国民福祉委員会

2000-11-28 参議院 全218発言

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会議録情報#0
平成十二年十一月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任   
     小宮山洋子君     本岡 昭次君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任   
     本岡 昭次君     小宮山洋子君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任   
     小宮山洋子君     小林  元君
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任   
     小林  元君     小宮山洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中島 眞人君
    理 事
                亀谷 博昭君
                田浦  直君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                小池  晃君
    委 員
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                狩野  安君
                武見 敬三君
                南野知惠子君
                今井  澄君
                小林  元君
                堀  利和君
                松崎 俊久君
                山本  保君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生大臣     津島 雄二君
   政務次官
       厚生政務次官   福島  豊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   政府参考人
       大蔵大臣官房審
       議官       竹内  洋君
       文部省体育局長  遠藤純一郎君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  今田 寛睦君
       厚生省健康政策
       局長       伊藤 雅治君
       厚生省保健医療
       局長       篠崎 英夫君
       厚生省保健医療
       局国立病院部長  河村 博江君
       厚生省医薬安全
       局長       丸田 和夫君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       厚生省児童家庭
       局長       真野  章君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       社会保険庁運営
       部長       小島比登志君
       自治省行政局公
       務員部長     木寺  久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
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中島眞人#1
○委員長(中島眞人君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、小宮山洋子君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。
    ─────────────
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中島眞人#2
○委員長(中島眞人君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に大蔵大臣官房審議官竹内洋君、文部省体育局長遠藤純一郎君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、厚生省保健医療局長篠崎英夫君、厚生省保健医療局国立病院部長河村博江君、厚生省医薬安全局長丸田和夫君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君、厚生省児童家庭局長真野章君、厚生省保険局長近藤純五郎君、厚生省年金局長矢野朝水君、社会保険庁運営部長小島比登志君及び自治省行政局公務員部長木寺久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中島眞人#3
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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中島眞人#4
○委員長(中島眞人君) 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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今井澄#5
○今井澄君 おはようございます。民主党・新緑風会の今井澄でございます。
 これから質疑をさせていただきますが、どうも私も非常に恥ずかしいことにちょっと風邪を引いてしまいまして、昔だと風邪を引くなんてめったになかったんですが、やはり年をとってきますと健康に気をつけなければならないなと痛感しております。こんな風邪を引きながら余り偉そうな質問もできないかもしれませんが、我が身を反省しつつ質問させていただきたいと思います。
 私は、きょうは主としてこの間の議論で出てまいりました二〇〇二年度、平成十四年度までには抜本改革の案を出すというその中身の高齢者医療制度の問題を中心にやりたいと思うんですが、そのほかに幾つか質疑をさせていただきたいことがございまして、時間が七十五分ということなのでどういうことになりますか、老人医療制度の議論だけをやっていますとそれだけでも二時間、三時間必要になりそうなので、最初に幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、医師の研修制度のことなんですが、後ほど同僚の松崎議員の方からも質疑をすると思いますので、私はその一部をさせていただきたいと思います。
