水島裕の発言 (文教・科学委員会)
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○水島裕君 もちろん、現時点は絶対禁止ということで法律をつくっているわけでございますから。また、大臣も何か御意見がございましたら、後で一緒にお話をお聞きしたいと思います。
こういうことを申し上げようと思っていたり、よそでも言ったりしておりましたら、本当にちょっと前の日経の夕刊に、米国政府の倫理委員会で「クローン人間 将来解禁に含み」なんという記事も出ていたので、私は、この参議院の文教・科学委員会の方が先だったら日本の国会の方が先見の明があったなんというふうに、将来、十年ぐらいたってから言われたんじゃないかと思って少し残念に思っております。
それから、次は、直ちにクローン技術が関係するというわけではありませんけれども、ライフサイエンス、バイオの今後の福祉、産業への活用ということについて科技庁と厚生省両方にお尋ねいたしたいんですけれども、今、日本もミレニアムプロジェクトで予算をつけたり、それから科学技術のレベルも高いということで、もちろん非常に独創的なものに欠けるという欠点はございますけれども、基礎研究はかなりいいところまで行っている。
ところが、これがどういうわけだか日本では一つも医療、つまり福祉、それから産業に結びついてこない。このままにほっておいたら、私は先ほど申しましたように、政府は二〇一〇年で二十五兆ライフサイエンスの産業を上げようということも言っておりますし、二十一世紀はライフサイエンスの時代と言っておりますが、このままでは相当惨めな結果になってしまって、先ほど申しましたように、特許も外国に払わなくちゃいけない。
今、遺伝子が非常に中心でございますけれども、遺伝子の研究をやるときには必ず遺伝子を増幅する遺伝子増幅器というのを使うわけですね。PCRと言っていますけれども、それを必ず使うんですけれども、それを何と、ちょっと前までの知識でございますけれども、全体の試薬の費用の五〇%ぐらいを特許料としてアメリカにみんな払っている。ですから、科技庁で幾らお金、研究費をつけても、極端に言うと、ある部分はその五〇%ぐらいはアメリカに払っている研究費を一生懸命つけていらっしゃる。それでも研究ができるからいいんですけれども。
これからの再生医学、こういうところでもってやはり同じようなことになってしまいますと、日本の産業が伸びないどころか、いろいろ医療費とか何かまでも高くなって、それもしかも外国に払うということになってまいりますので何とかしなくちゃいけないというので、どこが一番日本でぐあいが悪いかと申しますと、ちょっとした発明、発見、非常に大きな発明、発見かもしれませんけれども、それを企業につけるところ、アメリカでいえば大体ベンチャーがやるようなところ、そこが非常にうまくいっていないのが一つ。それからもう一つは、ほぼ基礎実験が終わってこれを臨床に使う、つまり人で本当に効くかどうかという臨床試験、特にその初期段階がうまくいっていない。
私が最近調査いたしましたら、日本の大手製薬会社が今結構有望な薬、バイオも含めて薬を五つとか十ぐらい持っているんですね。調べたら、それのすべてを全部外国に、今その臨床試験のちょっと前後から全部外国に頼んでいる。日本でやったのでは時間もかかるしお金もかかるし、余りいい成績、いい成績というか信頼を置ける成績が出ないので外国には認めてもらえない。お金は日本と同じかちょっと余計かかるかもしれないけれども、外国できちっとお金を渡すと一定の期間で臨床試験もできている。アメリカでやればその臨床試験がヨーロッパも日本も活用できるということで、期間も含めて経済的にいっても大体今、日本はみんなそういうふうにやっている。
大きな会社はお金があるからそれでいいんですけれども、我々大学人とか多少ベンチャーをやっている人はなかなか外国に頼むほどのお金はない。せめて日本で人に効果がありそうかどうかと、そこまではそんなにお金がかかるものじゃないんです。
そういうことがあるので、やろうとするとなかなかお金がないし、また厚生省も、そこへ堺審議官が来ていらっしゃいますけれども、厚生省もいつも主として待ちの姿勢。このごろようやく少しよくなって相談には乗ってくれるということで皆行って相談には乗っているんだけれども、でも頼むと大体三カ月ぐらい先で、それで行くと、おうおうと言って、次またあれしていらっしゃいと。いらっしゃいと言ったら、またずっとあとはただもう威張って、威張っているかどうか知りませんけれども、威張って待っている。
アメリカはどうかと申しますと、アメリカはFDAが厚生省と同じようなことをやっていますけれども、非常にいいものができると、まずこれはいいという指定もするわけですね。なおかつ、担当官がついて、この担当官がこれこれこうやった方がいいんじゃないかと。それで会社がもたもたしていると、あれ、こう言っているのはどうなったというようなことでそっちからも連絡はして、何しろアメリカ人のために、アメリカ人の健康にいい薬はもう何とかして早く許可して患者さんに届けようという姿勢なものですから、こんなに違ってしまうわけです。
ですから、質問は、実務的なことは厚生省の審議官で、大臣にも後でちょっと御印象をお伺いしたいんですけれども、ひとつ大したお金じゃない。私も招かれてこんなことを言っちゃ大変失礼ですけれども、この間、海上自衛隊の観艦式を議員の間でしかああいうのはなかなか見られないと思いまして行ってきましたら、森首相もちょっと私にまた失言をしておりましたけれども、別に大した失言じゃありませんけれども、そうすると、四十隻か六十隻、ずっと護衛艦が通っていくんですね。あれ一隻幾らだと聞いたら千五百億ぐらいかかる。どう見てもあの四十か六十のうち一隻ぐらいなくても、今のアジア情勢では日本は別に一隻なくてもどうってことないなと。
ところが、その一隻を仮に、一年分一隻の予算の必要はもうないんです。大体あれ三分の一隻で一年間その予算をとっていただいて先ほどのような研究に出したら、私は日本の生命科学、ライフサイエンスの未来は物すごく明るくなる、適切なところに配ればですよ。配れば明るくなるというので、ぜひライフサイエンス議連でそういうことを今度ディスカッションする予定なんですけれども、あれは議長が加藤紘一さんなものでちょっと今困っているところなんで、でも多分、この間の小委員会も出てこられたから、この間のはこの間で別にきちっとやってくださると思いますし、お願いに行こうかとも思っておりますけれども、そういうふうにお金を適切にほんのわずかつけると。
お金をつけても、今までは臨床研究、会社がもうかるような薬の研究、バイオの研究には政府はお金は出しません。オーファンドラッグというもう本当にわずかしか患者がいないときは別ですけれども、とにかく会社がもうかるような仕事にはお金は出しませんというのが一つ決まっているので、それもぜひやめてもらいたい。
それからもう一つが、今度は人間。何もFDA以上ぐらいに私は厚生省、厚生省もだんだん優秀な審議官が出てきました、あそこに座っている人なんかはいい方。いい方でと言うと、ということは悪い人も余り能力のない人も結構たくさんいるんですけれども。そういう人もふえてきましたので、そういう人をひとつこの開発をやっている一員のつもりぐらいで、それはなっちゃうわけにはいかないかもしれませんが、そのぐらいの気持ちでもって、マンパワーも政府の人が応援する、いいものに限ってですね。
その二つをやってくれれば日本のライフサイエンスは本当にうまくいくし、逆にそういうことをしないと落ちぶれていって、下手すると日本はアメリカの医療植民地みたいになってしまうという可能性も大いにあるので、ぜひそれは具体的なことと精神的なこととで御答弁をいただきたいと思います。