杉浦正健の発言 (法務委員会)

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○衆議院議員(杉浦正健君) 佐々木先生のおっしゃるとおりでございます。自民党における検討過程でも、それから三党協議の過程においても、その点がいわば今回少年法の問題に取り組んだ原点と言ってよろしいかと思うんです。
 先生は武さんの例を申されましたけれども、衆議院でも別の被害者の方をお二方お呼びいたしました。それから、武さんの被害者の会ほか幾つか被害者の会がございますが、そういう方々から詳細に御意向を聴取したわけでございます。武さんを初め、いわゆる被害者の会をつくっておられる方々の大部分がかわいいお子さんを亡くされた方々でございます。
 そういう方々の声に耳を傾けておりますと、確かに先生がおっしゃったように命を亡くされた悲しみが根本なんですが、家庭裁判所の審判がいわば密室の中でございまして、何を審理しているのかわからない、傍聴もできない、記録も見られない。最近は被害者の方から事情聴取もされるようになりつつあるようなんですが、被害者の会の方々のころは、意見も聞いてくれない、結論も正しいかどうかわからない。つまり、少年には抗告権、いわば被疑者と申しますか非行少年の方は審判に対して不服を申し立てられるけれども、その審判の結果に対して被害者はおろかだれも抗告申し立てができない。そういう審判ではおかしいんじゃないでしょうか、私たちは知りたいんだ、何が起こったのか、うちの子供たちがなぜ、どういう過程で殺されたのか知りたいんだというのが出発点で、さまざまな今の家裁の審判手続に対する御不満を持っておられたわけでございます。
 原則逆送になりますと、もう先生方には釈迦に説法なんですが、何回も申し上げておりますが、起訴されます。そうしますと、公開の法廷で裁かれるわけであります。傍聴もできますし、場合によっては検察官が証人申し立てをすることもあるでしょう。意見を言う機会もあるでしょうし、記録も法律の定めで閲覧、謄写ができる、要するにわかるわけです。そういう公開の法廷で審理される、それによって被害者の皆様方の大部分の方が今持っておられる多くの不満が一気に解消するんじゃないかというのが原則逆送を考えた原点でございました。
 この法改正によりまして、家庭裁判所がまず裁量権を持っておられますから、逆送するかしないかは個々の事件について家庭裁判所が慎重に判断をされて、逆送するかどうか、被害者を死に至らしめた事件の場合でも逆送しない場合もあるわけなんですが、私は、家庭裁判所、最高裁がこの被害者の声に耳を傾けてきておられますから、何物にもかえがたい最愛の子を事件で奪われた被害者の声に耳を傾けていただいて、公開の法廷で裁くという方向に運用を変えていただけることを期待しておるわけであります。
 これは何度も申し上げましたが、刑事裁判所で審理を尽くした上で保護処分相当と認める場合は、五十五条ですか、家庭裁判所へ戻せるんですね。審理した結果、これは刑事処分より保護処分の方がいいと刑事裁判所の方で判断すれば保護処分に戻せるんですから、今まで移送決定がなされた例は皆無に近いと聞いておるんですが、公開の法廷できちっと裁いた上で裁判所が保護処分相当と認めれば家庭裁判所へ戻して適切な保護処分をするということもできる道は少年法上ございますので、戦後五十年の家庭裁判所の運用を、故意の犯罪行為によって死に至らしめた事件については原則として公開の法廷で裁く、それが少年の規範意識を高め、少年全体の非行が抑制される方向に働くことも期待いたしておるわけでございます。

発言情報

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発言者: 杉浦正健

speaker_id: 21953

日付: 2000-11-24

院: 参議院

会議名: 法務委員会