 やはり、人の命にあずかるわけですし、関係してくるわけですし、また人の心の問題にも大変大きくかかわるということで、医師が大学で授業を受ける、実習をする、国家試験を通る、それだけで一人前の医師になるとはだれも思っておりませんし、研修は当然必要だろうと。現に九割近くの方が研修指定病院というところで研修を受けているということですが、あえてここで義務化をするということは、私はそれはそれで必要なことなんだろうと思うんです。
 しかし、問題は、私も実は昭和四十三年に卒業予定が四十五年に延びました。二年間延びた理由は、インターン廃止闘争からそれに引き続く大学闘争で延びたわけですが、このインターン制度がなぜ廃止されたのかということをきっちり踏まえないと、ただ研修を義務化すればいいという問題ではないと思うんですね。
 インターン制度、戦後アメリカから導入されたこの制度は、制度としては非常にいいものだったと思うんです、その趣旨としては。卒業しても二年間の臨床研修をしなければ医師国家試験を受けさせないと。医師国家試験を受けて免許を取るということは医師として一人前ということですから、それはそれでよかったんですが、私どもは一貫してインターン制度の三悪、三つの欠点ということを申し上げてきました。
 それは、一つは、臨床研修といいながら実は指導医がいない、指導体制がない、指導カリキュラムもない。それから、研修医という名のもとで、医者ではないですからただ働き同然で経済的保障がない。それからもう一つは、身分保障がないということ、こういうことを申し上げてきたわけです。例えば定期券一つ買うにしても、学生定期も買えなければ通勤定期も買えないという状況、それに対して、改善要求がどうにもならないので廃止ということでやってきたわけです。
 今この義務化をするに当たって、ではかつてインターン制度が廃止されたその原因になったようなことが根本的に解決されるのかどうかということですが、きょう資料としてお配りいたしました資料三、四を見ていただきたいと思います。つい最近の新聞に載ったものであります。
 資料の三についてまずお尋ねいたしますが、私は、研修を義務化するということは、卒業後二年間程度は、まだ未熟な医師であるということで当然指導医がいなければ診療行為ができないものだというふうに考えるわけです。したがって、単独で診療することはこれは禁止されるべきだと思うんです。
 例えば、その単独診療の一番いい例がアルバイトです。私どもも、インターン制度を廃止されてもすぐ正式の職員にはなかなか採用されない。研修をしながら生活保障のためにアルバイトに通うわけですね。今でも、例えば私立大学の一番低いところでは月二万五千円だそうです。これが三カ月ごとにまとめて一度に支払われる。こういうことでは当然生活ができないわけですから、バイトに行くわけです。普通に行って診察や何かのバイトをする場合に、相場が今都内では時給一万円だそうです。それから夜の泊まり、当直などは五万から六万、もちろん土、日など続けて泊まるときには十何万もらう人もあるようですが、そうやって稼ぎながらやっているわけですから、当然バイト先では指導医なんかいないわけです。
 こういうことは禁止されるべきだと思いますが、どうですか、大臣。
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福島豊#6
○政務次官(福島豊君) 臨床研修中にアルバイトをするようなことについてはいかがかという御指摘だというふうに思います。
 今回、私どもの医療法等の改正、そしてまた医師法等の改正に当たりまして、臨床研修というものにつきましては、医師の資質の向上を図るという目的のために研修に専念をすることが必要である、それが原則として置かれているわけでございます。具体的には「臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。」というふうに法律上に規定されている。したがって、この法律上に規定された趣旨に沿って臨床研修というものが行われる必要があるというふうに思います。
 研修中にアルバイトをするというようなことは、専念という観点からいうとこの趣旨に沿ったものではないというふうに思いますし、そして研修内容、研修修了の認定方法なども、この専念義務に沿った形で具体的に検討を進め、定められる必要があるというふうに考えております。
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今井澄#7
○今井澄君 バイトについては当然のことだと思うんですが、例えば研修指定病院にいても、多くの場合、一日に二回くらいしか指導医の上の先生が一緒にいてくれない、教えてくれない、こういう声をよく聞くんですね。したがって、これは指導医の体制というのをきちっとつけないと、何も二十四時間べったりとは言いませんけれども、そういう意味でも財政措置も必要だと思うんですけれども、そういうバイトだけではなく研修指定病院における研修においても、やはり一日二回とか三回とか、そんな程度ではなくて、もっときっちり指導医のもとでやるべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
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福島豊#8
○政務次官(福島豊君) 臨床研修におきまして指導医が適切に指導する体制を構築するということは極めて大切なことだと思います。一日二回というような御指摘ございましたけれども、何回という規定ではなくて、必要な事柄に対して必要な指導がなされるというような体制を構築していくべきだと、そのように考えております。
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今井澄#9
○今井澄君 私は、やっぱりこの単独診療の禁止ということは何らかの形で、義務化に伴ってこれを法律に書くということはなかなか難しいんだろうと思いますね。医師免許を与える以上、法的な整合性があると思いますが、これは省令なりあるいは通知なり、何らかの形でぜひやっていただきたいということを要望しておきます。
