山口泰の発言 (財政・金融委員会)
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○参考人(山口泰君) けさ発表いたしました「経済・物価の将来展望とリスク評価」という四ページ半ほどのペーパーでございますけれども、ごく簡単に説明を申し上げます。
大きく分けまして、標準的な見通しと、それをめぐるリスクの評価という二つの部分で構成をしております。あわせまして、末尾に参考計数といたしまして政策委員の経済及び物価の見通しも載せております。
まず、今年度から来年度にかけての日本経済の見通しでございますけれども、最も蓋然性が高いと私どもが思いました標準的な見通しは、物価安定のもとで民間需要主導の緩やかな景気回復が持続する可能性が高いというものでございます。ただし、さまざまな構造調整の圧力が残っておりますので景気の力強い拡大はなかなか期待しにくいし、回復のパターンは、先ほど申し上げましたように、いましばらくは企業が先行して家計がそれにおくれてついていくという姿をたどるものと見込まれます。
同時に、金融政策運営上は、こうした標準的なシナリオに対しまして、下振れ、上振れ、両方向のリスクも念頭に置いておく必要がございます。
まず、下振れの方向のリスクとしては、海外要因と国内要因の二つをペーパーにおいて指摘をしております。このうち海外要因につきましては、いわゆるIT関連財の需給の緩和や原油価格上昇の影響などによりまして世界経済が大きく減速いたしましたり、また、それに伴いまして金融・為替市場が変調を来すリスクというものを指摘しております。また、国内の要因といたしましては、企業や金融機関のバランスシート調整が強まる場合の影響などに十分目を配っていく必要があるということを書いてございます。
逆に、上振れ方向の可能性といたしましては、企業の先行きの成長期待、これが仮に大きく上方修正されるというようなことがございますと、それに伴いまして設備投資が大きく伸び始めるということも考えられます。そういう状況のもとで原油価格が一段と上昇するような場合には、物価上昇圧力が強まる可能性もあるというようなことを指摘しております。
以上が概略でございまして、日本銀行といたしましては、申し上げましたような上振れ、下振れ、両方向のリスクに十分目配りをさせていただきながら、引き続き情勢を注意深く点検してまいりたいと思っております。