これはある社説にも出ていたんですけれども、この有識者会議はそもそも前厚生大臣の丹羽雄哉さんが厚生大臣になられたときに、二十一世紀の社会保障ビジョンをつくるためにそういう有識者の会議をつくりたいとおっしゃった。その後、小渕総理がそれは政府のレベルでやっていきたいと。そうすると、丹羽厚生大臣が、政府のレベルでやっていただければありがたいということでつくられたという経緯があったと思いますが、そのときにこういうことを丹羽前厚生大臣が言われたそうですね。国民に安心のメッセージを伝えたい、そういう趣旨でぜひ有識者会議には御議論をいただきたいと。
 では、安心のメッセージはここから発せられたのか、有識者会議の。私は、そこが一番実はこの報告を評価するポイントだと思うんです。今国民が求めているのは何かというと、安心と信頼なんです。政治に対してもそうです。社会保障についても安心、それを求めていると思うんです。
 それで、これは各種の世論調査によりますと、どの程度年金がもらえるのか、あるいは医療の自己負担はどの程度に抑えられるのか、介護保険でどの程度サービスが受けられるのか、そういう給付、受けられるものがどの程度かによって、ああ、それだったらこれだけは負担してもいいよ、いや、そんなサービスじゃこういう負担は嫌だよという判断をするところに国民は来ているんですね。
 介護保険だって、いろいろな経過がありましたけれども、結局のところ、私は基本的には順調にスタートしていると思っているんです。あれだけの厳しい高齢者の一割負担、高齢者から保険料をいただくという、社会保障制度とすれば全くこれまでと違うような高齢者に応分の負担を求める制度が既にスタートしているわけです。それはいろんな問題点が出てきていますよ。いろんな不満も出てきています。だけれども、基本的にはこの制度がスタートして半年、保険料の徴収も既に始まって、国民からは大反乱も大暴動も起きていないわけです。そのぐらい国民はある意味で今はクールになっていると思うんですね。だから、問題は、今国民に示さなければならないのは安心だと思うんです。
 そこで、私はきょう資料を配らせていただきました。実は資料を配らせていただいた1は去る通常国会の年金審議のときにも出しましたので、そのとき委員だった皆さんにはまたこれかとお笑いかもしれませんが、これは朝日新聞の三月三十日号に出た小島功さんの漫画です。(資料を示す)
 五年ごとに年金の支給開始年齢は延長され、給付水準は下げられ、その理由が、これ以上負担をふやさないために、特に若い世代の負担をふやさないためにということで、五年ごとにそうやってこられた。結局、今度の年金もまた変わるだろう、追いつけないバスだ、我々は結局乗れないんじゃないか、こういう不安があるわけですね。
 ちょうど今、年金週間ですね。十一月六日から十二日まで年金週間。厚生省、社会保険庁で新聞にこういう一面広告を出していますね。(資料を示す)この中身も、保険料を納めてもらえればちゃんと老後こういう安心が得られますよということは、はっきり言ってここからは伝わってこないんです。年金はありがたいものですよ、年金を納めてくださいよということしか書いていない。保険料を納めてくださいよということしか書いていない。
 国民は、人によって価値観あるいは考え方は違うでしょうけれども、年金の額を示されれば、ああ、これだけか、これだけだったらちょっとためなきゃならないなと思う人もいるでしょうし、ああ、これだけもらえるんだったら安心して老後を暮らせるなという人もいるかもしれない。問題は、幾らもらえるかということが確かであることが大事なんですよ。今、日本の社会保障に求められているのはそれじゃないですか。医療だってそうじゃないですか。自己負担はどんどん際限なく上がる、一体どこまで上がるんだろうと、この心配なんですね。だから、例えば自己負担は二割でとめですよ、あるいは将来三割ですけれども三割以上には上げませんよとか、実は一番大事なのはそこのところだと思うんです。
 その安心が伝わらない。この報告書は負担をしてもらいますよということだけを言っている。安心が伝わりますか、大臣。どうでしょう。

発言情報

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発言者: 今井澄

speaker_id: 9960

日付: 2000-11-09

院: 参議院

会議名: 国民福祉委員会