日出英輔の発言 (労働・社会政策委員会)

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○日出英輔君 私は、やっぱりこういう判断指針をかなりきちんとつくられたということは大いに評価すべきものだというふうに思います。行政としてこういった判断指針がないとやはり現場の方はより判断がしにくくなって、何かこういった精神障害ということによるものが変にニュースになったりするようなことではやっぱりいけないのでありまして、これが事務的に粛々と行われるぐらいでないといけないんだろうというふうに思います。そういう意味で、この判断指針を出されたこと自体は行政の透明化という面でも私はいいことだと思っています。
 ただ、これちょっと私の意見ですが、この判断指針の基本的考え方のところで、例えばこの「心理的負荷による精神障害の業務上外の判断に当たっては、」云々と書いてある中で、「労働者災害補償保険制度の性格上、本人がその心理的負荷の原因となった出来事をどのように受け止めたかではなく、多くの人々が一般的にはどう受け止めるかという客観的な基準によって評価する必要がある。」といった、この「多くの人々が」というのは、過去における障害を持った方じゃなくて何か平常人のような感じがちょっと読めるんですが、そういったことでありますとか、あるいは判断要件のところで、今のような「客観的に」という言葉で、「客観的に当該精神障害を発病させるおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること。」でありますとか、あるいはさらに今の続けて申し上げますと、判断要件三つのうちの最後の方に、「業務以外の心理的負荷及び個体的要因により当該精神障害を発病したとは認められないこと。」ということで、何か一切こういう業務以外のものは入ってはいけないんだというふうに一見読めるようなところがあります。この基本方針のところは私は読み方によっては相当厳しく読めるような気がします。
 ただ、後ろを読みますと、例えば今の業務以外の心理的負荷のところについても言及が当然あって、要因が複雑に絡み合っているので慎重にやれとか書いておられますね。そういったところとか、こういった度数を、強度というものをちゃんと客観的に書くとか、私はこういう意味でよくできているというふうに思いますが、ただこの精神的な障害の話は、私はやっぱり客観的にというか、通常人が感じるということがこの制度の性格に合っているかどうかということについて、やや疑問があります。ただ、これはきょうは議論ができませんので申し上げませんが、百歩譲っても、やはりこのメンタルなものについては当該人がどういうふうに感じたかというのを相当程度取り入れないとうかがい知れないんではないかということ、あるいはなかなか認定できないんではないかということがあります。
 さらに申し上げれば、行政サイドでいいますと、私も公務員の仕事をいたしましたが、中央では割合弾力的に判断をすることでも、現場に行きますとやっぱりこういった判断指針を金科玉条として見ます、入り口のところはかなり強く書いてあります。私、後ろを読むと、入り口のところがちょっと書き方が原則だけが書いてあるんじゃないかという感じがありまして、どうもやはり現場の方々はこれを見ますと少し金科玉条なのでかなり硬直的な判断をなさるおそれがあるんではないかという感じがいたします、これは私の危惧だといいんですが。そういう意味で、これまで請求された案件なりあるいは認定された案件につきまして、事後的に症例をよくお調べいただいて、よりその事案に合ったような判断ができるようこれは御努力を賜りたいというふうに思っている次第でございます。
 そこで、大臣にちょっと伺いたいのでございますが、労働省はことしの八月にこういった何といいますか、メンタルヘルスケアと横文字が出ておりましたが、事業場における労働者の心の健康づくりのための指針というのを公表しているわけであります。私はこういったことについて少し何か物足りない感じもしないではないんですが、こういったメンタルヘルスケア対策について、大臣として今後どのようにお進めになっていくおつもりなのか、そういったお気持ち、抱負等を伺いたいと存じます。

発言情報

speech_id: 115015285X00220001102_015

発言者: 日出英輔

speaker_id: 20965

日付: 2000-11-02

院: 参議院

会議名: 労働・社会政策委員会