村田徳治の発言 (環境委員会)
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○村田参考人 淑徳短期大学の非常勤講師をやっております村田と申します。
三人の参考人の方からもう既に基本的なお話は全部出ておりますので、触れられていない部分だけをちょっと重点的にお話をしたいと思います。
実は、三十年間に、トランスとかコンデンサーが一万一千台も行方不明になってしまった、これに対する追及がほとんどなされていない。
実際にこれがどうなっているのかというのは、幾つか事例があるんですが、ほとんどの場合は、工場で保管をすべきと義務づけられているにもかかわらず、その工場の担当者が定年退職、普通の退職あるいは転勤というようなことで管理者が不在になってしまう。しかもその書類も、工場なんかでは大体五年間保管なんということで捨てられてしまうおそれがあるということで、だれもわからなくなってしまう。
たまたま変電所の改造その他が起きてそういうトランスなりコンデンサーが出てくると、それはわきに追いやっておくわけですが、たまたま廃棄物処理業者あるいは廃品回収業の方が工場へそういうものを集めに来るときに、それが一緒に出されてしまう。担当者はそういうことを全く知らずに引き継いだものですから、最初の担当者は知っているんですが、次の人たちはよく知らない。それが例えば解体業者の中へ回ってくる。
解体業者をごらんになった方はそうたくさんいないのではないかと思いますが、実は、トランスなりコンデンサーを解体している、そればかり解体しているわけじゃありませんが、要するに解体をして、そこから鉄くずあるいは銅くずを回収して、それを資源として売却するということを昔から続けている業者がおります。そういうところへトランスなりコンデンサーなりが来ると、まずふたをあけて、中に入っているトランス油と称する油をドラム缶に移します。これがPCBである場合とそうでない場合とあるわけですが、一々それは、きちんとした業者であればそれはきちっと分けてやるんですが、本来やってはいけないことなんですが、PCBの入っているものは処理しちゃいけないことになっているんですけれども、それは知ってか知らずかということで解体をしてしまう。
ドラム缶に入れて、周りに付着した部分は、その下に全部落ちてしまう。ドラム缶に入らなかった部分は全部土に落ちてしまいます。ですから、解体業者のところへ行くと、とても長靴でも履いていかなきゃいけないほど地面が油でどろどろに汚れているというようなところがたくさんございます。そういうところでは、当然PCBが土の中にしみ込んでしまう。
それから、ドラム缶に入れられたもの、これはどこへ行くかというと、いわゆる廃油処理業者というところへ回されます。この廃油処理業者のところではいろいろなことをやるわけですが、品質のいいもの、余り汚れていないもの、トランス油みたいなものですと、ほとんど潤滑油関係に再生油として回してしまう。潤滑油としてPCBが使われた歴史もあるわけでして、古い機械油の中には大体PCBが検出されます。そういう形で、油としてリサイクルされてしまうということがあります。買う方も、それがPCBが混入している油であるということを知らずに買って機械油として使うということがあります。これは、だから非常に汚染源がどんどん拡散していってしまうということがあります。
それから、もう一つ盲点になっているのは船舶の解体です。もう三十年以上、寿命が来た船舶、当時、やはり船というのは火災が非常に心配されるものですから、こういう電気機器類というのは不燃性のものを使うということで、PCBのコンデンサーあるいはPCBのトランスを使った船があります。最近、日本は造船の方は低調でして、船の解体の方も余り進んではいないだろうとは思うんですが、かなり前にはこういう船が解体をされて、そこに積んであるコンデンサーのPCBなり、あるいは火災防止のために暖房用に使うのはパネルヒーター、パネルヒーターの中にもPCBが入っているものがありまして、そういうものが解体と同時にほかのスクラップと一緒にまざってきて、油は油で一応集めるんですけれども、PCB入りの油というものが出てくる。これは一時大問題になったことがございます。その後、私も追及をしていないのでどうなっているのかわかりませんが、そういう点の汚染源というのもございます。
法律の方で、事業者というものの中に、保管する事業者ということになっているんですが、解体をやっている人たちは、PCB入りの製品を保管したりなんかすることはほとんどないんです。運び込まれるとすぐその場で解体をしてしまって次に回してしまうわけですから、この保管というのは時間的なもので、一時間でも置いてあればそれは保管なんだというふうに解釈すれば、それは保管ということになるんですが、一般で言う意味の保管というのはほとんど考えられないというふうに考えた方がよい。ですから、この法律の中に、この保管というものにはもう少し何か条件をつけ加えないと困ることが起きてくるのではないかというふうに考えられます。
