永村武美の発言 (農林水産委員会)
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○政府参考人(永村武美君) 先生は、再生産、中でも拡大再生産という方向を目指すべきだと。これは一つの考え方であろうと思いますが、規模の拡大というのは、非常にスムーズに、なだらかに拡大するのはなかなか難しい。
例えば、一定の設備、施設、いわゆるハード部門の水準がございます。そのキャパシティーに合わせて牛の数をふやしていくわけですけれども、一定程度以上の頭数になりますと新たなシステムに移行した方が経営としてはコストが下がる、しかしその移行期に一定の投資をしないとなかなか拡大再生産につながらないという問題があるわけでございまして、一部の農家でいっときかなりの負債を抱えるという、現に我々も負債を抱えている農家をたくさん知っておりますけれども、一たん抱える負債という問題はあるにしても、それが将来の資産として残っていくのも事実でございます。
ですから、この拡大再生産のために必要なもろもろの事業、新しい飼養管理方式でございますとか、それについても我々は、例えばゆとりある酪農経営とよく呼んでおりますけれども、以前は、牛が一頭一頭全部つながれておりまして、酪農家がその牛のところに行って一頭一頭搾乳をしていたわけです。したがって、かがんでは搾るかがんでは搾るということで大変過重な労働をやっておったわけですが、今は、例えば六十頭とか七十頭とか非常に大規模になりますと、夫婦二人でもとても労働力がきつくてできない。そこで、ふだんは牛をほったらかしにして放しっ放しにしておく。朝、時間を決めておいて穀物飼料をやりますと、えさに引かれて牛は参ります。乳を搾るパーラーがございまして、ミルキングパーラーに牛が自動的に来てくれる、そこで搾るといった省力機械施設。これも先生、三十頭とか四十頭の規模では過重投資になるんです。したがって、五十とか六十まで行って初めて切りかえる。
その辺のところをできるだけうまいぐあいに、スムーズにいくように私どもも研究はいたしておりますけれども、そういった補助事業もあわせながら、伸びていけるところについては、先生がおっしゃる拡大再生産、これを目指していっていただきたいと思います。
ただし、これとちょっと考え方が違いまして、拡大しなくてもコストを下げて、例えば安いえさとして放牧を利用して、普通の酪農家が七千キロの乳を搾るのであれば、私はコストをかけないで四千五百キロでもいい、こういう山地酪農というようなことで、最近、低投入型の生産というような名称で呼んでおりますけれども、そういった行き方も一つあるということでございまして、必ずしも一つの形態だけを追求するという必要もなかろうとも思っております。