谷洋一の発言 (農林水産委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(谷洋一君) 今の御質問に対しまして私がお答えするわけでございますけれども、考えてみますと、古い言葉のようでございますが、戦前派とか戦中派とかまた戦後派とか、そういう言葉がはやったときもございました。私はまさに戦中派でございまして、あの戦争中の食糧難で苦しんだとき、また昭和二十年代のアメリカの放出物資をいただいた当時、また窓を壊して国鉄に乗った思い出等々を考えますと、食糧というものがいかに大事かということがわかります。
しかし、日本の経済が高度成長いたしまして、今、豊かな経済になった。今は景気が悪い時期でございますけれども、そういいながらも、私、ついせんだって、日韓漁業交渉で十一月三日から四日に行きましたが、何と日本からの航空路は全部満員でございます。とうとう普通の常識ではとれずに、公務だからということで運輸省の方にお願いして無理にやっと席をとっていただいたということでございまして、これは考えてみたら、成田からだけの便でなくて、福岡もあれば関空もある、名古屋もあれば新潟もある、岡山もある、そういうふうな空路があるにかかわらずとれない。景気が悪いといいながらどうだろうと。私は、三、四十分でしたが、ロッテホテルに泊まってロッテ百貨店を歩いてみましたら、しゃべる言葉は日本語ばかりであります。えらいこったな、これは本当に、と思いました。
だけれども、私も漁業交渉で水産大臣とお会いして、二回にわたって延々四時間半やりまして、私が八割しゃべったんじゃないかと思っておるんですが、その後また水産庁長官は向こうの水産庁の大臣以外の責任者の方との二時間の交渉をしました。しかし、結末はつかずに帰ってまいりました。これからの問題だと思っております。
そういうことでございまして、本当に今の社会というのは何か矛盾しているんじゃないか、もっとなぜ農業を大切にしてもらえないんだろう。しかしこれは、農業者の奮起を促したい前に、やっぱり全国民がその気持ちになって、消費者であろうと生産者の農民であろうと、今は農民といえども、今から四十年前の生活のようにみそをつくり、しょうゆをつくるという時代じゃないことはみんなが知っております。そういうことから考えると、なぜ外国から物を入れることを当たり前のように思っているんだろうと。日本は戦争を放棄しておる立場でございますから戦争しないことは当然としても、外国が戦争すれば我々はその難を免れることはできない、食糧が入ってこないことは当然であります。
そういうことを考えると、もっと真剣に国民全体がこの食糧というものに対する考え方を改めてもらいたいと強く思っておりますが、ここでは農に熱心な、農林水産省に熱心な委員の方々ばかりでございますから、ここで私自身が申してもどうしようもありません。やっぱり社会に向かって強く言いたいと思っておるところでございます。