水島裕の発言 (文教・科学委員会)

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○水島裕君 自民党の水島裕でございます。
 私が議員になりましてから、科学技術あるいは先端医学と倫理が絡んだ法案が三つございまして、最初は脳死移植、それから感染症予防法、そして今回のクローンでございます。大変いずれも高度の医学、科学技術と倫理が絡んで大変な法案だと思いましたけれども、私は国会は十分責務を果たしてきたと思っておりますし、今回のクローン法案でも、この間の参議院の本会議の質疑を聞いておりまして、民主党の質問、それに対する大臣のお答えを聞いていまして、本当に科学技術、医学の面からも立派だと思いましたし、また倫理も十分入っていて、ああいう質疑が行われ、また議事録が残るということ、私は本当に国会として責務を果たしているのではないかと思います。
 時間も多少ございますので、この機会に少し先端医学、医療、それから科学技術、倫理が絡んだことについて少し私の意見を申し上げたいと思います。
 日本は、御存じのように、終戦後まれに見る復興をなし遂げたわけでありますけれども、それは主として私は科学技術によるところが大きかったと思います。
 一方、先端医療の方はどうかと申しますと、ちょっとこれはお粗末なところがございまして、三十年以上前になりますけれども、どう考えても倫理面で問題があった和田さんの行った脳死心臓移植、脳死移植のおかげでその後の臓器移植が一つも進まなくて、少なくとも十年から二十年は日本は外国におくれてしまって日本の国民に非常に損害を与えたということでございますので、私はやはりこういうことをやっていく上に倫理というのが非常に大切であるということを医学者、科学者はよい勉強をしたと思っております。
 しかし、ある人が何か問題を起こしてそれで全体の国民が被害を受けるというのは、これはやはりおかしいわけでございまして、それで今度の脳死移植法案というのが議員立法でできたというのは、これは大変私は国会としてはよかったことではないかと。そういう問題はあったけれども、そういうことをクリアしてやはり日本でもちゃんと臓器移植が受けられるようにと。もちろん意見が違う方もいらっしゃらないわけではないですけれども、そういうことは非常に結構な話ではなかったかと思っております。
 それから、第二番目の感染症予防法、これは今、日本にもないような恐ろしい感染症、これは新感染症と言いますけれども、それが日本に入ってきたときにどうするかということで、対策が一つもとられていなかったのを、これは政府提案でございますけれども出てまいりまして、私そのときはたまたま野党の筆頭理事をさせていただいておりまして、そのときも責任を感じまして随分修正もさせていただいたし、それから附帯決議もつけさせていただきました。
 と申しますのは、もちろん専門家の委員会でよく検討なさって出てきた案ではございますけれども、意外とそういう方々は自分の殻に閉じこもって、全体から見るとか国民の立場からという点が、たまたまでしょうけれども欠けているところもございましたので、そのときは新感染症の定義とか分類というところまで私どもの案を示して、結局専門家の方々もその方が正しいだろうということで、国会でそういうところから直していただいたということもございますので、今回のクローン法案もぜひ参議院でも正しい形でこれを審議して、私はこれは一刻も早く成立させた方がよいと思いますので、御協力いただければという立場でございます。
 新感染症のときの反省点といたしましては、法律はよかったんですけれども、その法律のときに、例えばちょっと難しいですけれども、ラッサ熱とかエボラ出血熱とか、そういう非常に恐ろしいものが入ってきたときに、日本で検査も研究もできるようにP4施設というのをきちっとつくるようにということだったんですけれども、もうそれから二年近くたつのにまだ日本では、施設はあるんですけれどもいろんな条件で稼働していない。時々私も委員会でいろいろ申し上げますけれども、それが一つ。
 それから、依然として日本ではそういう病気、感染症予防法のときに一番大切だったのは、新型感染症をちゃんと診断できるかどうかと。ところが、そういうことを診断できる医者は今でも日本にほとんどいない。数年前、ラッサ熱がたしか一人入ってきたときにもうみんなてんてこ舞いして、これは本当にそうかというので、最終的に診断はついたわけですけれども、そういうものもきちっと勉強するということだったんですけれども、それが十分できていないということでございますので、一つぜひ政府の方に申し上げたいのは、法律ができたらそのフォローアップをきちっとやっていただくということをこの感染症予防法では学んでいただきたいと思います。
 それでは、今度のクローン法案ですけれども、衆議院の方の附帯決議あるいは修正というのは私もこれでよろしく、むしろこの法律がこれで充実したと思っておりますけれども、せんだっての参考人の意見を入れた委員会の結論はもう一つかな、まだ理解が十分できていないのかなという印象を受けました。
 例えば、ある参考人が、この法律ですとヒト胚を売り買いしてもいいんじゃないかとか、それから外国にこんな何でもできそうな法律はないじゃないかというようなことが出てきまして、何かそれに対する反論も説明もないまま委員会が終わってしまったわけで、後でその辺は申し上げますけれども、やはり国会では、これは幾ら難しい法律案でも皆さんがよく理解していただいて、合っていることは合っている、おかしいことはおかしいというふうに判断なさって法律ができるなり、またはできないなり、そういうふうにならなくちゃいけないんじゃないかなという印象を受けました。
 それで、いよいよ問題のクローン法案に入りますけれども、やはり誤解があったり理解が十分わからなかったりということもあるかと思いますので、すごく簡単に申し上げますと、クローンというのは、同じ性質、同じ遺伝子を持ったものがたくさんできるというのが大体一般的にクローンと言うんですけれども、ここで言うクローン技術というのは、人の体細胞、体の細胞、皮膚とかそういう細胞を人間の卵の中に入れてそれを子宮に入れてふやすと。
 ところが、普通の皮膚の細胞というものは皮膚にしかならないはずなのが、つまり皮膚になる遺伝子はあるんだけれども、ほかの遺伝子は全部眠っていてそういう遺伝子は一切絶対に目を覚まさないというのが科学の常識だったわけですけれども、それが何とちょっとおまじないを、詳しいことは抜きにしまして、おまじないをかけましたら眠っている遺伝子まで全部生き返ったと。
 ですから、遺伝子まで生き返ったからそれを生殖、胎児に育つ卵細胞の核、もともとその核は別なものですけれども、その核とその目を覚ました遺伝子を入れかえちゃいますと、例えば私のクローンの遺伝子をそこに入れると私と全く同じ遺伝子の性質を持った子供が生まれてしまうというのがクローン技術であります。
 この法案を、まずこの法律の題が「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案」ということになっております。今のクローン技術というのが、今の技術ですけれども、ここに「等」というのがついている。「等」というのは何だというふうに皆さんがこの法案を見ますと、法案の一番最初に「クローン技術ほか一定の技術(以下「クローン技術等」という。)」と、つまり一定の技術を含めたものをクローン技術等と。
 その一定の技術が何かというのはこの法律を読む限りは余りはっきりしてこないんですけれども、これは法律の性質上ある程度しようがないんですけれども、やはり私は誤解を防ぐ意味で、これから出される指針とか、あるいは私は感染症予防法のときもお願いしてつくっていただいたんですけれども、わかりやすい解説書とか、そういうものをつくってそういうものをはっきりしていただくといいんですけれども、第一問としましては、今の「一定の技術」というのは、この法律で言う禁止あるいは指針に従えという第三条、第四条に出てくるいろいろの胚のことを指しているということでまず間違いないわけですね。それをまず結城局長にお尋ねいたします。

発言情報

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発言者: 水島裕

speaker_id: 17228

日付: 2000-11-28

院: 参議院

会議名: 文教・科学委員会