 さて、もう一つ、臨床研修の場でありますけれども、前回の質疑でも私申しましたが、日本の医療行政、厚生行政というのは、どうも外から見た形、大きさ、数、そういうものにとらわれているものが非常に多い。例えば、ベッドの数が多いからいい病院だとか質が高い病院だみたいなことですね。私は、これはそろそろ脱却する必要があると思うんです。
 これは松崎委員の質問の中にも出てきましたけれども、日本で五百床なんというのはかなりの大病院だと思われていたって、平均在院日数が長いわけですから、平均在院日数を外国並みにすれば、外国でいえば二百床ぐらいの病院にしか当たらない病院だってあるわけですよ。病床数の大きさが問題ではなくて、質だと思うんです。
 その際、今の臨床研修指定病院の指定の仕方は、病床数から始まって、眼科とか耳鼻科とかいう科にも指導医が二名いなきゃならないとか、剖検率も非常に高いとか、これは非常に現実の臨床とは離れた要件が強過ぎると思います。そういう要件が強過ぎるために、大学で研修する、大学が研修指定病院の中心になっちゃう、みんな大学に行かざるを得ない。それは、研修だけではなくて、一つは将来の就職のことを考えて、今の若いお医者さんたちも寄らば大樹の陰で大学に行くという悪いところがありますが。
 しかし、大学病院の医療レベルがどうかというのをこの前の参考人質疑でお聞きしたときに、三人の参考人が口をそろえて日本の大学病院の臨床レベルは国際的に見て低いと言われた。事実、臨床レベルは私は高くないと思いますね。それだけではありません。大学病院では診断のついた患者しか診れないとか、ごく普通の患者が診れないという医師の研修にとっては基本的な欠点があるわけですよ。それが、今何と約八割が大学病院で研修しているそうです。しかも、大学病院で研修するときには、縦割りが多いですから、幾つかの科を満遍なく研修するという理想的な研修形態にならない。縦割りの中で閉じられたことになるおそれがあるわけです。
 そういう意味では、臨床研修病院の指定の要件を根本から見直さない限り実を上げることはできないと私は思います。その点、どうお考えでしょうか。
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福島豊#10
○政務次官(福島豊君) 臨床研修病院の指定ということにつきまして、現在までの議論でどうなっているかということでございますけれども、医療関係者審議会での議論では、現行の臨床研修病院の指定基準については、研修指導体制を含む新たな基準を示すというふうにされておりまして、この改正案が成立いたしましたら、関係者の意見も伺いながら、そしてまた、今、先生御指摘がありますように、質を高めるためには抜本的な検討ということが必要であるという御指摘であったかと思いますけれども、その先生の御指摘も含めて検討を進めてまいりたいと思います。
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今井澄#11
○今井澄君 前回、参考人質疑のときに、三上先生が京都からお越しになりました。私も、京都の堀川病院とか南病院とか地域医療をやる兄弟病院として何回も伺いました。非常に一方で肌のぬくもりのある医療をやっているんですね。例えば堀川病院なんか、西陣の通りは病院の廊下だということで地域の医療をやってきている。そういうことをやる一方で、非常に高度な医療もやりながら、きちっと指導医をつけて医者を育てているんです。
 それから、朝日新聞にもつい最近出ておりましたが、舞鶴市民病院、ここは外国から臨床研修の指導医を招いてやっているんです、小さな病院、一市民病院でありながら。その体制をつくった院長は、その後、島根県立中央病院の院長になり、今、高知県の県立病院と高知市立病院が合併になった病院の院長になって行っています瀬戸山さんという、うちの朝日議員の同級生なんですけれども、その人が舞鶴市民病院の院長をやっているときに私も行きました。やっぱり小さな病院でも、日本海側のあの町の病院でもできるんだと。
 かく言う私も、行ったとき六十六床、非常に小さな病院でした。本当に内科と外科しかなかった。その中でいろいろやりながら、私は恥ずかしながら大学では麻酔を半年、週三回ずつやったぐらいで、そういう大学とか大きな病院で研修は受けませんでした。しかし、うちの病院でも一生懸命若い医師を育ててきました。そういうところは臨床研修病院の現在の指定基準には全然合いません。合わないけれどもやっているんですね。
 ちょっと恥ずかしながら、ここに水野肇先生の書かれた「名医ここにあり」という本があります。十年余り前に出た本なんです。この中には若月先生、それから日本医師会の現在の会長の坪井先生がありますが、十人目に実は私も取り上げられているんです。私は、決して腕のいい医者として名医だとは思っておりませんが、腕は悪い方ではもちろんないと思っていますが、やはりそれなりに地域で地域の皆さんに信頼される医療をやって、こういう本にも取り上げられるぐらいのことをやる人間は、何も大学や臨床研修指定病院で研修しなくてもそれなりの医者になれるんですよ。そういうところを排除するような指定基準になったら、私は全くこれは国民に対する裏切りだと思うんです。
 きょう、資料の三枚目につけました奈良県立医大の前病院長の収賄の問題、これはある意味で氷山の一角だと思うんですよ。確かに、大学から医師を派遣してそのお礼にお金をもらう、それを個人のポケットに入れている人は今は少なくなっているかもしれない。だからこういう悪らつな人が、大学教授が摘発されたわけです。だけど、個人でもらわなくても大学の医局というところ、教室というところに医者の足りない病院が医者を派遣してもらうお礼にお金を納めている例はもう枚挙にいとまがないわけです。
 北海道なんか行ってみたら、まず北海道ではほとんどの病院が大学の医局にお金を納めて医師を派遣してもらっていると思うんです。私は、ここに日本の医療がある意味では腐敗している根本があると思います。大学の医局が人事権を持つ、そして医師を派遣することの見返りにこういうことをやったり、本当に地域に目を向けた医者がなかなか地域の病院で働けない、そういうものをつくっている。
 だから、もし今度の臨床研修指定病院の義務化がそういう大学医局による人事支配に手をかすようなことになったら、これは犯罪だと思うんですよ。絶対にそういうことのないように、大学というのはむしろ臨床研修には不適格だということ、そういう認識でやっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
