今井澄の発言 (国民福祉委員会)

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○今井澄君 前回、参考人質疑のときに、三上先生が京都からお越しになりました。私も、京都の堀川病院とか南病院とか地域医療をやる兄弟病院として何回も伺いました。非常に一方で肌のぬくもりのある医療をやっているんですね。例えば堀川病院なんか、西陣の通りは病院の廊下だということで地域の医療をやってきている。そういうことをやる一方で、非常に高度な医療もやりながら、きちっと指導医をつけて医者を育てているんです。
 それから、朝日新聞にもつい最近出ておりましたが、舞鶴市民病院、ここは外国から臨床研修の指導医を招いてやっているんです、小さな病院、一市民病院でありながら。その体制をつくった院長は、その後、島根県立中央病院の院長になり、今、高知県の県立病院と高知市立病院が合併になった病院の院長になって行っています瀬戸山さんという、うちの朝日議員の同級生なんですけれども、その人が舞鶴市民病院の院長をやっているときに私も行きました。やっぱり小さな病院でも、日本海側のあの町の病院でもできるんだと。
 かく言う私も、行ったとき六十六床、非常に小さな病院でした。本当に内科と外科しかなかった。その中でいろいろやりながら、私は恥ずかしながら大学では麻酔を半年、週三回ずつやったぐらいで、そういう大学とか大きな病院で研修は受けませんでした。しかし、うちの病院でも一生懸命若い医師を育ててきました。そういうところは臨床研修病院の現在の指定基準には全然合いません。合わないけれどもやっているんですね。
 ちょっと恥ずかしながら、ここに水野肇先生の書かれた「名医ここにあり」という本があります。十年余り前に出た本なんです。この中には若月先生、それから日本医師会の現在の会長の坪井先生がありますが、十人目に実は私も取り上げられているんです。私は、決して腕のいい医者として名医だとは思っておりませんが、腕は悪い方ではもちろんないと思っていますが、やはりそれなりに地域で地域の皆さんに信頼される医療をやって、こういう本にも取り上げられるぐらいのことをやる人間は、何も大学や臨床研修指定病院で研修しなくてもそれなりの医者になれるんですよ。そういうところを排除するような指定基準になったら、私は全くこれは国民に対する裏切りだと思うんです。
 きょう、資料の三枚目につけました奈良県立医大の前病院長の収賄の問題、これはある意味で氷山の一角だと思うんですよ。確かに、大学から医師を派遣してそのお礼にお金をもらう、それを個人のポケットに入れている人は今は少なくなっているかもしれない。だからこういう悪らつな人が、大学教授が摘発されたわけです。だけど、個人でもらわなくても大学の医局というところ、教室というところに医者の足りない病院が医者を派遣してもらうお礼にお金を納めている例はもう枚挙にいとまがないわけです。
 北海道なんか行ってみたら、まず北海道ではほとんどの病院が大学の医局にお金を納めて医師を派遣してもらっていると思うんです。私は、ここに日本の医療がある意味では腐敗している根本があると思います。大学の医局が人事権を持つ、そして医師を派遣することの見返りにこういうことをやったり、本当に地域に目を向けた医者がなかなか地域の病院で働けない、そういうものをつくっている。
 だから、もし今度の臨床研修指定病院の義務化がそういう大学医局による人事支配に手をかすようなことになったら、これは犯罪だと思うんですよ。絶対にそういうことのないように、大学というのはむしろ臨床研修には不適格だということ、そういう認識でやっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

発言情報

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発言者: 今井澄

speaker_id: 9960

日付: 2000-11-28

院: 参議院

会議名: 国民福祉委員会