それから、もちろん、譲渡あるいは譲り受けをしてはいけないという条文が載っておりますが、実際には、今お話ししたように、法律の存在を知ってか知らずか、あるいは十分承知してやっている部分もないことはないんですが、知らないで、そういう形でPCB入りの製品が流れてくる。特に倒産した会社などでは、当然そういうものが廃品回収業者の方に回る可能性も多分にあるわけです。これに対する法律的な縛りといいますか、それが十分でないような気がいたしました。
それからもう一つ、次に、環境事業団がPCBの処理を行うということが今回の法律の大きな目玉だそうなんですが、実は、もう既に化学的な処理、いわゆる焼却処理ではない処理方法で実際に処理が行われています。これはお手元の三七号資料の中にも載っておりますが。
今までPCBの処理がどうしておくれたかというのは、先ほど参考人の方々からるるお話があったように、いわゆるダイオキシンの発生問題、焼却によるダイオキシンの心配というのが一番大きかったわけですが、この化学処理によると、これは焼却ではございませんで、化学的にほとんどいわゆる還元状態でやるというもの、あるいは空気を遮断してやるという形ですからいわゆるダイオキシンの生成というのはほとんど考えられない。こういう処理技術がもう既に開発されていて既に実施をしているところがございます。お手元の資料の中にも、住友電工あるいは荏原製作所、日本曹達、それから東京電力はこれから、あるいは三菱重工もことしあたりやるという形になっております。
東京電力の施設は横浜の大黒町という工業地帯で行われるわけですが、このとき近隣住民に対する合意を取りつけるということだった。この大黒町というのは工業地帯でして、実際には近隣に住民はいないんですが、隣の町会あたりを、大体六千戸の同意を取りつけたということでこれができるということになったようです。
その場合の説明では、これは焼却処理ではないんだ、だからダイオキシンは一切出ませんという説明が行われているはずなんです。住民も納得してそういうふうなものに対しての反対運動が起きないということだろうと思うんです。事業団がどういう技術を導入されるか存じ上げませんが、例えば焼却を中心にした技術を採用するとなると、これはかなりの反対運動が起きる可能性はあります。
それからもう一つ、事業団が公共的にやるということ。既に民間がやっているにもかかわらず、なぜ事業団が新たにこれに乗り出すのか。むしろ民間のやっていることをもっと助成して、その技術を生かして実際に処理をしていくべきではないか。
例えば住友電工では、中小企業が保管するPCBの汚染を我が社で処理してもいいということを名乗りを上げております。あるいは関西電力なんかでも、受託処理も計画をしているということのようです。しかも、処理技術というのはまだ完全に評価がされておりませんで、高い技術もあれば安い技術もある。
最終的に、いろいろなところがそういう処理を始めると、一番安いところ、技術がすぐれていて処理費の安いところに品物が集まってくるということになる可能性があるんですが、事業団がもしこういうことを始めてしまうと、今までこういうことを計画してきたところがほとんどだめになってしまうだろうという感じはします。
それから、最近工場で、今までやっていた産業が下火になってしまって遊休地を非常に抱えてしまっているところがあります。あるいは、既に自分たちの持っている技術でこういうものは処理ができるんだという処理技術を保有している工場もたくさんあります。しかも、大手の工場ですと、周辺一キロ以上離れて住宅があって、近隣には全く住民が住んでいないというようなところも多々ございます。そういうところを生かして、むしろこういう処理技術の開発といいますか、むしろ技術の向上、お互いに競争し合って向上させるべきであるというふうに考えております。
それから、公共関与で廃棄物を処理するということは、一応産業廃棄物については禁止されていると言った方が、国際的にいわゆる汚染者負担の原則というものによって、公共的にそういうものを入れると公正な競争が妨げられるというところから、あくまで汚染者負担の原則で排出者がそういうものを負担すべきであると。法律の中には一部出捐の話がございますので、それはそれとして、事業団が実際にやる根拠というのはどうも説得力がないような感じを受けるわけです。
それから、時間がありませんので先を急ぎますが、先ほどお話しした、金属の解体業で実際に大変な土壌が油で汚れているところがございます。これは、土壌汚染に対する自社での調査義務だとか何か余りない、あるいは中小企業ではそういうことができないというようなところがございまして、これがPCBの汚染を広げている。当然、大気中へも飛散をしますし、雨が降れば流出するということになるので、この解体業のあれは急務だと思います。
それから、もう既に述べられたように、いわゆる汚染物、PCBそのものではなく、PCBに汚染されたものについてはまだちゃんとした技術が開発されておりませんので、やはりこれを開発するのが急務である。
そのほか、カネミ油症の患者の疫学調査の話は、もう既に浦野先生がお話しになりました。
それから情報公開、これも既にお話しになったので、これで終わります。どうもありがとうございました。