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福島豊#12
○政務次官(福島豊君) 臨床研修におきまして、さまざまな科目の研修ということも同時に必要になるわけでございます。そしてまた、委員もよく御存じだと思いますけれども、例えば剖検のような病理的な側面での研修ということも当然必要だというふうに思います。これは今後の議論にまつわけでございますけれども、大学病院というのはそうした総合性を持っている医療機関として、直ちにそれを除外するという意見にはなかなか私は賛成ですというふうに申し上げるわけにはまいりません。
 ただ、委員御指摘のように、奈良県立医大の事件ございましたけれども、まことに遺憾な事件であるというふうに私も思っております。臨床研修制度の新たな再構築に当たりまして、先生が御指摘いただきましたような点も含めて検討を進め、よりよい制度というものにしていきたいというふうに考えております。
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今井澄#13
○今井澄君 そこで、それを検討する審議会ですけれども、現在は医療関係者審議会の中の医師臨床研修部会でやっておられるとお聞きします。今後、省庁再編に伴って審議会の再編が行われまして、新たに臨床研修の条件等、あり方を議論する何らかの会ができるんだと思いますが、医師臨床研修部会の名簿を拝見させていただきますと、これはもう立派なそうそうたるメンバーなんですね。千葉大学の学長だとか、それから日本医師会の会長とか、ちょっと立派過ぎると思うんですよ。もっとやっぱり現実に若い医師の指導のことがわかる、そういう方たちの作業部会なりなんなりをぜひつくっていただきたいと思うんです。
 そうすると、この前参考人で来られた三上先生ですとか、それから舞鶴市民病院の院長先生ですとか、あるいはさっき言いました高知で今やっておられる瀬戸山先生とか、本当に苦労して現場で、大学でも大病院でもないところで医師をきちっと教育しながらやってきている、そういう先生も加えたような部会をぜひつくっていただきたいということを希望して、私のこの問題についての質問は終わりたいと思います。
 あと幾つかあるんですが、早速本題に取りかかる、本題と申しますか今のも大事な本題ですが、医療保険制度よりも医療関係者、いい医師、看護婦が出てこない限りいい医療にならないわけですから大事なんですが、抜本改革の中の柱となっている高齢者医療制度についてお尋ねをしていきたいと思います。
 資料の一を見ていただきたいと思います。資料の一は、実は厚生省にお願いして今出ている案と現状の案を全部まとめたわかりやすいものをつくっていただいて、それを私が手を加えた図なんですけれども、これはなくすべきだと言われているのは、一番下の現行の老人保健制度です。
 今、国保と被用者保険、被用者保険には当然ながら健保組合もあれば政管健保もあるし、国家公務員・地方公務員共済等いろいろあるわけですけれども、それを一まとめにしてサラリーマンの保険と。それで横軸は、これは人口と考えていいと思います。縦軸が年齢です。そうすると国保の方は、上へ行くほど広がっているということは、要するに高齢者の加入比率が高いということですね。被用者の方は上へ行くほど狭まっている。ある程度、六十歳から、退職をした後は国保の方に引き取るけれども、それには拠出金、分担金ですか拠出金という形で被用者保険の方からお金が入っている退職者医療制度というのがそこにぶら下がるような形であるわけです。
 全体としてこれは、昭和四十八年があれですから、五十八年からこの老人保健制度というのができたわけです。それは、無料を有料にする、自己負担を払っていただくようにするけれども、この人たちの医療はこういうまとめた制度にしようと。もう一つ、老人保健制度というのはこれだけではなく医療以外の保健事業というのがあって、訪問指導だとか訪問リハビリだとか健康診査だとか健康相談だとか、こういう事業があるわけですね。
 ただ、要するに金の問題としては七十歳以上を一まとめにして、一応管理者は市町村、国保ですから、国保の方におっかぶせる。おっかぶせると言ったらおかしいですけれども、ということで市町村に責任を持ってもらうという、形の上ではそうなっていますが、番人のない医師のお財布をつくりまして、そこから老人医療費を払う。その使った分をみんなで、国保、被用者保険から拠出金ということで出す、こういう制度になっているわけです。
 上の図との対比でいえば、実はこれは制度としてはそういうことですので、国保があり被用者保険がある上で、七十歳のところで上を老人保健制度という枠で囲ってありますが、実はお金の流れから見ると七十のところではっきり溝をつくった方がいいと思うんですね。二重線で書いて溝をつくって、言ってみれば左の一番の上のA案のような形で、ここが七十歳になっているというのが現在の老人保健制度と考えていいと私は思っています。
 ところで、今出ている案を大きく分ければ四案あると思うんです。A案がいわゆる独立型、B案がいわゆる突き抜け型、C案が年齢リスク構造調整型、D案が一本化案ということなんですが、私はこの前も質疑の最後で申し上げましたが、公費負担をふやそうよということで何か三方一両損みたいな形でA案に今まとまる動きがあるのは非常に危険だということを申し上げて、前回の質疑を終わりました。
 そこで大臣にお尋ねしたいんですが、このA案、七十五歳から独立した制度をつくる、しかもこのA案の原案は五%を自己負担いただく、そして残りの九五のうちの五%は保険料を七十五歳以上の人からも納めてもらう、結局九割は公費で入れようという、こういう案です。財源構成はともかく、この七十五歳の案は現行の老人保健制度と形の上でそっくりだし、これはどこが違うのかわからないんですが、大臣、これはほとんど同じようなものだとお思いになりませんか。
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津島雄二#14
○国務大臣(津島雄二君) ちょうど老人保健制度を国会に提案いたしましたときに私は厚生政務次官でございました。今、今井委員が分析をされたような事情であったと思います。
 印象的に申し上げますと、最初のころは下に書いてあるようにくっついているような感じのイメージで始めたんですが、だんだん今の上のA案のように分けてきたというのが実態だと思います。
