今井澄の発言 (国民福祉委員会)
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○今井澄君 この検診の問題は、私はなかなか難しい問題だと思うんです。
私も実はB型肝炎に医者の時代取り組んできた経験があります。自慢話もなんですけれども、長野県でB型肝炎の母子感染防御第一例は、私が信州大学の先生や東京都の臨床研の先生方とチームを組んでやった例であります。こちらとしてはよかれと思ってやるんですが、検査をして、その妊婦さんが、その例は妊婦さんじゃなかったんですが、奥さんがB型のウイルスを持っている、したがってもし赤ちゃんが生まれるときにはこういうふうに注射をすれば防げますよというような話をしたところが、離婚になっちゃったなんという例もあるんです。
だから、そういうこともありまして、まだ肝炎に対しても非常に差別があったり、そういうことがありますし、また本人にとっても確実に治るという方法がないと不安が出るということがありますから、私はこれはかなり教育、宣伝をあわせてやらなきゃいけないと思うんですね。そういう意味では、今まだまだ国民に対する教育、宣伝というのが極めて不十分だと思うんです、この肝炎について。
しかし、今の時代は、知らせたら差別が起こるとか、不安を拡大するから知らせないという時代ではもうなくなってきたわけです、情報公開の時代で。むしろ、そういう中で、差別をなくし、また強い患者さんにも育っていただかないといい治療もできない、共同した治療もできないということがありますから、私は検診をやる際にあわせてきっちりした広報宣伝活動をやってもらいたいと思います。
肝臓財団という財団があります。ですから、そういうところを使うのもなんでしょうし、専門の先生方に宣伝してもらう。あるいは、私なども医者時代は肝臓病の話ということで地域に出かけていって、一生懸命誤解を解くような話をしたりしました。そういう現場で保健婦さんとかお医者さんとかにやってもらう、市町村の皆さんにも協力をしてもらう、医療機関にも協力してもらうと同時に、もう一つはやっぱり患者団体、これを重視すべきだと思うんです。自分たちが抱えている問題なんです。これを一生懸命頑張ってやろうとしているんです。
例えば、つい最近も全国断酒連合会の全国大会というのが福岡であって、私も行ってきたんですが、断酒会の皆さん方も、酒をやめようという活動から、今、自分たちで青少年を中心に酒の害について宣伝する活動を始めているんです。おかげさまで厚生省から予算をいただきまして、中高生向けのアルコールの害のパンフレットを患者団体がつくって、地域で、そんなに酒を飲むとおじさんみたいになっちゃうよというふうな苦労話をしながらやっている。
今、NPOの時代だと言われていますけれども、実はこれは非常に大事なことなんで、ぜひ患者団体というものを、これまで何か面倒くさい要求ばかりするとか、どうもそういうふうに扱ってきた嫌いがあると思うんですけれども、仲間としてぜひ一緒にこの問題に取り組むという姿勢をお願いしたいと思っております。
あと一、二分、済みません。
それで、もう一つ、実はC型肝炎がなぜ広がったか。この前のときもちょっと申し上げましたが、一つは、戦後の混乱期にヒロポンとかああいう覚せい剤をみんなで回し打ちしたりした。そういうところで広がったというのが一つのルートというか、時期でした。それから二番目が、ライシャワー・アメリカ駐日大使が刺されて、その後輸血をして黄疸になったというので有名になって、それで売血だったのが献血に急遽そこで取り組まれましたけれども、いわゆる売血の中にそういう、その後献血になってももちろんなくなったわけではありませんけれども、そういう輸血後肝炎というのが一つのルートでありました。
もう一つは、先ほどもちょっと言いましたが、ある町に非常に感染力の強いC型肝炎のウイルスを持った人がいた。その人が患者さんである医療機関にかかった。そうすると、昔は針をかえないで次の人に注射したり、針をかえても注射器はかえないで注射したり、静脈注射なんというときは一たん血液を吸い込むわけですから、それで血液に入っていることを確認してからやるわけですから、その患者さんの血液を吸い込んだ注射器で次の人に回し打ちをしたり、そういうことがあったり、いまだに人工透析などで起こっていることがあります。医療が原因で起こっている。そういうルートがあるわけです。
特に血液、輸血で起こっていることについては、これは検査の問題もあります。厚生省も努力していると思うんですが、やはり日本は売血から献血に移るのがおくれたんですね。あれで駐日アメリカ大使のライシャワーさんが輸血後肝炎にならなかったらもっと、五年も十年もおくれたんじゃないだろうか。やはりこれは日本の行政の姿勢の問題があると思うんですけれども、その辺についての反省はあるのかないのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
最後に、大臣でも政務次官でも結構ですが、これらのことについての御感想をお聞かせいただいて、その取り組みの御決意をお聞きして、質問を終わりたいと思います。