武見敬三の発言 (国民福祉委員会)
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○武見敬三君 それぞれ参考人の皆さん方から大変貴重な御意見をちょうだいしたわけでありますけれども、時間も十分と限られておりますので、糸氏参考人に二問御質問させていただきたいと思います。
恐らく、ここにいらっしゃるだれもが、我が国における皆保険制度というものは二十一世紀においてもきちんと堅持すべきものというふうに考えておられると思います。保険証一枚あれば、どこでもだれでも、そしていつでも医療機関で治療が受けられるという、この医療機関に対するアクセスの保障という点で、我が国の医療保険制度というのはもう世界でも最もすぐれた制度であって、その機能は確実にこれから持続可能な医療保険制度を創設していく上においても確保しなければならない、プライオリティーとしては最も恐らく高いものであろうと思います。
また、そうした皆保険制度というものを維持する基本理念というのを私は二つ指摘できると思うんですね。
一つは、やはり国民の社会的連帯意識です。他人の病気であっても、やはりお互いに助け合おうという意識がありませんと、社会的な連帯意識としてこういう医療保険制度というものを維持する基盤というものはできないからであります。多民族国家で個人主義の米国などで皆保険制度を導入しようとするときに、どうしても大きな障害として常に背景にあるのが、こうした他人の病気については自分とは関係ないと考える個人主義というものがあるというふうに言われているわけで、我が国におけるこうした社会的な連帯意識というのは、私は我が国における極めて重要な国益だろうと思っております。
〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
また、他方で、もう一つ新たに指摘しておかなければならないポイントというのは、私は、国民一人一人が自分の健康は自分で守ろうとする自律意識だと思っております。特に、これから生活習慣病といったようなものにいかに対処するかということを考えたときに、病気になってからの治療というものも重要でありますけれども、さらに、病気になる前の予防というものをいかにこれから充実していくのかということが指摘されてくるようになりました。
しかし、その場合に、実際のところ、こうした国民一人一人が健康を自分できちんと守ろうとする自律意識がありませんと、いかに予防医学的サービスを今後地域医療の枠組みの中で提供しようとしても、それが十分に機能しない。したがって、そうしたやはり自律意識というものがありませんと、未来志向の医療保険制度創設という観点から、これが機能しないということが想定されることになります。
そこで、こうした社会的連帯意識と自律意識というその二つが、ともに持続可能な医療保険制度というものを考えるときに重要だということを指摘させていただいた上で、特に自律意識に基づいて、予防医学的なサービスというのを今後地域医療の枠組みの中で提供していくときに、やはり医療保険制度の中に予防給付というものをより積極的に取り入れてくるということが確実に必要になってきているというふうに考えるわけでありますが、この点についての糸氏参考人の御意見を伺いたいというのが第一点。
第二点は、一部負担のあり方に関してであります。
ここで、医療と介護両方の財源構成を見たときに、二〇〇〇年では公費が三二%、事業主が二二%、家計が四六%、こういう枠組みになっていて、大変に家計の負担が高い。そして事業主の負担が低い。これは、欧米における保険構造を見ても我が国の事業主負担というのは低いのであります。
したがって、このいわばバランスというものを今後どのようなバランスに具体的にシフトさせていくことが適正と考えているのか。既に、二〇一五年の医療のグランドデザインの中でもさまざまなシミュレーションを行って具体例を提示されているというふうに伺っておりますので、その点についての御質問をさせていただきたいと思います。
以上です。