 こうして見た場合に、独立制度というものは一体今の制度とどこが違うかといいますと、結論を先に言いますと、私は委員のおっしゃるとおりだと思うんです。基本的には同じ問題が同じように出てくると思うんです。
 ただ、理屈としてはいろいろございますね。独立保険方式は、高齢者と若年者の医療内容やリスクの相違に着目して、若年者とは別に高齢者のみを対象とした新たな高齢者医療保険を設け、財政責任の明確化を図る云々と、こういうこと。理屈はこうなのでございますけれども、現実にやろうとなれば、今おっしゃった九割を公費で賄うとなれば、例えば膨大な財源、一兆六千億ぐらいと言われておりますが、それをどう確保するかというまず目前の問題がございますと同時に、結局は今我々が抱えている問題が全部顕在化する、これをやろうとしたら。同じなんですね。おまけに、この独立保険方式を地方公共団体が保険者としてやるとなると、これは一体どこが違うんですかと、今の国保の市町村が抱えている問題が同じように出てくるだけではないかということでございます。
 ねらいという意味ではわからないではないんですけれども、御指摘のような点を含めた問題がございまして、実務的にはなかなか難しいというのが私の考え方、印象でございます。
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今井澄#15
○今井澄君 大臣、本当にありがとうございました。そのとおりだと思うんです。これは常識で考えてどうも全然、決して新しい案ではないと思うんです。
 そこで、こういう制度にすると幾つかの非常に大きな疑問が出てくるんです。
 原案のように九割を公費ということになりますと、公費丸抱えなんですよね。公費丸抱えがいいか悪いかということはいろいろ議論があります。一つは、今のようにお年寄りの医療をどんどん御自由に行ってください、薬でも検査でもどんどんということになれば、公費がどんどん膨れていって国の財政の圧迫になる。逆に、公費でやるものですから締めやすい面もあるわけです。予算がこれしかないと言えばもうそれ。そうすればお年寄りが、人によって随分医療の受け方が違うようですけれども、非常に制限診療を受ける、こういう問題も出てくるように思います。
 さて、そこでもう一つ大変不思議なことは、今お年寄りの自己負担は平均すると七、八%でしょうか。今度定率一割負担、しかし上限つきというのが入って、そんなに変わらないということなんですが、高齢者医療制度、五%でもあるいは一割でもそれはいろいろバリエーションもあるんでしょう、このA案、あり得ると思うんですが、ちょっと気になりますのは七十五歳なんですね。
 今、七十歳から老人保健制度で定額負担、あるいは今後定率負担になっても七、八%の負担で済んでいる。そうすると、七十歳から七十四歳十一カ月何日でしょうか、そこまでの人は、この五歳階級の人たちは、このA案でいきますと、国保だったら三割負担、被用者保険だったら二割負担になるわけですね。これは大変な負担増なわけです。今、高齢者の一割定率負担だけでもこれだけもめているわけですよ。随分反対の意見も来ます。しかし、私ども民主党としては、原則定率一割負担はしようがないと、ただ低所得者対策はしっかりやりましょうということで、その点は今度の改正案に反対ではないんですけれども、むしろ積極的に評価するんですけれども、それをいきなりこのA案に持っていくと、七十歳から七十四歳というのは実はまだまだ元気で、しかも医療費が最もかかる世代なんじゃないでしょうかね。その人たちから二割ないし三割負担をしてもらう、こういうことになりかねないと思うんですが、これは大臣あるいは保険局長さんでも結構ですが、いかがでしょうか。
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津島雄二#16
○国務大臣(津島雄二君) 詳細は保険局長から補足をしてもらいますけれども、A案のように高齢者医療制度をこういうふうに分けるというのは考え方としてはわからないではないところはございます。高齢者というものの特性に着目して、それに対してどのように医療保険制度が対応するかという、ねらいはわかる。しかし、現実には、先ほど申し上げましたように、今我々が抱えておるあらゆる問題を解決しないと結論が得られないという意味では、このこと自体が解決策にはならないと。
 まずそれを申し上げた上で、しからば今の分けて考えるねらいから見て七十がいいのか七十五がいいのか、あるいは一部には六十五から高齢者だよという説もございますが、少なくとも言えることは、いわゆる高齢者人口がふえている中で、今でも大変なのに七十を六十五に下げるというのはこれはまあ議論してみるだけであろうと。しからば七十五にすればどうかということについては、これはなかなかいろいろな論点がございまして、結局は最終決着をどうするかということとかかわりなしに年齢のことだけで結論するのは私は難しいと。例えば、公費の役割をどうするか、その公費をどのぐらい確保できるかというようなレベルまで議論しないと結論は出ないというのが私の感じでございますけれども、局長、何か補足すべき点があったら。
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近藤純五郎#17
○政府参考人(近藤純五郎君) A案というのが提案されたときに、確かに七十歳から七十五歳をどうするのかというのが一つの論点であったわけでございまして、恐らくこれを仕組むときには、経過措置は当然置くだろうと思いますし、それから低所得者については特別の配慮という形で二割なり三割を導入すると、こういうことになるんではないかと思いますけれども、実際問題なかなかこの問題は難しい問題だというふうに考えております。
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今井澄#18
○今井澄君 そうなんですね。私は、この七十五歳で、確かに引き下げるというのはなかなか難しいのかもしれませんが、引き上げるといかにも何かあれのようでよさそうに見えますけれども、これは難しい問題だと思うんですよ。経過措置で、だけど将来は七十歳代前半は二割ないし三割の負担ですよと、これは通らないと思いますね。
 というのは、負担の関係を考えるときに、やっぱり所得との関係、あるいは資産の問題まで行くともっと複雑になりますが、少なくとも所得との関係で年齢を区切るんだったら区切らなきゃいけないと思うんです。今、年金が六十、これが六十五、この移行期ですね。そうしますと、年金がもらえるのが六十ないし六十五というところを、いきなりそれとさらに関係なく七十五に上げるということ自身、そしてそこで負担を二割、三割求めるということは非常に難しい、おかしな案だと思います。
 もし、一方、高い年齢の方で、高い年齢の人たちは所得も十分じゃない、例えば年金も十分じゃないというんだとすれば、一つの区切りとして八十五歳というのはあるかもしれません。それは、いわゆる老齢福祉年金受給者、今八十五歳、もうそろそろ八十六歳ですかね、国民皆年金が導入されたときに、今さら保険料を払ってもらえる期間に達しない人たちはもう無拠出で年金はこれだけ差し上げましょうというので、今は月四万三千幾らですか、差し上げている老齢福祉年金がありますね。もし、その老齢福祉年金受給者は丸ごと税金で面倒を見ましょう、あるいは九割税金で面倒を見ましょうというんだったら、八十五歳で線を引いて、公費を九割入れます、あるいは八割入れますということはあり得るだろうと思うんです。そのかわり、これは年々一年ずつ繰り上がっていくわけですよ。いずれなくなる制度として仕組むというのなら私はわかるんです、この超高齢者医療制度。いかにも固定的に七十五歳で区切ってというのはどう考えてもおかしい。自己負担の問題が解決つかないと私は思うんです。
 何かお考えあったら、政務次官、もし何かあったら、いかがですか。
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津島雄二#19
○国務大臣(津島雄二君) 大体委員御指摘のようなところが私どもも同じように悩むところでございます。
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今井澄#20
○今井澄君 もう一つ、このA案の問題は、先ほども大臣がお答えになりましたが、保険者機能、保険者の問題というのは全然解決しないわけですよ。
 現に、今の老人保健制度は番人のいない穴のあいた財布ということで、だれもお金が出ていくことについて、管理人がいない、出ていき放題だと。そこに、出ていった分だけ皆さんからお金を集めるというものだから、特に健保組合を中心に不満が出てきて、こんな制度やめちまえ、たまらないと。けさの新聞を見ますと、ある新聞、トップ記事です。もう四百幾つの健保組合がこのままじゃやっていられないから解散だなんという話もあるぐらいです。
 そうすると、やっぱり、保険制度でやっていく以上、番人がいないといけないわけですよね。適切にお金が使われるようにという番人がいないといけない。そうすると、A案をつくった場合に、国一本でやればこれは番人がいないのと同じ、今の制度と同じ。都道府県に分権しても、新しい番人をどうやってつくるのか、だれに番をしてもらうのか、このことが問題だと思います。
 国民健康保険は市町村で、市町村レベルがいいかどうかわかりませんが、それなりに保険者機能を働かせているところもあるわけです。例えば、私も長野県の国保で仕事をさせていただきましたが、やっぱり保険者が一生懸命住民教育をしながら、医者にかからない運動などというのをやったり健康診断をやったりしながら、またレセプトのチェックも、再チェックもやるというようなこともやってきました。
 新たな機能をつくるということは非常に難しいと思うんで、保険者機能からいっても、こういう独立した制度をつくるということは老人医療費の適正化につながらないと思うんですけれども、その点、もう一度お答えをいただければ。
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津島雄二#21
○国務大臣(津島雄二君) 保険者の問題を考えますと、ますます問題が難しくなってまいります。
 国保についてはいろいろと御批判もあるし、また市町村の間では高齢者医療制度の負担が耐えられないという御意見もございますけれども、しかしそれなりに努力をしておられて成果を上げておられるところの方が多いと思います。そしてまた、地域の医療はこうあるべきである、それから地域全体でコストを支え合っていくという姿もわかりやすいんではないかと。そういう意味では、私は大事にしていかなければならないというふうに思っております。
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今井澄#22
○今井澄君 ありがとうございました。私も大体そういうふうに考えております。
 さて、そうしますと、D案というのがあるわけですね。これは主に国保連合会などから出されている案だと思いますが、何しろ今のままでも国保は高齢者、無職者を抱えて大変厳しい。一方で、若い働き手ばかりでやっている保険は有利に決まっている。ここには国民の中で保険料の負担にしろ、あるいは自己負担が二割、三割ということを含めても不公平がある。本当の公平という意味では健康保険制度を全部一本化あるいは一元化したらどうかという、これは昔から言われていたことですね。これは、ある意味で日本国民というものを一つの単位で見れば、確かに公平、公正という意味では理想的な案だとは思うんです。
 しかし、このD案というのは非常に難しい。また、難しいだけではなくて、必ずしも一本化するのがいいとは私は実は思っておりません。というのはどうしてかというと、この健康保険制度は非常に長い歴史があるわけで、現在幾つかに分立しているものを一挙にまとめようとしてもなかなか難しい。これは随分努力をしたけれども、いまだに先が見えていないというだけではなく、もし全国こういうふうに一本にしてしまいますと、見た絵は非常に簡単ですよね、四角一個ですから。非常にわかりやすい。
 だけれども、今ちょっと議論しました保険者機能、まさに現行保険財政、全国一本、職業にかかわらず年齢にかかわらず一本ということを一体だれが管理運営するのかということになると非常にむしろ難しい、そういうふうに思います。
 実は、医療保険制度あるいは医療経済、こういうものを適正化する上では、保険者機能の強化ということがキーワードの一つになっていると思います。それは、一つはアメリカのHMOなどを参考として言われているわけですが、アメリカの場合には、ああいう保険者機能が強化され過ぎた弊害がむしろ出てきて大変今問題になっている。HMOなどは国民的な非難の的になったり怨嗟の的になったりしているということもあるので、何もアメリカのまねをする必要はないですし、またアメリカは医療自体が市場原理に任されているというか、国民皆保険でありませんので、あれは行き過ぎだと思いますけれども。
 しかし、やはり健康保険の保険者というものは、被保険者からお金を集める、保険料をいただく、あるいは保険税をいただいてそれを医療機関にお支払いするという以上、やはり保険者として、例えば被保険者にはむだなことでお医者さんにかからない、医者にかかってもむだな薬はもらってこないように、あるいは自分の健康は自分で管理するように指導する、そういう一つの機能。それから、医療機関にお金を払う場合には、むだな医療や、もちろん不正は当然のことながらそういうものに対しては厳しくチェックするという、こういう保険者機能が働かないと医療保険経済というのはうまくいかないというのは今常識だと思うんです。
 それで、例えばドイツの場合はどうしたかというと、職業ごとに八つですか、健康保険制度は分立していますね。それを職業にかかわらずどの保険にも入れるようにして、現にある保険制度が競争し合って被保険者のためにも医療機関のためにもいい医療が行われるようにするという制度に切りかわったと聞いております。実は、この年末も行ってその成果を勉強してこようと思っているわけなんですけれども。
 そうしますと、全国一本の保険者というのは競争相手がいないわけですから保険者機能を働かそうというインセンティブも働かない、こういう可能性があると思うんです。そういう意味からいうと、このD案というのは非現実的であるだけではなく、何か好ましくないように思うんですが、大臣、その点はいかがでしょうか。
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津島雄二#23
○国務大臣(津島雄二君) 大体今井委員が御指摘のような問題があるわけでありますが、一本化案というのは、一方の被用者保険の方もつらい、それから国保の方もつらい、もちろん政管健保もそうですけれども。それぞれ自分のつらいところを着目して、それを解消するのに一本になればなくなるんではないかという、かなり希望に満ちたといいますか希望的観測から来ているお考えだと思うんです。これを翻って考えますと、一本化することによって、その問題は全部顕在化するだけの話です。
 それから、逆にまた言いますと、一本化したって保険者は国とは限らないよという議論、これがどこかへ消えているわけですね。それで、市町村長がその保険者となると、これ全部国保にするのと同じ話になりはしないかと。それも実は議論が詰まっていない。そして、もしかすると被用者保険の側の方が企業負担というものはこれでなくなるななんと思っておられやしないかと勘ぐる方もいる。でございますから、一本化案というものがこの問題の解決に前向きの実は答えをやはり出していただけないなと、一本化するというだけではどうにも先が見えてこないというのが私の感じでございます。
 でございますから、もう少し具体的に、制度運営をだれにやっていただき、その場合に保険者機能というものもあわせて効率性を担保するにはどうしたらいいかという、もうちょっと足が地についた議論をしなきゃいかぬというのが私の感じでございます。
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今井澄#24
○今井澄君 どうもありがとうございます。
 確かに私、国が保険者と言いましたけれども、国以外も保険者はいろいろ考えられるわけですが、全然根本的な解決にならないという、まさにそういうことだと思います。
 そうしますと、これはかなり長い間、時間をかけて議論をして、大ざっぱに言えば、今四案のどれにするかということに詰まってきて、今まで大臣とも議論させていただく中で、A案というのは現状と基本的には変わりないんじゃないだろうかと。D案も非現実的だし解決しないということになりますと、確かに制度間の公平、公正は図らなければならないにしても、現在ある国保、被用者保険、その中にも健保、政管健保、組合健保、公務員共済あるわけですが、そういう現行の縦割りの健康保険制度をもとにしながら、お年寄りをその中にどう包み込んでいき、あるいはどういうふうにして老人医療費をコントロールするかというのを仕組んでいくしかない。方向性はやっぱりそこに収れんしてくると思うんです。いわゆる突き抜けと言われている、国保は国保のOBを見る、健康保険組合は健康保険組合が自分たちのOBを見る、こういう制度に収れん、この中から現実的な方向を出す以外に、現行制度を維持するわけにもいかないしということだと思うんです。
 そうなりますと、B案の純粋突き抜け案というのは、今、国保の方にお願いをしている退職者医療制度、もともとサラリーマンだったOBは一度また被用者保険の方に引き取りますよと、それでいいじゃないですかという、こういう突き抜け案がありますね。例えば、自分たちのOBとしてどういうふうに認定を考えるかというと、二十年以上勤続ですか、あるいは四十歳以上になってからお勤めをした人については十年以上勤続というところで線を引いて、自分たちのOBとして改めて引き取ります、それは自分で面倒を見ますと。
 ただ、これでは国保が大変なことになるわけですね。特に、今のように雇用が流動化してきている状況の中で、あるいは無職の人、障害を持った人、そういう人たちがみんな国保に入っていくとなると、高齢者も多いですし、低所得者も多いですし、そうすると今以上に国保が厳しくなるということになりますと、これはやはりドイツも医療費で大分苦しんでいるようです。きょうのある新聞にも、ドイツが医療費抑制でお医者さんたちが、医師会がデモをしているという、そういう写真つきの記事がありまして、どこの国もこれで苦労しているわけです。
 例えば、ドイツなどは八つに分立した保険の間で財政調整をしているわけですね。その財政調整も、かかったお金をどう割り振るかという事後的な財政調整じゃない、過去のデータをもとに財政調整をしておいて、後は自分たちの中で医療費ができるだけかからないように老人も含めて努力をする、そういうふうなことだと思うんです。ドイツは年齢構成の調整も行う、それから所得の格差の調整も行う。四種類ぐらいですか、調整をしているようですけれども、非常に大変なことだと思います。
 日本の場合には、国保の中の自営業者とそれから被用者保険の中のサラリーマン、これは財政調整しようとするときに所得の調整というのは難しいですよね。クロヨンとか最近ではトハサンとか言われているようですけれども、大分所得捕捉が違う。そこまでは望まないとしても、せめて年齢構成が同じであるというふうに仮定して財政調整をやった上で、後は出ていく医療費については、老人医療費を含めて自分たちの健康保険組合でコントロールしていくという、言ってみればB案とまあC案に近い形ですかね、そういうところに収れんしてくると考えざるを得ないんですが、どうでしょうか。
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津島雄二#25
○国務大臣(津島雄二君) 今井委員の分析、そして今の結論、理解できるところはございますが、しかしこの突き抜け案につきましても、やっぱり基本的問題は厳然として存在をしている。それは、今、委員は、高齢者の負担というのは年齢リスク構造調整というようなあれで適切にやったらどうだとおっしゃるわけですが、まさにそこが一番悩ましいところでございまして、そのリスク調整をやるためにはむしろ、また最初の議論に戻ってくるんですけれども、ある程度高齢者医療という升があった方がそこはわかりやすいよと、こういう議論も当然あり得るわけでございまして、そういう意味で、委員御指摘の分析は理解しつつも、なおそれが結論だと私は言う勇気はないわけでございます。
 最初に申し上げた高齢者医療制度というものの問題点も理解しつつ、あれは一つの考え方として評価できる点ももしかしたらあるかもしれない。今の私の考え方を問われれば、その両方の間でまだ自分なりの結論は出せないでいるというのが現状でございます。
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今井澄#26
○今井澄君 確かに、大臣のお立場としても結論が出せないというのはよくわかるんですよ。これはまさにこれから時間をかけてやっていかなければならないし、利害関係が絡みますから、お金の問題が絡みますから、ぽんと出せないのはわかるんですが、しかし、大臣、議論をやっぱり振り出しに戻さない方がよろしいと思うんですよ。
 と申しますのは、年齢リスク構造調整というのは、単に老人だけの医療費を調整しようというわけじゃないんですよ。各保険者が、現にあるような保険者、もちろんこれはある程度整理統合するとして、それがもし同じ年齢構成であったとすればという仮定の上にやるわけですから、それは高齢者だけではなく若年者の問題から全部含むわけです。そうすると、若年者の医療費から高齢者の医療費まで全部一つの健康保険組合がそこにかかわってくるということになるわけですから、老人だけを抜き出した今の老人保健制度とは全然違うと思うんです。
 だから、そこのところがなぜ困難なのか。老人だけを抜き出さない形で少し議論を進めるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。いきなり老人のところへ戻るのはまずいと思うんですが。
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津島雄二#27
○国務大臣(津島雄二君) そうはおっしゃいましても、やっぱり一番悩むところは高齢者の医療費負担をどうするかという問題でございまして、もしかすると、突き抜け方式でリスク調整をするという考え方の行く先に、調整の部分はこっちの被用者保険の世界でないから公費でやれということになるとしますと、これはそう簡単な話でないわけでございまして、現実にはその点が一つ。
 それから、被用者保険というものが、これから二十一世紀になっていって雇用形態も変わっていくときにどういう姿になっていくんだろうかなということもやはり見通しておかなければならないと思うわけでありまして、そういうこともありますものですから、私はやっぱり心が乱れる、こういうのが現状でございます。
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今井澄#28
○今井澄君 今の大臣のお考えはよくわかりました。単純にAの方が復活してきたという意味ではなくて、年齢のリスク構造調整が非常に実は難しいんだと。私もそうだと思うんです。
 例えば、今の老人保健制度、これは一般の医療費は公費が三割しか入っていないわけです。老人保健施設とか訪問看護の方は五割入っているわけです。そして、国保の方は五割公費が入っている。これはやっぱり高齢者医療についてはもうちょっと公費負担をすべきだと。これは大臣もそういう御努力をされているというお話を何回も伺っておりますが、私もそうだと思います。しかし、この年齢リスク構造調整を全部公費でやれなんというのは、これはむちゃな話だと思うんです。そうしますと、これは大変な問題になる。幾ら世代間の公平がどうのこうのという議論があるにしても、しょせんはやっぱり世代間扶養といいますか、世代間で面倒を見合うしかないというのが今の少子高齢社会だと思うんです。
 これは公の制度で世代間で助け合うということがなければ、今度個人の家庭でやり直さなきゃならないわけですから、昔の時代に戻らざるを得ない。ところが、昔のように子供は大勢いない、お年寄りが大勢になれば、昔のように家庭の中でできないからこそこういう社会的なシステムでやるわけですから、そこはやっぱり公費だけではなく、公費も当然ふやしていただくけれども、制度間で財政調整をやるという考え方を、それはやっぱり健保組合の方にも納得していただかないと、現に今も出していただいているわけですから、私はそこのところの説得がかぎになるのではないかというふうに思っているんです。
 そういうところで、大変困難ではあると思いますけれども、やはりこの線でもう少し頑張る必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
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津島雄二#29
○国務大臣(津島雄二君) 委員のお考えは理解できるところは多いわけでありますけれども、やはりその結論を導くまでには、今の調整のあり方、負担のあり方、それからもう一つはやはり保険者の機能というものが貫徹できるかどうかというようなこと、こういうところを十分慎重に検討して結論を出すべきだと思いますし、また、私の頭の中にはまだ、仮に公費を多く投入する場合には、どこかに一線を画する必要があるとすれば、その場合には高齢者医療制度というものは一つのそのよすがになる可能性もある、それは一概に今のところ捨てがたいなということだけはやっぱりちょっと申し上げさせていただきます。
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